今月の
特集
2023.7.1
元気になる。発見がある。
弥勒山へ行こう!
地域や年代、立場や環境も異なる、いろんな個性をもった人が集まる弥勒山。さまざまな人の思い、生き方にふれて、心が動く。ここから、新しい自分が動き出す。「青年の弥勒山セミナー(社会人班)」と、弥勒山「三者のつどい(春班)」に参加した青年たちを追った。
01変わるチャンスがここにある
「青年の弥勒山セミナー(社会人班)」
(5月13 日~14 日 第二十一支部、5月27 日~ 28 日 各支部合同)から
今、「青年の弥勒山セミナー(社会人班)」がアツい。新型コロナウイルス感染症の「5類感染症」移行後、初めての開催となった第二十一支部単独班には、全国から900 人以上が参加。霊友会の教えを生かして人生を切り拓いた体験や、それぞれの実感を語り合い、青年たちは新たな決意を胸にした。
5月27日~28日は、今年初めての各支部合同班が開催。フィリピンからも青年たちが参加した。日常生活に生かせるヒントが満載だった「分科会」から、「モヤモヤを吐き出してポジティブになろう」の一部をお届け。さらに、今班に参加した青年たちがいろんな人とのふれ合いの中で感じたこと、初めて弥勒山に参加した人と誘った人の実感、下山後の様子を紹介する。
拝殿へ向かうフィリピンの青年たち(各支部合同)
| 自分の短所に気づかせてくれるのは…
日常生活に生かせる。 ヒント満載、分科会
「モヤモヤを吐き出してポジティブになろう」から
福祉について学ぶ分科会も(各支部合同)
Aさん(20代・男性) 職場の先輩から、「お前はいつもひと言余計。このままだと人が離れていくぞ」と言われます。ぼくは毎日、みんなが気持ち良く仕事できるようにと、良かれと思って声をかけているのに、どうしたらいいのかなって……。
前田康喜青年部部長 どこかモヤモヤしているということは、先輩の言葉を素直に受けとめられていないのではないでしょうか。
私が10代の頃、ある弥勒山行事に向かうバス内でこんなことがありました。そのバスの責任者をしていた兄が行程を説明していると、私の近くにいた男性が、「声が聞こえへん」と言ったんです。今思えば、「兄の声が小さくてすみません」と謝るべきところですが、当時はそれができなかった。せっかく兄が頑張っているのになんやと腹が立ち、その男性に暴言を吐いてしまったんです。
すると、サービスエリアに着いた途端、同じバスに乗っていた人たちが口々に、「短気、直しや」と私に言うんです。でも、キレる原因をつくったのは相手やろ。俺は別に短気じゃないと、当時は本気で思っていました。今振り返ると、どう考えても短気ですよね(笑)。
人は、自分の短所にはなかなか気づけないもの。だから、相手から言われたことを素直に受けとめる努力が大切です。そして、自分を変えていくためには、毎日お経をあげて自分を見つめ直すのはもちろん、つどいに参加していろんな人と関わること。何より、霊友会の教えを伝え、導いた会員と関わるのが一番です。私も、コイツなんでこんなに短気やねんと、会員の姿を見たとき初めて、自分もそうだったんやと気づかされたんです。
Aさん 声かけはしているんですが、話を聞いて、もっと頑張ろうと思いました。
前田部長 変われるチャンスをいっぱいもらえるのが声かけ、導き。ぜひ、一緒に頑張りましょう!
| 初めて誘った! 初めて来た!
