今月の
特集

2019.10.31

お節介って、ホントに要らない?

親切とお節介って紙一重ですよね。良かれと思ってしたことが相手を不快にさせたり、ときには傷つけてしまうこともある。だったら、最初から何もしない方がマシ。我関せず。いやいや、ちょっと待って。お節介って、ホントに要らないモノなの……? 今、霊友会青年部が始めた「My おせっかい」。おせっかいをしてみたら見えたこと、された側の気持ち、「My おせっかい」ってどういうこと? など、いろんなエピソードを集めました。

  1. ■Episode①―――声をかけて良かったんだ
    先日、電車に乗っているとき、白杖(視覚障がい者が歩行するときに使う白い杖)をついた方が同じ車両に乗ってきたんです。
    続きを読む
  2. ■Episode②―――そういうことって大切だよな
    私の家の向かいには、かなりご高齢の方が住んでいます。ある日、自宅の周りを掃除していると、ふと、お隣さんが
    続きを読む
  3. ■Episode③―――そっとしておいたほうがいい?
    最近、すごく落ち込むことがあった私。結構顔に出やすいタイプなので、
    続きを読む
  4. ■Episode④―――ぼくもそんな人になりたい
    ぼくにとっての「Myおせっかい」は、子どもの頃から事あるごとに気にかけてくれた支部長の存在です。
    続きを読む
  5. ■Episode⑤―――居ても立ってもいられなかった
    あるつどいでのことです。Aくんに誘われて来ていた10代のBくんが、自分の生い立ちや家族の状況を私に話してくれました。
    続きを読む

①声をかけて良かったんだ

先日、電車に乗っているとき、白杖(視覚障がい者が歩行するときに使う白い杖)をついた方が同じ車両に乗ってきたんです。あ、と気付いて席を立ち、「座りますか」と声をかけたんですが、「結構です」と断られ……。

あれ、余計なことしちゃったのかな、と後悔していました。すると、その方が下車するときに一言。「声をかけてもらって嬉しかったです」。ああ、声をかけて良かったんだとホッとしたと同時に、感謝の言葉をもらい温かい気持ちになりました。

 

②そういうことって大切だよな

私の家の向かいには、かなりご高齢の方が住んでいます。ある日、自宅の周りを掃除していると、ふと、お隣さんがそのご年配のお宅の周りを掃除していることに気が付いたんです。きっと、足腰が弱いその方を気遣ってのこと。そうか、そういうことって大切だよな……としみじみ。それから私も、気が付いたら掃除をするようになりました。

こういう「My おせっかい」が広がっていくと良いなって思います。

 

③そっとしておいたほうがいい?

最近、すごく落ち込むことがあった私。結構顔に出やすいタイプなので、私が何も言わなくても周りの人はみんなそれに気付いたみたい。親は何も言わず、「一緒に鎌倉に行こう」と誘ってくれ、友達は、「○○日空けといてね、予定入れたから」って、友達みんなで遊びに連れ出してくれました。

さらに、職場の上司は、頼んでもいないのに食事会を企画し、「今日は好きな物を、好きなだけ頼め」と言ってくれました。みんな強引だったけど、ちゃっかり元気になっちゃいました(笑)。

私が逆の立場だったら、そっとしておいたほうがいいのかな、考える時間も必要だよなって思っちゃうけど、こんなふうに自分のことを思ってくれる人がいっぱいいるって、ありがたいなって思いました。

④ぼくもそんな人になりたい

ぼくにとっての「Myおせっかい」は、子どもの頃から事あるごとに気にかけてくれた支部長の存在です。母親に用事があって電話が掛かってくるんですが、毎回電話を代わるように言われ、「元気にしてるか、学校楽しいか?」って。正直、ウザいなって感じたこともありました。

でも、就職活動で挫折したときもそう。いつも親身になって、どんな相談にも乗ってくれた。

そのおかげで今があります。ぼくもそんな人になりたいです。

⑤居ても立ってもいられなかった

あるつどいでのことです。Aくんに誘われて来ていた10代のBくんが、自分の生い立ちや家族の状況を私に話してくれました。父親の虐待が原因で両親が離婚したこと。母親にも見捨てられ、4人きょうだいで姉たちもまだ若く、生活が苦しいこと。そして、弟は学費が払えず退学になってしまったこと。いつもの私ならそこで、どこまで相手の事情に踏み込んでいいものかと躊躇(ちゅうちょ)したかもしれません。でも、二人とも弟のことが本当に心配で、何とか力になりたい。だけど何をすればいいのか分からない。そう悩む姿を見て、居ても立ってもいられなかった。

私はAくんに、すぐにBくんを導くよう話し、「何ができるか分からないけど、まずは一緒にお経をあげて自分たちの先祖を供養することから始めよう」と伝えました。すると二人とも、やっと弟のためにできることが見つかったと、すごくスッキリした表情で帰っていったんです。後日、Bくんが毎月、バイト代から自分と弟の会費を納め、お経をあげ、友達を誘ってつどいをしようと頑張っているという話を聞き、胸が熱くなりました。

私は子どもの頃から、親や周りの大人たちにこれでもかと反抗してきました。母親は何度、学校に頭を下げに行ったか分かりません。そんな自分を、親や霊友会の先輩たちは絶対に見捨てなかった。何度も声をかけてくれ、お節介をやいてくれたからこそ、私は最悪の道を選ぶことなく、今は本当に幸せな生活を送れています。だから、Bくんのように心から笑えない子どもたちがどれだけいるのかと思うと、胸が張りけそうになります。今の世の中、本当にこのままでいいのかなって。「Myおせっかい」を早く、広く伝えることで、助かる人がきっとたくさんいるはず……。

 

先日、職場の部下が足を怪我しました。通勤するにも不自由なんで、毎朝、車で彼を迎えに行って一緒に通勤しています。でも正直、彼は私の苦手なタイプ。何を話しても不愛想で、分かってますけど、って言い方をする。彼の方も余計なお世話だと思っているかもしれないけど、辞めません(笑)。私がこれまで周りの人にしてもらったように、彼の力になれるように全力でぶつかっていく。そんな「Myおせっかい」を続けていきます。

ある青年のつぶやき

人に頼ったり、人と深く関わるのが昔から苦手な自分にとって、お節介?と、最初は違和感しかなかった。

でも、「My おせっかい」を意識してから、通勤中に困っていそうな人を反射的に助けることができたり、あの友達元気かなと思 って連絡したり、今までより積極的に人と関わっている気がする。お節介が裏目に出ちゃうときもあるけど、行動しないと分からないこともある。

大きなことじゃなくていい、相手を思って一歩踏み出す勇気が「My おせっかい」だと思う。