今月の
特集

2022.10.29

つどいで人の温かさにふれ、
私の人生は変わりはじめた

和歌山県 平 彩乃さん 25 歳(体験談)

自分の気持ちを受けとめてくれる人に出会えたとき、人は前に進める。平彩乃さんは今、そう強く実感している。

彼女がどんな人と出会い、どう変わってきたのか話を聞いた。

私は子どもの頃から、自分の気持ちを人に伝えるのが苦手でした。内気な性格で、自分に自信もなく、周りから意見を求められると委縮(いしゅく)してしまう。自分の考えや思いは心の中にしまったまま、何を言われても笑顔で頷(うなず)き、周囲に合わせるような生き方をしてきました。小学校から一緒だった親友にさえ、「もっと自分の話をしなよ」と言われてしまうほど、仲の良い友達や家族に対しても、なかなか素を出せなかったんです。家族も友達もいて、不自由のない生活を送っていても、どこか寂しさや孤独感がありました。

「無理して笑わなくていいんだよ」
その言葉に救われて

高校2年生の6月、それはあまりに突然の出来事でした。母が交通事故に遭(あ)い、44歳の若さで亡くなってしまったんです。同じ月に、祖母も病気で亡くなりました。家には父と私、まだ小学生だった妹の3人だけになってしまいました。悲しくて、寂しくて、不安でたまらない。でも、誰に相談すればいいのか、これから先どうすればいいのか分かりませんでした。

そんなときに声をかけてくれたのが、叔母の友人の青木香保里(かおり)さんでした。青木さんが家に来たとき、私は、母と祖母に手を合わせに来てくれた親切な人だなと思い、「ありがとうございます」と笑顔で応対しました。すると青木さんは優しく、「辛いのに、心が笑っていないのに、無理して笑わなくていいんだよ」と言ってくれたんです。その言葉に、心が救われる思いがしました。「こんなに温かい人に初めて出会った、この人には何でも話せそうだな」と思いました。

そして、一緒に来てくれた今中典子支部長と一緒に、青木さんは霊友会の教えを伝えてくれました。「亡くなったお母さんやおばあちゃん、ご先祖の供養ができて、自分も変えていける教えなんだよ」と聞き、それならやってみようと私は入会しました。

お経をあげると、母と祖母が笑顔で見守ってくれている気がして、寂しさも和(やわ)らいでいきました。些細(ささい)なことで不安になり、落ち着かなかった自分の心も、次第に穏やかになりました。

|   他人事にしない、そんな温かさにあふれた素敵な場所

つどいにも参加するようになりました。つどいは様々な世代、立場や環境の人が参加していて、いろんな話を聞ける。悩みや不安を親身になって聞いてくれる仲間がいて、どうすればいいか一緒に考えてくれる。他人の話を他人事にしない、そんな温かさにあふれた素敵な場所でした。私も少しずつ自分の素を出せるようになり、心から笑える時間が増えていきました。

その後、弥勒山にも参加し、霊友会の教えで円満な家庭を築いた人の体験談を聞き、家族みんなでこの教えをやりたいと強く思いました。その思いを伝えると父は入会し、一緒にお経をあげ、つどいに参加するようになりました。すると、つどいで聞いた父の幼少期のエピソードや、私が知らなかった父の一面に興味が湧いて、日頃の父との会話も自然に増えていったんです。

私は家族の前でもあまり自分の気持ちを出せずに、コミュニケーションも少なく、寂しさを感じてきました。心のどこかで、もっと自分の気持ちを聞いてもらいたい、という思いがあった気がします。ですが、私自身も家族のことを知ろうとも、話を聞こうともしてこなかったんだと気づかされました。

霊友会の教えにめぐり合っていなかったら、家族はバラバラになっていたかもしれません。青木さんと出会い、つどいで人の温かさにふれ、私の人生は変わりはじめたんです。

父の伸一郎さん、妹の佳純さんとの仲も深まった

|   心から思っているなら、言葉は自然と出てくる

社会人になっても、つどいや弥勒山などの行事に積極的に参加しました。その度に、社会を、国を良くしていこうと、人を思って動いている仲間の姿に刺激を受けたんです。この教えをもっと多くの人に伝えようと、身近な人から声をかけ、少しずつ仲間の輪が広がっていきました。

そんな中、ずっと気になっている友達がいました。それは、昔、「もっと自分の話をしなよ」と私に言ってくれた、親友のYさんです。彼女は母子家庭で育ち、母親に迷惑をかけないように一日も早く自立したいと、高校卒業後すぐに地元を離れて就職していました。私は地元で働いていたので、年に1、2回、彼女が帰省するときに会うのが恒例でした。

Yさんの職場は男性が多く、女性は肩身が狭く苦労が絶えないという話を聞いていました。また、友達の悩み相談に親身になり過ぎて、彼女自身がまいっている姿も何度か見ていました。

コロナ禍で会えない期間が続き、今年に入り、どうしても彼女の様子が気になって電話をしました。「連絡くれてありがとう」という彼女に、そのとき初めて霊友会の話をしたんです。「そうなんや、良いことやね」と言われましたが、「一緒にやろう」のひと言が出ませんでした。

5月、帰省したYさんと久しぶりに会いました。今日こそ必ず教えを伝えよう。そう思っていたんですが、昔の内気な私が邪魔をして、またしても言えませんでした。それを青木さんに相談すると、「Yさんのことを心から思っているなら、言葉は自然と出てくるはずだよ」と言われ、ハッとしました。Yさんのことが心配だと言いながら、彼女がどれだけ不安やしんどい気持ちを抱えているのか、真剣に思えていませんでした。私は、教えを伝えたらどう思われるだろうとか、自分のことが第一になっていたんです。「Yさんの力になりたい。この教えを一緒にやって、必ず元気になってもらいたい」と心から思いました。

いつも元気をもらえる支部の仲間たちと一緒に

|   相手の気持ちに寄りそえる自分に

家に帰った私は、Yさんの幸せを願ってお経をあげました。そして、「明日、1時間だけ時間をちょうだい」と言って彼女にもう一度会いに行ったんです。

「仕事で大変なことも聞いて、ずっと心配だったんや」、「私はこの教えで少しずつ変われたから、一緒にやろう」。そう伝えました。青木さんも一緒に来てくれ、いろんな話をしてくれました。Yさんは興味をもってくれ、その場で入会しました。

その後、彼女は「できることから頑張るね」と、少しずつですが、お経をあげています。職場のこともまだまだこれからですが、少しでも彼女の人生が良くなるように、2人で修行していきます。

今、周りの人に声をかける中で私が大切にしていることは、相手の話をよく聞くことです。昔の私のように、顔では笑っていても、口では楽しいと言っていても、本音は違うかもしれない。相手の気持ちに寄りそえる自分になれるように、1人でも多くの人の力になれるように、Yさんから教えてもらった人を思う気持ちを絶対に忘れず、これからも頑張っていきます。