今月の
特集

2025.6.1
“刺激的”だけが刺激じゃない?
「ホッとして楽しい」が今アツい
ドキドキする出会い。心を揺さぶられる出来事。若者は強い「刺激」を求める存在―という考えは、近年、薄れている。ある調査によると、「生活の中に刺激が欲しいと思う」と答えた20 代の割合は、10 年前の35.3%から大きく低下し、昨年、22.4%だった。
「SNS疲れ」「つながり疲れ」という言葉も聞かれる現代。刺激より安らぎや癒しを求める人は増えている。そんな世の中で、霊友会青年部が推進する「つどい」には、どんな価値があるだろうか。
誰かと顔を合わせて笑いあったとき、なんだか心がほっこりして、元気が出る。前に進める。日常に彩(いろど)りを加え、成長するきっかけをくれる、「ホッとして楽しい」つながりこそ、今の若者に必要な刺激かもしれない―。
各地のつどいに参加した青年たちの声から、それが見えてきた。
BBQ&青年のつどい
4月27日 東京都江戸川区

01.学校以外に“自分”を出せる場を

内藤由喜さん 高1 内藤さんの中学の同級生 紺野玲美さん 高1 内藤さんの高校の同級生 F.Dさん 高1
4月27日。葛西臨海公園(東京都江戸川区)で行われた関東ブロック「BBQ&青年のつどい」には、中学生から30代までの青年を中心に、総勢300人以上の幅広い世代が集まった。
その中で、ひと際楽しそうな表情を見せていたのが、内藤由喜さん、紺野玲美さん、F.Dさんの高校生3人組だ。
| 何でも言える。安心できる。
だから、素を出せる。そんな場っていいな。
「私は昔から人見知りだし、他人(ひと)からどう見られるかを気にしちゃう性格。相手に自分の意見を言ったり、自分の素を出すのが苦手でした」。
そう話すのは紺野さん。中学1年生のときに同級生の内藤さんに誘われて入会した彼女。弥勒山をきっかけに、今回のつどいには自分から参加したという。
「中1のとき不登校気味だった私を心配して声をかけてくれたのが内藤くんでした。彼に誘われて今年の3月に参加した2度目の『青年の弥勒山セミナー』は、私にとって大きなきっかけになりました。
久しぶりに会った人が『元気だった?』と優しく声をかけてくれたり、初対面の人も、とにかくみんな温かくて。私がどんな話をしても頷(うなず)いてくれて、笑ってくれるので、自然と会話ができて、すごく楽しかったんです。またこんな温かい人たちに会えるのかな? そう思って、今回のつどいに参加しました。
初めましての人もたくさんいて緊張したけど、いろんな世代の人と1つの輪になって、お肉を食べながらおしゃべり。初めてなのにずっと昔から友達のような雰囲気が温かくて、時間があっという間に過ぎました。ここなら何でも言える。安心できる。だから、私も素を出せた。こんな場っていいなって、心から楽しめました。
ほかにも、同世代の学校生活のことや、社会人の方の頑張っている話を聞けて、私もこれからいろんなことに挑戦していこうと思いました。今、すごくモチベが上がっています」。
| 同じ友達とだけ関わってるのはもったいない
紺野さんとは対照的に、元々人と関わりたいタイプだったというのがFさんだ。彼にとって、初めて参加した「つどい」の場はどうだったのか。
「ぼくはダンスを習っていたので、今までも学校以外に知り合いはたくさんいました。でも、すでに関係性ができてるグループの中に後から入っていくのって、結構難しくて……。同じ空間にいても、あれ? 俺だけしゃべってないなっていうことがあったんですよね。だから学校でも、つい“いつメン”とばっかり固まっちゃうことが多くて。
今回、由喜に誘われて、初めてつどいに参加してみたんですけど、ここはみんなめっちゃノリが良くて、ぼくを歓迎してくれたんです。だから、入りやすかった。めちゃくちゃ楽しめました。
大学生とか社会人とか、自分の知らない世界を生きてる人と話せたのが新鮮だったし、普段、同じ友達とだけ関わってるのはもったいないって思うほど。こういう場なら自然に楽しめるし、自分の刺激になるって思いました」。
内藤さんは、学校以外に“自分”を出せる場の大切さを語ってくれた。
「ぼくは中2、中3のとき、学校に行けない時期がありました。中1のときに勉強も部活も頑張りすぎた反動なのか、学年が上がって環境の変化についていけなかったからか、しんどくなってしまったんです。そんなときでも、つどいや弥勒山に行けば、自分の気持ちをぶっちゃけられる仲間がいました。昨年11月の弥勒山で、みんなと話して元気をもらい、自分を変えるために毎日お経をあげようと思えたんです。そこから、どんどん前向きに変わることができました。
学校だけだと、自分の視野が狭くなっちゃう。でも、つどいに参加して、いろんな人から元気をもらって、一歩踏み出せるんだなって。今日、2人の感想を聞いて実感しました」。