ペアインタビュー
島貫陽加さん 27歳 茨城県 徳原佑耶さん 28歳 栃木県
思いは、つながっていく
島貫 高校の先輩である徳原さんを導いたのは5年ほど前。コロナ禍も落ち着き始めた昨年の11月から、支部の青年部のつどいに毎月2人で参加するようになりました。彼は転職を考えていて、いろんな人の話を聞けば何かプラスになると思い、弥勒山にも誘いました。そんな彼が、弥勒山の2週間前にあったつどいで、「最近元気がない高校の後輩を霊友会に誘いたい」と発表したんです。びっくりしました。
徳原 その後輩は、昨年父親を亡くしてからずっと落ち込んでいたんです。ぼく自身、転職してうまくいくかどうかで悩んでいたんですけど、最近、自分のことより彼のことが心配になっていて……。何かヒントが見つかればいいなと思って弥勒山に来ました。
初めての弥勒山は初対面の人ばかりで緊張したけど、みんな明るく、面白くて、すごく楽しかった。分科会では、同じグループになった人に後輩の話をしました。すると、「まずはその子が気軽に参加できるつどいを支部の仲間と一緒に開いてみたら?」とアイデアをもらい、やってみよう!と前向きな気持ちになりました。
また、2日目の式典の最中に、何故だかふと、今は亡き祖母の顔が浮かんできたんです。ぼくが仕事で帰りが遅くなるだけで、心配して声をかけてくれた祖母。当時はうっとうしいとさえ思っていたけど、もっと優しくすれば良かったなって……。
後悔しないように、今、自分にできることをやろう。後輩の力になって、仕事も頑張り、いい人生を歩んでいくことが、祖母がかけてくれた思いに応えることにもなるかなと思いました。
弥勒山で感じたことを発表する島貫さん
島貫 私にとっては、初めて会員と一緒に参加した弥勒山でした。こんなに誰かのことを考えたのは初めてで、ちょっと自分が成長できた気がしました。
彼の話を聞いて、私も亡くなった祖母のことを思い出しました。おばあちゃん子だった私にとって、青年部時代から霊友会の教えを一生懸命やっていた祖母は、人を思う真心を教えてくれた大切な存在です。徳原さんが後輩を思い、動き始めたことで、1つ大きな恩返しができたのかなと思いました。
徳原 弥勒山の数日後、後輩に会いに行ってきたんです。あまり話す時間がなかったけど、少し元気を取り戻しつつあるようで安心しました。これからも、まめに声をかけていきます。そして、彼が参加しやすいつどいをつくっていきたい。
ぼく自身も、6月の下旬から職場が変わるので、新しい環境で頑張っていこうと思います。
島貫 私は職場の人にもっと自分から声をかけて関わって、職場でも、支え合える仲間の輪を広げていきたいと思いました。そして、徳原さんの後輩が楽しいと思えるつどいを一緒につくり、いつかみんなで弥勒山へ行きたいです。
徳原さんも、大勢の前で堂々と自分の思いを語った
| 出会って、ふれ合って―
参加者の声
今お付き合いしている彼女と今年中に結婚する予定です。これまで「いっしょに霊友会をやろう」と伝えたことがなくて、正直、どうやって切り出せばいいのか分かりません。いろんな人の経験談やアドバイスを聞きたくて、分科会では「パパ、ママ、既婚者あつまれ!」のコーナーに参加しました。
グループミーティングで、同じグループになった人たちから、「彼女が分かってくれるかどうかは普段の自分の姿次第じゃないかな」と言われました。帰ったらまずは彼女に「霊友会をやろう」と伝え、自分の日々の行いで教えの良さを感じてもらえるように努力していきます。(20 代 男性)
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最近、仕事がとてつもなく忙しくて、心も体もボロボロ。どうすればこの状況が変わるのかも分からず、しんどい気持ちを抱えたまま弥勒山に参加しました。
でもここで、久しぶりに会えた仲間や、初めて会う人といろんな話をしていると、自然と元気になってきました。誰かと、他愛もない話をしているだけでも、こんなに楽しいんだなって。やっぱり、弥勒山は元気になれる。
1人で抱え込まずに、職場の人ともコミュニケーションを取りながら頑張っていきたいです。(30 代 男性)
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私は自分に自信がありません。つどいや弥勒山に行くと、「まわりの人を元気にしよう」とよく言われるんですが、自分には縁遠いことだと思っていました。
今回、2歳の息子と一緒に、7年ぶりに参加したんですけど、同じ2歳の子をもつ方と話す機会がありました。子育てのあるあるトークなどですごく盛り上がって、私も自然体で話すことができました。相手の方もすごく楽しかったみたいで、その姿を見たとき、そうか、こうやって自分の話をして、お互いに元気になればいいんだって思ったんです。
これからはもっと、自分から積極的に人と関わっていこうと思います。(30 代 女性)
02笑顔と気づきがあふれる場所
第44 回弥勒山「三者のつどい(春班)」
(5月19 日~ 21日)から
「三者」それぞれの笑顔がはじけた
