今月の
特集
2023.11.1
つどい覗いてイイですか!?
第十支部山岡支部土田準支部の青年たちが、3年前から毎週、つどいを開いている―。そんな情報をキャッチした『明法』スタッフは、早速取材を申し込み、現地へと向かった。そこには、オンラインを合わせて十数人の青年たちの姿が……。どんなつどいなのか、何が魅力なのか。その謎に迫った。
01あったかい。話しやすい。そして、前に進める。
第十支部山岡支部土田準支部 青年のつどい
長野県 毎週水曜日19:30 〜 オンライン併用
9月27日、水曜日の午後7時。つどいが行われるT家の2階に、青年たちが集まってきた。T家の二男のMさん(21歳)、三男のAさん(17歳)や、近所に住む青年部の仲間たち。オンライン(Zoom)でつないだ画面の向こうには、長男のKさん(23歳)をはじめとした関東在住の青年や、中には関西在住の顔ぶれも。そのほとんどが10代、20代だ。午後7時半、みんなが揃ったところで青経巻読誦からつどいがスタートした。
力強く、大きな声が響き渡ったお経の後は、輪になってつどい。ここ1週間の出来事やその中で感じたことなどを、1人ずつ順番に話していくスタイルだ。
中高生からは、「文化祭が終わったからクラスみんな気が抜けて、ふざけてたら先生から注意されちゃって。気をつけたいです」「今はちょうどテスト期間。勉強も、それ以外のことも、後悔しないように頑張りたい」と前向きな発言が。
またこの日、彼女を連れて参加したAさんは、「この前、父とケンカして。俺は悪くないのになんで?って、昔の自分ならキレてたと思う。でも、最近、友達や彼女を誘ってつどいや弥勒山に参加したり、お経をあげたりする中で、自分にも悪いところがあるのかなって思えるようになった。父に謝ると、『俺も悪かった』と謝ってくれて。少しずつ自分が変われてるなって思う」と話した。
| 自分の気持ちをつくるために
社会人からは、やはり仕事の話題が多かった。嬉しかったこと、悩んでいること、頑張ったこと、さまざまな話が飛び出す。オンラインで参加したYさん(20代・女性)は、こんなエピソードを話した。
「看護師をしているんですけど、今日、下手をすれば患者さんの命にかかわる、今までで一番大きなミスをしてしまったんです。心臓がバクバクして、手が震えて止まらなかった。
私は普段、患者さんに点滴を打ったりするとき、失敗しないように、患者さんが暴れたりしないようにって、心の中でお題目を唱えているんです。でも、今日、家に帰って親と話をしていたら、『患者さんが暴れないようにっていうのは、違うでしょ。患者さんと接する上での自分自身の心構えや、気持ちをつくるためのお経やお題目じゃないのかな』って言われて……。ああ、そうだなって。今日のミスも、私の患者さんを思う気持ちが足りなかったんだなって気づいたんです」。
中高生も社会人も一緒になって、ありのままの自分を語り合うつどい。バイトや仕事を調整して、ほぼ毎週参加しているメンバーも少なくないようだ。
その理由が分かる気がした。このつどいに参加して間もないAさんの彼女のTさんは、「すごくあったかい」「話しやすい」と言っていた。新しい人も入りやすいウェルカム感。どんなことを話してもいい、自由な雰囲気。そして、教えを生かして自分を変えようとする仲間の姿からさまざまなことを吸収し、前に進める。そんなつどいを、自分たちの手でつくりあげている青年たちがいた。
※写真はイメージです。本文の登場人物とは関係ありません。
02つどいの主催者に聞く
| 「水曜日」から始めよう
T.Kさん 23 歳 T.Mさん 21 歳
K ぼくたちは、両親に連れられ、子どもの頃からつどいに参加していました。
M いとこたちも必ず来ていたので、彼らに会いに行っていた感覚でしたね。
K でも、中学生くらいになると、両親と一緒にいるのがすごく嫌になりました。というのも、父は、何でも頭ごなしに𠮟りつけてきて、こっちの話を聞かない人。ぼくも負けん気が強いので、言い合いになると、今度は手が出てくる。両親といる空間が、すごく居心地が悪かったんです。
M ぼくは兄ほどではなかったんですが、反抗期になると母からいろいろ言われたくなくて、自分の部屋に閉じこもったりしていましたね。
K 家族の雰囲気は、ぼくが高校2~3年生の頃が一番深刻だったと思います。両親が離婚するかもしれない、って。そうなって初めてぼくや弟も、両親も、それぞれが霊友会の教えに真剣に取り組むようになったんです。そしてぼくはいろんな人と関わる中で、父は不器用だけど、何事にも全力で、家族のために必死なんだな、と思えるように。少しずつ、T家の空気が変わっていくのを実感しました。そんな最中でしたね。このつどいを始めたのは。
