今月の
特集

2024.11.1

弥勒山にTAS(タス)+
令和6年各支部「弥勒山大祭」から

実りと気づきを、チカラに変えて―

「とにかく(T)新しい人を(A)誘う(S)―TAS+」を合言葉に、それぞれの地元でまわりの人と関わっている霊友会青年部。今月は、その実感を持ち寄って、9月から開催されている各支部「弥勒山大祭」に参加した青年たちの姿と、エピソードを紹介しよう。

  1. 体験談―S.Aさんは、昨年、母親に誘われて初めて参加した「青年の弥勒山セミナー」をきっかけに、人生が大きく変わったという。続きを読む
  2. MESSAGE―青年部創立70年・弥勒山建立60年の今年、青年部みんなで、「とにかく(T)新しい人を(A)誘う(S)―TAS+」の行いからスタートしよう!続きを読む


発表したい! 心が体を突き動かす


海外から参加した会員と交流


聞きたいことがいっぱい!

体験談


群馬県 S.Aさん 23

|   一緒に食事をしながら、和やかに会話できた。本当にすごい!

S.Aさんは、昨年、母親に誘われて初めて参加した「青年の弥勒山セミナー」をきっかけに、人生が大きく変わったという。先日開催された「第十二支部弥勒山大祭」(10月5~6日)には、母親と一緒に、弥勒山初参加の父親を連れて参加する姿があった。これまで、どんなことがあったのか。今回の弥勒山で何を感じ、下山後、どんな変化が起きているのか。Sさんに話を聞いた。

「私は一人っ子で、幼い頃から両親と3人で暮らしていました。ですが、父の浪費症が原因で、両親はいつもケンカばかり。毎日、家にいるのが苦痛で仕方なかった。家族での食事も、一緒にどこかに出かけることも、私にとっては苦い記憶でしかありませんでした。

近くに住んでいる母方の祖父母には、毎週のように会い、可愛がってもらっていました。すると、あるとき、従兄弟たちから、『お前だけひいきされている』と文句を言われたんです。それから何となく、祖父母とも自分から距離をとるようになってしまいました。

学校の友達と話をしていると、みんな、家族と仲が良さそう。そっか、私の家は普通じゃないんだな。そう思い、家に友達を呼ぶことも、友達に自分の家族の話をすることもなくなっていきました。なんで私はこんなに不幸なんだろうと、よく1人で泣いていた時期も……。1日も早く自立して、家を出たいと思っていました」。

高校卒業後、建設会社の技術職に就いたSさん。コツコツお金を貯め、一昨年の8月から念願の一人暮らしを始めた。

「穏やかで自由な生活をようやく手に入れ、開放感でいっぱい。母からは、一人暮らしを心配してよく連絡がきていましたが、うっとうしいと感じて、適当に返事をしていました。そうしていくうち、どんどん、家族から心が離れていきました」。

|   いろんな葛藤を抱えながら、苦労して生きてきた

そんなSさんの転機となったのは、昨年6月のこと。母親に誘われて初めて参加した、「青年の弥勒山セミナー」だった。

「霊友会の教えは昔から祖母が一生懸命やっていて、母もやっていました。私は、祖母から勧められて入会はしていたんですが、実家にいたときはお経をあげようとすら思わないほど心の余裕がなくて、弥勒山にも参加したことはありませんでした。でも、母に誘われたとき、そのときは何故か分からないけど、行ってみようかなと思ったんです。

初めての弥勒山は、緊張と不安でいっぱいでした。でも、その気持ちはすぐになくなったんです。同じ支部の人たちや、運営者の人たちが明るく声をかけてくれて、弥勒山の過ごし方についても優しく教えてくれました。子どもの頃につどいで会ったことがある支部の先輩が私のことを覚えていてくれて、『久しぶりだね』と話しかけてくれたのもすごくうれしかった。あったかいなと思いました。

弥勒山で出会う人たちはみんな、どんな境遇でも前向きに生きていて、家族や友達、まわりの人との関係を自分から良くしていこうと行動していました。私はこれまで、家族との関わりを避けるようにしてきたけど、弥勒山で出会った人たちのように、家族と向き合ってみようかな。そう思い、地元に帰ってからは、母や祖母と、会話をする時間を増やしていきました。

また、支部のつどいにも積極的に参加するように。家族で仲良く、お互いに支え合っている先輩たちの姿にふれて、私も変わりたいという思いがさらに強くなりました。先輩たちのようになりたいと、以前よりもお経をあげるようになりました」。

初めての弥勒山から1年ほど。お経をあげ、つどいや弥勒山に参加する中で、多くの人とふれ合い、Sさん自身、少しずつ前向きな考え方になっていったという。そして、今年の6月に参加した、第十二支部の「身延・七面山恩師御宝塔参拝登山修行」が、さらなる転機となった。

「母と一緒に参加した七面山修行。山頂でのつどいで、母と、家族のことについて初めてじっくり話しました。母が泣きながら、『家の中の空気を悪くしてしまってごめんね。Aに対して、良くないことをしたよね』と言ったんです。そのとき初めて、ハッとしました。母は母で、いろんな葛藤を抱えながら、苦労して生きてきたんじゃないかな。私は、両親のケンカを、ただ見ているだけだった。両親の間に入って、何かできることがあったんじゃないかな、と。いろんな思いがあふれてきて、母と2人でボロボロ泣きました。

その後、祖母から、父の話を聞きました。結婚を機に北海道から群馬に出てきて、仕事で苦労して職を転々としたこと。父は父なりに、家族に言えなかったこともあったのかもしれない。少しずつでも、両親に歩み寄っていける自分になろう。そう思う大きなきっかけになりました。