*写真は「BBQ&青年のつどい」の参加者の様子です。
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02.どんなライフハックより、
“ひと言”くれる仲間の存在

荒木祥行さん 31 歳 荒木さんの友人Y.Tさん 37 歳
中高生以上に、「BBQ&青年のつどい」には多くの社会人が参加していた。
「初めて参加したんですけど、普段は職場の同僚か友達としか接していないので、こういう場は新鮮。初対面の人とたくさん話すから、コミュニケーション力も上がるし、新しい出会いっていいなって思いました」(20代・女性)
そんな声があるように、20代や30代の社会人も、もっと人とつながることを潜在的に求めているのではないだろうか。荒木祥行さんと、荒木さんの友人のY.Tさんに話を聞いた。
| 一から関係を築いていくにはエネルギーがいるけど…
必ず自分のプラスになる
「父の仕事の関係先に勤めるYさんと知り合ったのは数年前。父を介して何度か食事に行くうちに、好きな洋服の話で意気投合して、2人でも飲みに行くほど仲良くなりました。ぼくが昔から家族で参加しているつどいや弥勒山の良さをYさんにも味わってほしい。そう思って、つどいに誘うようになったんです」。
これまでに何度かつどいに参加したYさんは、「今回も、荒木さんの存在があったから参加しました」と話す。
「私は普段、あまり自分から交友関係を広げようとするタイプではないんです。一から人間関係を築いていくには、やっぱりそれなりにエネルギーがいるので。でも、荒木さん親子はいい人たちだし、彼が誘ってくれるなら行こうと思いました。
今回のつどいは大勢参加していて、少し緊張していたんですけど、みなさんフレンドリーで、バーベキューをしながらのカジュアルな雰囲気が良くて、純粋にすごく楽しめました。
それに、荒木さんがいろんな人を紹介してくれたのが何よりの収穫。自分が普段関わることのない業種の人だったり、逆に、関連する分野の人だったり。今後の仕事に生かせそうな話もできて、充実した時間でした」。
いろんな人とつながってほしい―。荒木さんの思いには、理由があった。
「ぼく自身、仕事でもプライベートでも、悩んだり落ち込んだりしたとき、本や動画でどんなライフハックを取り入れるより、近くにいる仲間の“ひと言”にいつも背中を押されてきたんです。つどいで何度も顔を合わせる中で、お互いの考え方や生き方を知り、何でも言い合えて、何でも受けとめ合える関係。それが必ず自分のプラスになると実感しています。
Yさんにとってぼくがそうなれたら素晴らしいけど、ぼくじゃなくてもいいんです。いろんな人と出会って、ふれ合って、そういう仲間をつくってもらえたらいいなと思っています」。


*写真は「BBQ&青年のつどい」の参加者の様子です。
鉄板青年のつどい
5月6日 愛知県名古屋市
03.ホッとできる場があるから、冒険できる。
そんなつどいを全国へ
大型連休中も各地で開かれた青年のつどい。5月6日には、インナートリップセンター名古屋(愛知県名古屋市)で「鉄板青年のつどい」が行われた。
これは、愛知・岐阜・三重3県の青年が中心となり、毎月3種類開催しているつどいの1つ。みんなでホットプレートを囲み、料理を作りながら交流する。その中で、自然と会話が生まれるのがこのつどいの特徴だ。
「友達に誘われて、先月からつどいに参加しています。いろんな人としゃべったり、美味しい料理を食べて楽しかった。また参加したいです」。(20代・女性)
「支部のつどいや弥勒山にはよく参加しているけど、鉄板のつどいは先輩に誘われて初めて参加しました。ぼくは来年、受験なんですけど、社会人の方から、大学受験に向けての勉強の仕方やメンタルの保ち方など、具体的なアドバイスが聞けて良かったです。今回、すごく楽しかったので、来月のつどいや、7月13日の拡大青年のつどいには友達を誘って一緒に参加したいです!」(高校生・男性)
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今、霊友会青年部では、気軽に新しい人を誘える、どんな人でも参加しやすいつどいを、全国各地に広げていこうと呼びかけている。
今回の記事で紹介したのはほんの一部だが、インタビューからたしかに見えてきたものがある。青年たちが求める「ホッとして楽しい」場は、単に癒される、リラックスできるだけの場ではないこと。年代も、環境もさまざまな人と関わる中で、発見や変化、成長のヒントがあること。SNSでのつながりではなく、リアルでつながり、より深く人と関わっていくことが、自分のプラスになるということ。
ホッとできる場があるから、冒険できる。安心できて、お互いを高め合える、人と人がちゃんと出会える場が、これからの社会に必要ではないだろうか。


*写真は「鉄板青年のつどい」の参加者の様子です。
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