今月の
特集

2021.9.1

もう逃げない!あきらめない!

「これは自分にはできないな」「あの人、苦手…」そんな思いをしたことは、誰だってあるはず。そんなとき、あなたならどうする?時には距離を置くのもいい。でも、それだと前に進めない。逃げたり、あきらめたりしなければ、きっと道は拓いていく。

    1. ■①—「私には無理」夢を捨てた私だけど— 〜将来の夢編〜【Oさん  10代・女性】
      中学のとき、私はビューティアドバイザー(百貨店等の専門店で客にメイクをし、化粧品を販売する美容部員)を夢見るようになりました。…続きを読む
    2. ■②— 苦手な上司から逃げたい。そう思っていた私が変わったきっかけ 〜職場編〜【Nさん  30代・女性】
      数年前、私は女性の上司との関係で悩んでいました。指示するにも注意するにも言い方がきついし、気分次第で仕事の指示が変わるから、こっちは振り回されてばかり。…続きを読む
    3. ■③— 離婚を考えていた夫が教えてくれた、大切なこと 〜家族編〜【Tさん  20代・女性】
      「私は幼い頃から勉強や家の手伝いなど、嫌なことは避けて、自分の好きなことだけをやっていました。…続きを読む

「私には無理」夢を捨てた私だけど— 〜将来の夢編〜


世界14カ国の女性を対象にした調査から(2016年6月 マスコミ調べ)

中学のとき、私はビューティアドバイザー(百貨店等の専門店で客にメイクをし、化粧品を販売する美容部員)を夢見るようになりました。それで、実際に働いている様子が見たくなってお店に行ったんです。そうしたら、お客さんと楽しそうにコミュニケーションをとっている姿があまりにもキラキラしていて……。私は小さい頃から初対面の人が苦手で、喋るのも下手。あんなふうになれないとあきらめてしまったんです。

新しい夢が見つからないまま高校2年になったある日。進路についての面談で、担任の先生から「あなたには美容系の職業が似合ってると思うよ」と言われました。すごく嬉しくて、ビューティアドバイザーになるというあきらめかけていた夢が、また湧き上がってきたんです。あらためて夢の実現を決意し、美容系の専門学校のオープンキャンパスに行くようになりました。

そんなある日、母に専門学校に進学したいと打ち明けると、「意志が弱いのに本当にやりきれるの?」と言われたんです。いい加減な気持ちで言ったわけじゃないのに、夢を否定された気がして腹が立って。それ以降、親と夢の話をすることはありませんでした。

ちょうどその頃、中高生がライブイベント「ナキワラ!」を企画・運営したり、ボランティアなど、いろんな活動をするNLA運動のスタッフになっていた私。アドバイザーに勧められ、将来の夢について主張原稿を書きました。

そうすると、県ライブに出演してほしいと言われたんです。大勢の人の前で発表なんて私には無理って、最初は断ろうかと思いました。でも、よくよく考えてみると、これって人見知りを克服するチャンスなのかな。自分の気持ちを人に伝えることで、何か変われるかもしれないと思って、勇気を出して出演を決めたんです。

県ライブに向けてアドバイザーと1対1で話し合いながら、主張原稿に手を加えていきました。どうしてビューティアドバイザーになりたいのか。母に応援してもらえなかったときにどう感じたか。アドバイザーが丁寧に聞いてくれました。その一つひとつに答えていくうちに、メイクで人を元気にしたい。絶対に夢を実現させるんだと、気持ちがもっと強くなりました。親に認めてもらえるように、まずは勉強をしっかりして意志の強さを見せよう。アルバイトを増やして学費を貯めよう。そうやって自分がするべきことが見えてきたんです。

県ライブ、そして全国ライブに出演し、大勢の前で発表できたことが、自信につながりました。全国ライブには両親も応援にかけつけてくれました。ライブの後、「人見知りを克服していて、びっくりしたよ」「自分が選んだ道なら頑張れ。応援する」。そう言ってくれたんです。胸がいっぱいになりました。勇気を出して、ライブに出演して本当に良かった。

今、私は美容系の専門学校に通っています。一生懸命勉強して、必ず夢を実現させます。

※写真はイメージです。本文と関係ありません。※オンラインで取材しました。

苦手な上司から逃げたい。そう思っていた私が変わったきっかけ〜職場編〜


*全国の20 ~ 49歳の会社員520人を対象にしたアンケート結果から(2021年6月 調査会社調べ)

数年前、私は女性の上司との関係で悩んでいました。指示するにも注意するにも言い方がきついし、気分次第で仕事の指示が変わるから、こっちは振り回されてばかり。この人は苦手だ。もう一緒に働きたくない。仕事を辞めたいという気持ちが日に日に強くなっていきました。