M 母が導いた近所の母娘。その娘さんはぼくたちと幼なじみでした。兄が、「せっかく入会したんだから、一緒にお経をあげて、つどいをしよう」って。
K 彼女もやりたいと言ってくれて、ぼくとMと3人で始めたのが第1回。それから徐々にAやいとこたち、同じ支部の青年部も誘うようになりました。毎週水曜日、弥勒山行事が近い週など以外、ほとんど欠かさず続けてきました。
| つどいで言葉にすることで、より深く自分と向き合う
M 続けてきて良かったなと感じる瞬間は、「水曜日のおかげ」と仲間から言われたとき。ある青年は、家族の仲が良くなくて、弟とずっと会話がなかったそうです。でも、つどいでいろんな人の話を聞いて、真剣にお経をあげるようになったら、弟と会話するきっかけがつかめて、関係が変わっていったと喜んでくれました。
K 仲間たちの姿に触発されて、ぼく自身も、自分を変えていこうと思うことができました。
つどいを始めた年、何か地域に貢献したいと、実家の畑仕事の手伝いを自ら買って出ていました。ところがある日、まわりの農家や地域の方々にまでご迷惑をかける大失敗をやらかしてしまったんです。必死に頭を下げて回る父の背中を見たとき、申し訳ない気持ちでいっぱいになったと同時に、夢中になるとまわりが見えなくなることや、俺がやっているんだ!っていう傲慢な部分が自分にはあるんだなって気づいたんです。
そういうことも、つどいで赤裸々に語りました。つどいで言葉にすることで、より深く自分と向き合うきっかけにして、自分を変えていくために、修行を決めて取り組む。その繰り返しの中で、両親に対しても、ここまでぼくたちを育ててくれたことってやっぱりすごいことだよなと、尊敬する気持ちが湧いてきました。
毎週あるからこそ、その時々の自分を語り、前に進むきっかけになる。「水曜日」はこれからも、青年同士が共に成長し合えるはじまりの場にしていきます。
※写真はイメージです。本文の登場人物とは関係ありません。
03参加者から
| 修行を続けていく、心の支え
Y.Tさん 25 歳
昨年の4月から看護師として働き始めたぼくは、先輩とそりが合わなくてすぐに悩むようになりました。仕事に行くのが苦痛で、眠れない日も。追い打ちをかけるように、車で事故を起こしてしまい……。身も心もボロボロで、自分のことで精いっぱい。患者さんのことなんて考えられない。そんな毎日でした。
そのことを支部長に相談すると、いろんなアドバイスをもらい、「父親に感謝が足りないんじゃないか」と言われました。父は昔からぼくに、「これが駄目」「あれができていない」と、何でも否定ばかり。それがすごく嫌だったのに、なんで感謝するの?と思いながらも、言われた通りにやってみよう!と、百日間、決めたお経をあげる修行を始めました。でも、1人で頑張るのは大変で、続かないと思っていたときに、以前から聞いていた水曜日のつどいのことを思い出したんです。それで、昨年の8月、初めて参加してみたんです。
自分より若い子たちが元気いっぱい青経巻をあげる姿に、元気をもらいました。つどいで近況を話す中で、みんなそれぞれに頑張っていて、辛いのは自分だけじゃないんだと思えました。
そして、T兄弟の両親、いとこのぼくにとってはおじさんとおばさんであるお二人にもたくさん温かい言葉をかけてもらったことが、どれほど心の支えになったか。つどいは青年だけでやることが多くて、お2人は月に1回くらいしか輪の中に入らないんです。でも、つどいの後にご飯を用意してくださって。それをみんなで食べながら、話を聞いてもらっていたんです。
そうして修行を続けていく中で、父に自分から心を開いてみようと、実家に寄ったときに一緒に晩酌をするようになりました。その中で、父も、祖父からすごく厳しくされ、苦労してきたことを話してくれて……。父も今まで、辛い思いをたくさんしてきたんだと思い、父に対して優しく接することができるようになりました。
職場でも、自分のことで精いっぱいだったぼくが、患者さんのことを考えられるようになりました。今では、「Yくんは、知識や技術はまだ足りない部分があっても、患者さんへの態度はとても素敵だね。患者さんがみんな笑顔で穏やかだよね」と、先輩から言ってもらえるようになったんです。
これからもつどいに参加して、もっともっと自分を変えていけるように頑張ります。
土田準支部青年のつどいプログラム
○青経巻読誦
○輪になってつどい1週間の出来事や近況、その中での実感を各自が話す
○つどい後、みんなでご飯を食べながら談笑
※写真はイメージです。本文の登場人物とは関係ありません。
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