今月の
特集

2021.11.30

【CLOSE UP 令和 3 年青年部弥勒山大祭】声をかけよう!

    1. ■Episode1①—まさか自分が…支部長のひと言がぼくを変えた【22歳・阪口 凌さん】
      今年の6月、会員さんと一緒に参加した支部のつどいで、支部長にこう言われました。…続きを読む
    2. ■Episode1②—ひとりで悩んでいる人がいる。だから、声をかけたい【33歳・柴田武史さん/30歳・彩華さん
      10年前、妻に勧められて、結婚を機に霊友会に入会しました。…続きを読む

まさか自分が…支部長のひと言がぼくを変えた

今年の6月、会員さんと一緒に参加した支部のつどいで、支部長にこう言われました。「会員さんたちと比べたら、凌くんは空気を読めないところがあるで」。ぼく? どこが?と、支部長の言葉はとても納得できるものではありませんでした。


※阪口 凌さん(22歳)

ぼくは今まで、人のために役立とうと生きてきたつもりでした。高校2年のときに母が病気で倒れ、母の世話や家事に追われて受験勉強どころではなくなったぼくを支部長や支部の先輩・仲間はいつも気にかけてくれました。つらい時期を乗り越え、前向きになれたのはその支えがあったから。そして、みんなのように困っていたり、悩んでいる人の力になりたいと、友達に霊友会の教えを伝えるようになったんです。

ぼくは一生懸命、友達のために頑張っている。それなのに、「空気が読めない」と言われて、本当にショックだったんです。

「声かけ」の大切さを感じた1年だった

支部長の言葉はその後もずっと頭から離れず、気になって仕方がありません。自分の何があかんのやろう?と、お経をあげる日々が続きました。そうする中で、ふと、日々の自分の言動や態度が思い浮かんできたんです。

学校の友達はいつも、ぼくの好きな音楽や趣味について興味深く聞いてくれます。ぼくも嬉しくなっていっぱい話をするけど、逆に友達のことを知ろうとしていたかと聞かれたら……。お世話になっているアルバイト先の先輩に対して、周りのノリに流されて、失礼な態度をとっていたこと。会員さんが「阪口を信じて行ってみる」と知らない人だらけのつどいに来てくれたのに、「ありがとう」のひと言も言えなかったこと。まわりへの気遣いができない、「空気の読めない」自分だったと、初めて感じたんです。

人の気持ちを汲み取れる器の大きな人間になりたい―。そんな思いをもって、支部の仲間と「青年部弥勒山大祭」に参加。分科会では、今年1年の自分はどうだったのか、振り返りながら話をしました。昔のぼくなら、「自分が他人のためにしたこと」ばかり口に出していたと思います。

でも、今回の弥勒山では違いました。いつも寄り添って支えてくれるだけでなく、間違っていたら注意までしてくれる支部の先輩や仲間。ぼくの気づかない会員さんたちの良いところを探してほめてくれる支部長。みんなのおかげで今のぼくがいるんだと、あらためて感謝の気持ちでいっぱいになったんです。

周りの人からもらった恩を、今度は他の誰かに返していこう。そう心に決め、下山後、さっそく地元でつどいを開きました。これまで以上に友達とも連絡を取り、近況を伝え合うようにしています。

会員さんたちに声をかけてつどいに誘っていなかったら、「空気の読めない」自分に気づくことはできなかったと思います。人と関わるから成長できるし、そのためにも「声かけ」は必要なんだなって感じています。これからも周りの仲間と一緒に成長していけるように頑張ります。

ひとりで悩んでいる人がいる。だから、声をかけたい

※柴田武史 さん 36 歳 (写真右)/ 彩華 さん 30 歳(写真左)

武史 10年前、妻に勧められて、結婚を機に霊友会に入会しました。親・先祖の供養ができるし、弥勒山では普段出会わないような人と話せて、視野が広がる。多くの人に霊友会を知ってほしくて、職場の同僚や友達、いろんな人に霊友会の話をしています。
 今年の1月、家族でたまたま入った中華料理店で、店長のAさんと、一緒にお店を経営しているお母さんと出会いました。何気ない会話をする中で、Aさんの妹さんが数年前に病気で亡くなっていると聞いたんです。一緒に妹さんの供養をしたいと思って、後日、夫婦でお店を訪ねました。