私の気持ちを分かってほしい―。地元のつどいで先輩たちに相談すると、共感してくれるどころか、意外な言葉が返ってきたんです。「辞めて別のところに就職しても、また同じことを繰り返すだけやと思うで」「上司に元気に挨拶してる? 自分から話しかけてる? できることがあるんじゃないかな」。

厳しい言葉の数々に、何でそんなこと言われなあかんの? 挨拶も、話しかけるのも、ちゃんとやってるのにと、腹が立ちました。でも、この状況を何とかしたいのは変わりません。先輩に言われた通り、お経と導きの修行を頑張ってみることにしたんです。

ある日、友達に霊友会の話をしないままつどいに連れていったら、「何で騙したの?」って、すごい剣幕で怒って、帰ってしまいました。ショックでこんなことならもう何もしないと言う私に先輩が「友達の姿から気づくことがあるんじゃない?」と。家に帰って無我夢中でお経をあげる中で、それまでの自分を思い返しました。

中高生の頃、私はクラスになじめないからと学校に行かなくなりました。今は上司とうまくいかないから、職場を辞めようとしている。私はいつもイヤなことから逃げてばかりで、自分の力で状況を良くしようとしてこなかった。人とちゃんと向き合ってこなかったと気づきました。先輩たちは、中高生の頃から私と関わる中で、本当に私のことを心配して、あえて厳しいことも言ってくれていたんだ。上司に対して、自分にできることをやってみようと決めました。

それまで以上に元気よく挨拶し、上司の機嫌が悪くても明るく話しかけるようにしました。関係を良くしたい気持ちが、上司に伝わったのでしょうか。上司といろんな話ができるようになり、ランチに誘ってくれたり、誕生日プレゼントをくれるほど親しい関係になったんです。その中で、実は私のことをずっと気にかけてくれていたことが分かりました。もし、仕事を辞めていたら後輩思いで、仕事熱心な上司の良い面に気づけないままだった。それに、今の職場でいろんな経験を積むことができなかったかもしれません。仕事を辞めずに、上司と向き合おうと言ってくれた先輩たちのおかげで今があると、すごく感謝しています。

※写真はイメージです。本文と関係ありません。※オンラインで取材しました

離婚を考えていた夫が教えてくれた、大切なこと〜家族編〜

苦手な人、合わないと思った人とは関わらない。ケンカをすればそのまま疎遠になる。そんなふうに生きてきたTさんは、結婚後、夫とのケンカが絶えなくなった。そのとき彼女がとった行動とは?

「私は幼い頃から勉強や家の手伝いなど、嫌なことは避けて、自分の好きなことだけをやっていました。中学、高校になると友達と夜遅くまで遊びまわるようになり、両親に叱られると、『もう帰らない』と家を飛び出し、友達の家に寝泊まりすることもしょっちゅうでした。

私と気が合ったり、言うことを聞いてくれる人としか友達付き合いをしなくて、ちょっとでも合わないと思った人とはすぐに距離を置く。ケンカをしたら相手が謝ってこない限り、口を利かない。本当に自分勝手にふるまっていたんです」。

そう語るTさんは、昨年月、友人の紹介で知り合った男性と結婚。幸せな家庭を築こうと思っていたが、間もなくして夫への不満がたまってきたという。

「共働きなんだから、もう少し家事を分担してほしい。早く食事を済ませたいのに夫の帰りを待たないといけない。何か用事を頼んでも『やるよ』と言うだけで、なかなかやってくれない。そんな夫にイライラして、ケンカするようになりました。いつも夫が折れて謝ってくれましたが、それでも気が収まらないときは家を飛び出していました。結婚したのにケンカばかりで、全然いいことがない。どうしたらいいんだろうって悩んでいたんです」。

両親の代から霊友会に入会していたTさん。学生の頃から、家族や友達には話せない悩みを、支部長に相談してきた。

「家を出るたびに支部長に電話して、話のすみずみまで聞いてもらいました。『ご主人の姿は、今まで自分がしてきたことだと思って、自分を見つめ直してみたら』。そう支部長に諭されて納得するものの、家に帰ると忘れてしまって、またケンカになる。それを何度も繰り返していました。

結婚して2カ月ほど経ったある日、お互いに積もり積もった不満が爆発して、これまでにない激しいケンカになったんです。これ以上、夫と暮らすのは無理かもしれないと思いました」。

