今月の
特集
2020.4.30
聞かせて!Myおせっかい
人の数だけ、様々な「Myおせっかい」があります。 きっかけは、どれも小さな一歩から。 あなたも始めてみませんか?
そして聞かせてください。「Myおせっかい」を―。
①ちょっとしたことから始めよう
ある日、バス停で並んでいると、後ろにいた年配の女性に声を掛けられました。話をすると、下車するバス停が同じで、その方は近くの病院へ行くとのことでした。足が悪くて時間がかかってしまうと聞き、病院まで手を取って一緒に行きました。(大阪府・女性)
道に迷っている外国人がいた。私は英語を話せないが、思わず声をかけてしまった。スムーズに会話できなかったので、相手からすれば、英語が話せる人が良かったかもしれない。でも、困っている人を放っておけなかった。(香川県・女性)
神社巡りをしていると、お宮参りのご家族が拝殿前で記念撮影―そんなときは、カメラを持つ人に「撮りましょうか?」と声を掛けて代わりに撮影しています。カメラの液晶にはイイ笑顔の写真。私もハッピーになります。(在住・性別不明)
※写真はイメージです。本文の登場人物とは関係ありません。
②身近なところで「Myおせっかい」
異動で知らない人だらけの部署に配属され、不安しかなかったけど、忙しい中、何度も声を掛けてくれる人がいた。何日か経って、2月末でその人が会社を辞めると聞き、「新しく人が入ってきたら、誰が声を掛けるんだろう」とその時は他人事に思っていた。
3月初めに新人さんが入ってきた。その人に、「今、休憩時間ですから、一緒に休憩行きますか」と声を掛けたら、「助かった」とすごく喜んでくれた。
今は声を掛けてくれた人の真似事かもしれないけど、引き継いで積極的に声を掛けています。(宮城県・男性)
コロナウイルス感染症拡大による深刻なマスク不足。幸い、私は使い捨てマスクの備蓄はあるものの、周りの人は使い捨てマスクを洗濯して再利用していたり……ということで、布マスクを作って配布することにしました。
しかし、作り方も分からないし、材料も無い(汗)。いくつも店を回り、マスク作りが始まりました。仕事から戻ると、すぐにミシンに向かう毎日。そして、気付けば50枚以上。おかげでミシンの腕も上達しました!(在住・性別不明)
私の特技はオカリナです。聴いた人の心が温かくなればと思い、一人でも喜んでくれる人がいればどこへでも出かけて行って吹きたいと思っています。
去年の秋、父が亡くなりました。最期は会話をすることもできませんでしたが、枕元で私がオカリナを吹くと反応してくれました。息を引き取るときも、オカリナを吹きながら看取りました。
その病院とは父が亡くなった後も縁が続いており、オカリナを吹かせてもらうと患者さんや職員の方が喜んでくれます。これからも出前演奏をしていこうと思います。(島根県・男性)
※写真はイメージです。本文の登場人物とは関係ありません。
③声を掛け続けたからこそ今がある
山田さんと岡さんは小・中学校の同級生で、大親友だ。学校では常に一緒。話し切れないことを手紙に綴り、毎日やりとりもした。そんな充実した日々を送っていた中学校生活最後の年、岡さんに異変が訪れて……。山田さんから岡さんへの、10 年越しの「Myおせっかい」。
※写真左が岡 瑞枝さん(25歳)右が山田理恵子さん(25歳)
岡:中3になって、体調を崩す日が多くなりました。特に原因があるわけでもないのに、次第に休む日が増え、部活を引退した秋には気持ちの糸が切れたように、まったく学校に行けなくなってしまったんです。
山田:元々、優しい性格が災いして友達の間で板挟みになることも多かった岡さん。それに加えて受験のストレス、吹奏楽部のハードな練習などが積もり積もったのかな、と今になっては思えるのですが……。当時は私も受験勉強に追われ、それほど深刻になるまで彼女のことに気付けませんでした。
岡:そんなことないよ! 山田さんは、違うクラスなのに、授業のプリントを毎日家まで届けてくれたんです。その日に習った数学の方程式を、手紙に書いてくれたことも。すごく嬉しかったです。
だけど……。家にいると不安が大きくなる一方で。私だけ立ち止まったまま、友達は着実に階段を登っている。そのギャップを感じ、みんなに会うのが怖くなりました。山田さんに対しても、受験の邪魔をして申し訳ないと感じ、玄関にも出て行けない日が増えていきました。