彩華 そのとき、Aさんのお母さんから、Aさんが精神障がいを抱えていることを聞きました。笑顔で接客してくれたAさんに、まさかそんな事情があったなんて……。実は、息子も同じ障がいを抱えているので、Aさんのことが他人事(ひとごと)に思えませんでした。一緒に幸せになりたくて夫婦で霊友会の教えを伝えると、Aさんとお母さんは入会しました。

武史 夫婦でAさんのお宅に通っていたある日のことです。4人で話をしていると、Aさんが突然、お母さんに怒鳴ったんです。それまで普通に会話していたから、何が気に障ったのかが全く分かりませんでした。

彩華 落ち着いてから話を聞くと、Aさんは「申し訳なかった」と。「いつも、理由もなくカッとなってしまう。そんな自分がイヤなんだ」と本当につらそうでした。
 苦しんでいるAさんに寄り添っていきたい。でも、その一方で、急にキレられたら怖いと、どこかAさんを避けてしまう自分がいました。気づけば、会いに行く頻度が少しずつ減っていったんです。

今度は私が力になる!

彩華 その頃、「Myおせっかい」岐阜県推進委員長を務めることになりました。社会のために何ができるか、仲間と話し合う中で、「子育てで悩むお母さんが多いよね」という話題になったんです。私もそうだったなと、4年前を思い出しました。
 息子は小さい頃から感情のコントロールが苦手で、癇癪(かんしゃく)を起こし暴れまわる日々でした。近所の人には、母親の愛情不足が原因だと言われ続けて、精神的にかなり落ち込んでいたんです。そんな私のために、母や支部長がいつも話を聞いてくれて、私の手が空くように子育てのサポートもしてくれました。霊友会の教えと、周りの人の支えがあって少しずつ息子も落ち着き、今、私は前向きに子育てができているんです。今度は私が悩んでいるお母さんたちの力になりたい。そんな気持ちが湧いてきました。
 世の中のお母さんたちに心が向いたからでしょうか。Aさんのことを思い出したんです。「目の前に薬があっても、飲む気力がないつらさが分かりますか」。そう言っていたAさん。彼のつらい気持ちに寄り添えず、申し訳なかった。母、支部長が私にしてくれたように、心からAさんを思い、行動しようと心に決めました。

武史 妻から話を聞いて、ぼくも自分の態度を改めなければ…と反省しました。Aさんに限らず、会員のお世話を妻に任せきりだったんですよね。今、Aさんは入院して会えない状態が続いていますが、早く退院できるように夫婦でお経をあげて念願しています。

関わり続けたからこそ、感じた喜び

彩華 Aさんのためにも、他の会員のためにも、心から人を思える自分たちになっていこうと、いろんな人と関わってきました。3年前に入会した、シングルマザーの会員もその一人。「家庭のあたたかさを知らずに育ったから、子どもにどう接していいか分からない」という彼女。入会時から家に招いて食卓を囲んだり、お子さんの面倒を見たり、彼女の仕事の悩みを聞いたり、家族のように接してきました。
 その中で、乱暴な振る舞いが目立っていた彼女の息子さんが、徐々に落ち着いてきたんです。会員と関わってきて本当に良かったと思いました。

武史 そんな喜びをもって「青年部弥勒山大祭」に家族そろって参加できて、胸がいっぱいになりました。出会う人みんなが、人や社会のために行動したいと言っていて、身が引き締まる思いがしました。いろんな人の話が聞けて、たくさんのことを得られるから、周りの人にも弥勒山に来てほしい。そうあらためて感じて、地元に帰ってすぐ、以前から声をかけている友達に連絡しました。いい返事はもらえなかったのですが、あきらめずに声をかけ続けます。

彩華 そんな主人の姿を見て、人のためにすぐ行動できるってすごいなって感じました。私も見習わなきゃって思います。
 Aさんのように、一見、何の問題もなさそうでも、実はつらい思いを抱えている人がたくさんいると思うんです。これからも2人で、周りの人に声をかけていきます。

※活動のヒントを得るため、真剣に話を聞く柴田さん夫妻