夫婦関係を良くしたい。本気で思ったときに、かけられた言葉

これが友達関係だったら、Tさんは躊躇(ちゅうちょ)なくケンカ別れしていた。だが、まだ結婚2カ月。意地もあり、そう簡単に離婚というわけにはいかない。

「いつか子どもを授かって、あたたかい家庭を築きたい気持ちもありました。夫婦関係を何とかしたくて、支部長に相談したとき、『これからは夫婦で霊友会をしてみよう』と言われました。夫は霊友会に反対じゃないけど自分はやらないという態度で、私も特に勧めることはありませんでした。でも、状況が良くなるならと、支部長に言われた通りにしてみようと決めました。

夫に『家庭の状況を何とかしたいから、一緒に支部長の家に行こう』と誘い、支部長に協力してもらいながら夫に霊友会の話をしました。夫は私がお経をあげる姿を見ていて、そんなに悪い印象は持っていなかったようです。『やってみる』と入会しました」。

それまでのTさんは、幼い頃から何となくつどいや弥勒山セミナーに参加していたものの、お経は苦手。あげない日もあった。  

夫が入会してからは、自分も真剣に霊友会をやろうと決め、夫婦でつどいに参加し、毎日お経をあげ、寒行にも取り組んだ。まだ慣れない夫に合わせ、ゆっくりとお経をあげていく中で思い出したのが、「ご主人の姿は自分の姿だよ」という支部長の言葉だった。

「夜遅くまで遊んで、両親、祖父母にずいぶん心配をかけたこと。仕事で疲れた態度を見せて、家族に気を遣わせていたこと。家の用事を『やっておく』と言うだけで、全くやろうとしなかったこと……。結婚前の自分の姿が思い浮かび、夫を責めてばかりいたけど、私こそ変わらないといけないと感じたんです。

また、夫がつどいで『妻は気が強いので、怒らせるのが怖かった』と言っていたと、支部長から聞きました。夫の本音を聞いて、そんな思いをさせていたんだな。本当に申し訳なかったと感じました。気づいたところから自分を改めていこうと決めて、イラッとしても、グッとこらえて優しい言葉で話す。夫が帰ったときに気持ちよく過ごせるようにいつも部屋をきれいにする。夫婦でつどいをして、夫の気持ちを聞く。そうやって取り組んでいくうちに、少しずつケンカが減っていきました。仕事や友達関係の悩みを相談し合う時間が増え、お互いに支え合える関係になってきたんです」。

苦手な人こそ親切に。その結果、得られたもの

そんな夫婦関係の変化は、職場の人間関係も変えるきっかけとなった。

「私は介護士として病院に勤めています。お世話をしている患者さんの中に、緊急ではないのに何度もナースコールを押す人がいました。他にも仕事があるのに……とイライラした私は、その患者さんの対応を他のスタッフに任せ、なるべく関わらないようにしていたんです。それなのに、その患者さんが呼び出すときに限って私しか手が空いていない状況が続きました。

どうしたらいいのか、支部長に相談すると『苦手な人にこそ親切にしたら、状況が変わるかもしれないよ』と。考えてみれば、もう無理かもしれないと思っていた夫との関係も変えることができた。だから、苦手な人からも逃げずに良い関係を築いていこうと思うことができたんです。

以前よりも大きな声で、元気に挨拶する。呼ばれていなくても様子を見に行き『困っていることはありませんか?』と聞く。頼まれたことも笑顔で対応する……など。これまでとは対応の仕方を変えるようにしました。そのうち、その患者さんも以前ほど頻繁にナースコールを押すことがなくなり、『ありがとう』と言ってくれるようにもなったんです。うれしい気持ちでいっぱいになり、これまで以上に頑張ろうと力が湧いてきました。

思いやりをもって接することで、相手から元気をもらえるんだ。もっと人の役に立つ仕事がしたい。そう思うようになり、介護福祉士の資格を取るために学校に通うことを決めました。仕事で手いっぱいで、スキルアップを考えたことがなかった私にとって、大きな一歩になりました」。

友達からも「優しくなったね」と言われるようになったという竹内さん。自分を変えることができた喜びをかみしめながら、日々過ごしている。

「夫が積極的に先祖の戒名を集めたり、毎日お経をあげている姿を見ていると頼もしくて、この人と力を合わせて家庭を築いていこうと温かい気持ちになれるんです。あのとき、もう無理だと別れていたら、この幸せはなかった。仕事に対する向上心を持つこともなかった。人間関係から逃げずに向き合って本当に良かったと感じています。

これからも夫婦で支え合い、共に人を思って働きながら、温かい家庭を築いていきたいです」。

※写真はイメージです。本文と関係ありません。※オンラインで取材しました。