障がいのある人、その家族・介護者・介助者、ボランティアの「三者」がそれぞれの立場を尊重し、支え合いながら、すべての人が生まれてきて良かったと思える地域社会をつくろうと、昭和52 年(1977)に「三者の会」が発足。その活動の一環として昭和55年(1980)、弥勒山「三者のつどい」は始まった。
第44回となる今回は、参加者が自身の状態や興味に合わせて参加できるよう、「ミニ運動会」や「障がい児者と家族のつどい」など、バリエーションに富んだ内容で行われた。中でも盛り上がりを見せたのが、2日目に小谷ホールで行われた「お祭り広場」だ。「三者」が入り混じって歌い踊る。その一体感たるや、障がいがあってもなくても、一人ひとりが主役になれる場だということを強く実感させるものだった。
今班では、司会やボランティアを中心に随所で青年が活躍。2泊3日のふれ合いの中で、それぞれに発見したことや感じたこと、そんなリアルな声をお届けする。
1人ひとりが主役
配膳もみんなで力を合わせて
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〜参加者インタビュー〜
| 障がいに関係なく、寄り添えば通じ合える
伊藤雄亮さん 34歳 東京都 ボランティア
私は、映像制作の仕事を通して自閉症(※1)の子どもたちとふれ合ったことがきっかけで障がい者福祉に興味をもつようになりました。どの子も個性豊かで、人と話をすることが大好き。中には、芸術的センスに優れた子も……。いつしか、彼・彼女たちと接することを楽しんでいる自分がいました。
そんな中、支部のつどいで弥勒山「三者のつどい」の存在を知って、私自身も日常生活に支障はないものの「心室中隔欠損(※2)」という内部障がいを抱えていることもあり、参加してみたいと思ったんです。
弥勒山に着くと、はじめにボランティア向けの研修がありました。そこでは、車いすの人を介助する際の基本的な動きから、手がふれる車輪などをアルコール消毒すると喜んでもらえるなど、細部にわたってレクチャーを受けました。また、先輩ボランティアの方からは、「介助するときに『よいしょ』って言ってはいけないよ」と聞き、自分が思っていたよりもずっといろんなことに配慮しているんだと驚きました。
弥勒堂参拝で車いすの方を介助したとき、乗っている方が寒くないか、坂道が怖くないかなど、表情を見ながら自分なりに気を配ったら、「ありがとう」って笑顔で言ってもらえたんです。そのにこやかな表情に、私も自然と顔がほころびました。相手の立場で物事を考えて行動すれば、気持ちが通じ合えるんだと思いました。
弥勒堂参拝で車いすの方を介助する伊藤さん
今回、障がい者支援を通して、人に寄り添うことの大切さを実感しました。日頃、障がいのある方とふれ合うときの声のかけ方や介助の仕方など、一つ一つを意識して変えていきたいです。
※1…先天的な発達障がいの1つで、対人関係が苦手・強いこだわりといった特徴をもつ
※2…心臓の4つの部屋のうち、右心室と左心室を隔てる壁に穴が開いている状態
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〜参加者インタビュー〜
| 人の役に立つことを、より実感できる弥勒山
河合まどかさん 36歳 愛知県 ボランティア
先日、支部の決起大会に参加したとき、要約筆記をされている人がいました。タイピングが得意なことを話すと、「三者のつどいで要約筆記をやってみませんか」と誘われたんです。家族や友人など、まわりに障がいのある人がいない私は、これまで「三者のつどい」は自分には関係ないものだと思っていました。ですが、「私のスキルが少しでも生かせるのなら……」と思い、初めて参加したんです。
今回、実際に要約筆記をする中で印象的だったのは、ご高齢の方から「とても助かっています」と声をかけられたことです。耳が遠くなると発表する人の声が聞き取りづらくなるそうで、文字で見ることでよく理解できると嬉しそうに言っていました。「自分の得意なことで人の役に立てたんだ」という充実感でいっぱいになりました。
式典で要約筆記を行う河合さん
私もそうですが、ふだん障がいのある人と接する機会がない青年はたくさんいると思います。例えば自分のおじいちゃんやおばあちゃんのことを考えると、決して他人(ひと)事ごとじゃないんだなと、今回の弥勒山で感じました。この実感をまわりの友達に伝えて、1人でも多くの人に福祉に興味をもってもらいたいと思います。
【要約筆記とは】
発言者の話(音声情報)を文字情報に変換し、聴覚障がい者に話の内容を要約して伝える通訳のこと。「手書き要約筆記」と「パソコン要約筆記」があり、霊友会福祉センターでは後者を採用している。複数のノートパソコンをネットワークでつなぎ、キーボードで入力した文字を表示する。多人数に対する時は、プロジェクターでスクリーンに投影し、少人数の時はパソコンなどの表示画面を見てもらうことで情報を伝達する。
拝殿では前方左のモニターに表示している
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〜「三者のつどい(春班)」副実行委員長インタビュー〜
| ここでしか得られない気づきや感動を!