ですが、父と会う機会はなかなかなく、今回の弥勒山の直前まで、話すことはありませんでした。母から、弥勒山に父を誘おうと思っている、ということは聞いていましたが、私は、どうせ来ないだろう思っていて、自分が誘おうとはまるで思っていなかったんです」。

|   あのとき誘えば良かったなんて後悔したくない

「9月の中頃、母が父を弥勒山に誘ったところ、何かと理由をつけて行かない空気をかもし出しているとのことでした。それを知った支部の先輩から連絡がきて、『Aちゃんからも誘ってみなよ』と言われたんです。

正直、私が話しても無駄じゃないかと、ためらう気持ちが大きかったです。でも、逆にこのタイミングしか父を誘うきっかけはないだろうな、とも思いました。アクションを起こすなら今しかない。声をかけるなら今しかない。後になって、あのとき誘えば良かったなんて後悔したくない。そう思いました。

実家に帰り、シンプルな言葉で父に伝えました。『弥勒山行かない?』と。父は、渋々といった表情でしたが、久しぶりに話した娘の誘いを断りにくかったのか、一緒に参加してくれることになりました。

そうして迎えた、父にとって初めての弥勒山。私にとって、誰かを誘って参加する初めての弥勒山でした。父は、『グループミーティングで自分の意見を求められるとちょっと緊張する』とか、『ご飯が美味しいね』とか、そのくらいしか感想を言いませんでしたが、私にとっては、ものすごく大きなことでした。

道中、ケンカをせず、家族3人で一緒に弥勒山に来られたこと。一緒に食事をしながら、和やかに会話できたこと。昔の私たちからは到底考えられません。本当にすごい!父を弥勒山に誘って良かったと思いました」。

今回の弥勒山で、霊友会の教えに取り組む中で感じたことを発表したSさん。その中で、彼女は今後の目標をこう語った。「人前で自信をもって発言できるようになることと、家族3人笑顔で食事をとること。今までは苦痛でしかなかった家族との食事の時間を、普通の家族のように、当たり前につくっていきたい」と―。

「下山してしばらくたった頃、母と『3人で参加できて本当に良かったね』と話している中で、びっくりすることを聞きました。普段、父は帰りが遅くて、夕食を別々にしていた両親なんですが、最近、母が父の帰りを待って、一緒に食べるようにしているらしくて……。私の発表を聞いて、母は早速、一歩踏み出したんだな。すごいなと、本当にうれしく思いました。


一緒に参加したご両親と

これから、両親と一緒に食事をしたり、話す時間をたくさんつくっていきます。そして、すぐ行動を起こした母に負けないように、私も頑張ろうと思いました。まずは、従兄弟たちをつどいや弥勒山に誘うこと。そして、友達にも、自分の実感を伝えて、声をかけていきたいと思います」。

MESSAGE


青年部部長 前田康喜

|   導きに取り組む中で、気づいたことを行いに変える

青年部創立70年・弥勒山建立60年の今年、青年部みんなで、「とにかく(T)新しい人を(A)誘う(S)―TAS+」の行いからスタートしよう!と頑張ってきました。「つどいに初めて友達が来てくれた」「勇気を出して、初めて人を誘った」という声をたくさん聞きました。そして、「それをきっかけに導いて、それが自信になってまた新しい人を導いた」という青年も出てきて、少しずつ仲間の輪が広がってきています。

来年、霊友会青年部が目指すのはまさにそこ。TAS+の行いから、もう一歩チャレンジして、みんなで導きに取り組んでいきたいと思います。導きをしていく中で、相手が良くなっていくだけでなく、自分自身も変わっていく。人生を切り拓いていくきっかけをたくさんもらえる。私もそうでした。

職場でチームリーダーを任され、言うことを聞かない年上の部下たちに腹を立てていたとき。その頃導いた10歳近く年下の後輩から、「前田さんて偉そうッスよね」と言われました。私は正直、いつも生意気な言葉遣いの彼の方が、よっぽど偉そうやないか!と思いました(笑)。でも、家に帰ってお経をあげていると、彼の姿は、普段、年上の部下たちに取っていた自分の態度そのものだったんや、ほんまに申し訳なかったと気づいたんです。

次の日、朝礼で、「今まで偉そうにして、すみません。みなさんの力を貸してください。力を合わせて、毎日みんなが笑って働けるチームにしていきましょう」と伝えました。すると、みなさんが快く力を貸してくれるようになり、素晴らしいチームへと変わっていったんです。

昔からヤンチャばかりして、支部の先輩たちから、「あんた、短気直しや」といつも言われていた私。そのとき、言葉では「分かりました」と言っても、心の中では、「俺は短気とちゃう。俺を怒らせるヤツが悪いんや」と思っていました。それが自分の心得違いだと気づかせてくれたのは、導いた会員の姿だったんです。

誰だって、他人(ひと)から「変わりなさい」と言われても、なかなか変われません。人が変わるきっかけは、やっぱり、自分が変わりたいと思えることがスタートだと思うんです。新しい人をつどいに誘ってみる。そこから始めて、導きに取り組む中で、気づいたことを行いに変える。その積み重ねがより良い自分をつくり、その輪を広げていくことで、誰もが心から幸せだと言える世の中をつくっていけると信じています。

11月の「青年部弥勒山大祭」は、来年の青年部活動のスタートでもあります。TAS+の行いから導きに取り組む一歩を、みんなで踏み出しましょう。

*令和6年各支部「弥勒山大祭」から