何もしないのが一番いけないこと
私にできることを見つけよう
山田:私は、何て声をかけたらいいんだろうと悶々としました。それどころか、余計なお世話をして嫌われたらどうしようと考えてしまったんです。
そんな中、岡さんが家に電話をくれました。「鬱になってしまった」と。ショックでした。その後、さらに彼女の気持ちが沈み、「消えたい」と言われたときは泣きました。助けたいのに、力になれていない自分が情けなくて、悔しくて。でも、何もしないのが一番いけないこと。何か私にできることを見つけよう! そのとき、強くそう思ったんです。
卒業した後は別々になったけど、お互いケータイを持ったこともあり、私は、岡さんにメールを送ることを始めました。あまり踏み込んだ内容にすると、返すのが負担になるかもしれない。最初は「元気?」とか当たり障りのない文章を送るので精いっぱいでした。それでも、何とか彼女の気持ちを繋ぎとめたいと必死でした。
岡:何とか高校には進学できたものの、入学早々、休みがちになり、1年で退学。次の年からは通信制の学校に通いました。平日は家にこもってばかりで、週末にレポートを提出しに登校。そんな繰り返しの中、山田さんから届くメールは嬉しかった。不安もありながら、山田さんや友達にまた会いたいと、少しずつ希望を持てるようになっていきました。
山田:「成人式には一緒に出たい」。そう彼女も言ってくれたので、絶対にあきらめないぞと連絡を取り続けたんです。そして、成人式当日―。
岡:山田さんが会場の入り口で迎えてくれ、私の手を引いてくれました。顔を合わせるのは久しぶりだったけど、変わらない彼女の笑顔にホッとしました。みんなも普通に話しかけてくれて、すごく気持ちが楽になったのを覚えています。
山田:それから岡さんはだんだんと元気になり、笑顔を取り戻していきました。その年の春からは社会人になり、仕事も休まずプライベートも充実するように。そんな姿を見て、声を掛け続けたことは無駄じゃなかったんだと思えました。
「あなたが誰かを守っていくのよ」
岡:仕事を続けていると、同僚との付き合い方など、社会人ならではの悩みをもつようにもなりました。そんなとき、山田さんが霊友会に誘ってくれたんです。
山田:私も学生時代は親に言われるがまま活動していた霊友会。社会人になってから、つどいで聞く話や同年代の仲間の姿がすごく刺激的で、楽しくて自分に生かせる教えだなと思うようになりました。だから岡さんにも伝えたい、もっと一緒に成長したいと思い、支部長の家に連れていったんです。
岡:支部長に仕事の悩みを相談したときもらった言葉が、今も胸に残っています。「今までは、家族や友達に守られて大きくなった。いずれ結婚したり、母親になったら、あなたが誰かを守っていくのよ」。
私はずっと誰かに甘えて生きてきたんだなと思いました。両親は、学校に行けない私を温かく見守ってくれました。出られるかどうか分からない成人式のために振袖(ふりそで)も仕立ててくれました。一体、どんな気持ちだったんだろう。親がいれば最終的には何とかなると甘えてばかりで、全然感謝が足りなかったな。職場でも、周りの人に頼ってばかりだった。そんな自分を変えていこうと、今、頑張っています。
山田:一緒にお経をあげたり、つどいに参加するようになって、仕事に対する姿勢も変わり、支部の仲間も「岡さん変わったね」と言ってくれます。そんな彼女を見ていると、私も今まで親や支部長、仲間たちに支えられてきたんだなと、感謝の気持ちが湧いてきました。
私は元々、相手にどう思われるかを気にして深く踏み込めない性格でした。でも、岡さんとの関わりを通して、行動する大切さを実感した。先日友達を導いたときには、深く関わらないと相手の良さも、自分の駄目な部分も分からないんだと教えてもらいました。
これからも、いろんな人に「Myおせっかい」をして、たくさんの人の役に立てる青年法座主になるのが今の目標です。
岡:私も、これからは少しでも周りの人に「Myおせっかい」をしていけるよう頑張ります。
※支えてくれる支部長、仲間たちと。 2 人にとってかけがえのない存在
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