今月の
特集

2021.4.30

どんなときも歩みを止めず、
人と関わっていこう【体験談】

コロナ禍を言い訳にして立ち止まってはいられない。前を向いて、積極的に人と関わろう。そんな熱い思いで行動している香川裕美(38歳)さん。彼女の原点と、この1年の取り組みを聞いた。

    1. ■①— 人や社会の役に立ちたい!弥勒山での感動がその原点
      私が霊友会に入会したのは高校1年生のときでした。同じ町内に住んでいた妹の同級生のご両親に、…続きを読む
    2. ■②— 私もくよくよしていられない
      そんな矢先のことでした。新型コロナウイルス感染症が全国に拡大し、大人数で集まるつどいや弥勒山行事など…続きを読む

人や社会の役に立ちたい!
弥勒山での感動がその原点

私が霊友会に入会したのは高校1年生のときでした。同じ町内に住んでいた妹の同級生のご両親に、勉強を教えてもらうなど日頃からとても良くしてもらっていて、ある日、「お経をあげてごらん」と勧められたのがきっかけでした。

お経をあげると、不思議と清々しい気持ちで1日を過ごすことができました。お経って楽しい。そう思って毎日あげるようになり、弥勒山にも行ってみたいと思ったんです。

初めて参加した弥勒山はとても刺激的でした。全国各地から同世代の中高生が集まり、友達がたくさんできる。文化祭のような催しをみんなで協力して作り上げていくのも楽しい。そして何より、周りの人を思って行動した実感を真剣に語る同世代の姿に、すごいな、私もこんな熱い人になりたいなと、心を揺さぶられました。

そんな弥勒山での感動が原点となり、その後、同じ地域の先輩や仲間に誘われて様々な活動に参加していく中で、私も少しずつ、人や社会の役に立ちたいという気持ちになっていきました。

その中で2つの転機がありました。1つは転職です。それまで介護士として働いていた私は、今から年前、父方の祖父が白血病で亡くなったことをきっかけに看護師になろうと決めました。命にかかわる現場で多くの人のために働きたいと強く感じ、4年間、一から勉強して転職しました。

もう1つは、4年前から、広島県内の青年部や地域の霊友会活動を引っ張るブロック長を務めるようになったことです。一緒に地域をより良くしていく仲間の輪をもっと広げたい。そう思い、職場でも、プライベートでも、それまで以上にいろんな人に霊友会の教えを伝えるようになったんです。

職場では、若い看護師たちとも仲良くなろうと、仕事上のことでも、雑談でも、自分から積極的に声をかけ、休みの日には家に呼んで一緒に食事をするようにしました。

その中の一人が、白石翼さん(25歳)です。昨年1月、気軽な気持ちで声をかけ、家に招いて食事をしました。そこで霊友会の話をしたときに、彼女から、若くして父親を亡くしていることを聞かされたんです。私は、「一緒にお父さんや、先祖の供養をしよう」と伝え、彼女はその日に入会しました。

それから一緒にお経をあげ、つどいに参加するなど、白石さんとさらに関わっていく中で、一人で暮らすお兄さんが仕事を辞めてしまい、彼女が母親やお兄さんの分まで働いていることを知りました。いつも明るくて笑顔の多い彼女に、そんな苦労があったなんて。まったく想像できなかったので、本当にびっくりしました。少しでも彼女の力になりたい。そうあらためて思いました。

※会員の白石さんと一緒に

私もくよくよしていられない

そんな矢先のことでした。新型コロナウイルス感染症が全国に拡大し、大人数で集まるつどいや弥勒山行事などが軒並み中止になりました。オンラインでのつどいも試みましたが、仲間の中には接続方法に苦手意識のある人が多く、活動として定着するには至りませんでした。

ここ数年、地域の青年部活動もより活発になって仲間の輪が広がってきていただけに、こんな形で足止めされてしまうことがとても歯がゆく、私はやるせない気持ちになりました。

一体、どうすればいいのか。悶々としていたとき、前に進むきっかけをくれたのが白石さんの姿でした。

彼女は純粋に家族のことを思って、決して弱音を吐かず、いつもポジティブに仕事を頑張っていました。また、実家に戻ってきたお兄さんに対して愚痴一つこぼさず、ちゃんとコミュニケーションを取って家族みんなで助け合おうと努力していました。

彼女がこんなに頑張っているんだから、私もくよくよしていられない。そう心を奮い立たせ、毎年続けてきたブロックの合宿のつどいに代わるイベントをやろうと決意しました。

もちろん、感染症対策を第一に考えました。そして、徹底的に対策をする中でも、参加者に喜んでもらえるものは何だろうと、企画を考え、準備をし、11月に、地元の山をみんなで登山することにしました。

※昨年 11 月、登山イベントに参加した仲間たち

ソーシャルディスタンスを取り、会話をするときはマスクを着用する。参加者に喜んでもらえるか、正直、不安でした。でも、みんなが口々に、「久しぶりに直接会えてうれしかった」「みんなと会えて、元気になった」と言ってくれました。その言葉を聞いて、本当にやって良かったなと思いました。一緒に参加した白石さんもすごく楽しかったようです。

コロナ禍の収束はまだまだ先になると思いますが、その分、私たち自身も、工夫しながら前に進み続けよう。どんなときも歩みを止めず、人と関わっていこう。今回のことを通して、そんなふうに思うようになりました。

白石さんとその家族をはじめ、会員やブロックの仲間たち、周りの人たちの幸せを願い、地域・社会に貢献する仲間の輪を広げていけるよう、これからも自分にできることを見つけて行動し続けます。