青年部執行部 坂尾北斗 33歳 千葉県
私には11歳年下の弟がいます。自閉症で、てんかん(※)もあります。今回、そんな弟と母と一緒に「三者のつどい」に参加しました。
実は弥勒山に来るまで、弟の行動はある程度制限したほうがいいと思っていたんです。というのも、今から10年くらい前、一緒に遊んでいた弟が、私の目の前でてんかんの発作を起こしたことがありました。私はどうしていいのか分からず、パニックになってしまいました。弟は、それ以降も何度か発作を起こしています。いつ発作を起こすか分からないし、外で騒いで人に迷惑をかけるかもしれない。そう思い、いつしか自由に行動させないほうがいいんじゃないかと考えるようになっていったんです。
ですが、弥勒山で見た弟の姿は、私の心配を吹き飛ばしてくれました。他の参加者と積極的にふれ合ったり、「ミニ運動会」や「お祭り広場」を元気いっぱいに楽しんだり……。その様子を見た同じ自閉症の青年が「彼のようになりたい」と話していたことを後から聞いたときは、自分の考えが間違っていたとつくづく思わされました。弟だって自分らしく伸び伸びと生きたいはず。それなのに自分は人目を気にして、弟の個性や可能性を伸ばすきっかけを邪魔していた―。そんな自分を改めて、どこまでも寄り添える兄になると決意しました。
弟の晃生さんと母のみどりさん
「障がい児者と家族のつどい」で弟のことを話す
「障がいのあるなしに関わらず、誰もがまわりの人の役に立つことができる。どんな人にも生まれてきた使命・役割がある」。これが「三者の会」の理念です。8月に行われる夏班には、1人でも多くの青年と共に参加し、ここでしか得られない気づきや感動を共有したいと思います。ぜひまわりの人に声をかけて、仲間と一緒に参加しましょう!
※「てんかん発作」を繰り返し起こす状態。発作が起きると、体の一部が固くなる、手足がしびれたり耳鳴りがしたりする、動悸や吐き気を生じる、意識を失う、言葉が出にくくなるなどのさまざまな症状が出る
新しい仲間と、つどいから弥勒山へ!
青年部部長 前田康喜
家族や友達、職場の仲間、ご近所さん……気になる〝あの人〟を誘って弥勒山へ行こう!と、今、声をかけている人も多いのではないでしょうか。
私の会員に、先日、生まれて初めて導きをした青年がいます。まだお互いが20歳前後の頃、病気の後遺症で左半身が不自由になってしまった彼。少しでも元気になってほしくて、私が彼にしたことは、一緒につどいをすることでした。少しずつ元気になっていく彼の姿を見て、人に喜んでもらえるってこんなにうれしいんやと、大切なことを教えてもらった会員です。
そんな彼が、仕事で辛いときも、毎月つどいに来て、いろんな人と関わる中で、「ぼくも、もっと人の役に立ちたい」と、友達に声をかけるようになったんです。
そして先日、我が家に友達2人を連れてきて、自分の言葉で、一生懸命霊友会の良さを伝えていました。彼の思いが伝わり、その友達2人は入会。今年の弥勒山にみんなで行こう!と、今、彼と毎日のように連絡を取り合っています。
自分からまわりの人と積極的に関わり、つどいに誘う。つどいで多くの人とふれ合い、つながった仲間たちと、一緒に弥勒山へ行きましょう。お互いに支え合い、まわりの人を元気にしていける仲間の輪を広げていく。それが、世の中を変えていく力になると信じています。
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