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2024.1.1

憧れの世界で輝きたい!

奈良県  藤田 真唯子さん 21 歳

多くの人が憧れる、映画やドラマで活躍する俳優。藤田真唯子さんは今、そんな世界で輝こうと、レッスンやオーディションで忙しい日々を送っている。

「小学1年生のときに発症したてんかん(※)が俳優を目指すきっかけをくれました。治療のために奈良から神奈川の病院に通ったんですけど、観光で立ち寄ったテレビ局でドラマ撮影をする俳優さんたちを見たんです。みんなすごくキラキラしていて、『私も俳優になりたい』と強い憧れをもつようになりました。それからは映画やドラマに没頭。挫折や障がいを乗り越えて、夢・目標を達成していくストーリーが特に好きで、自分の境遇に重ねては、日々思いを募らせていきました。でも、てんかんのことでたくさん心配をかけてきたっていう後ろめたさを感じていた私は、家族に俳優になりたいとは言えませんでした」。

何事もなく時間は過ぎ、気がつけば高校卒業間近になった。進路を決めなければいけない。藤田さんは動いた。

「どうしても諦められなくて『夢に向かうための力をください』って、これまで以上に真剣にお経をあげるようになりました。そうしたら、俳優になりたいっていう気持ちがどんどん強くなっていったんです。それで、思い切って母に打ち明けると、『大人しい真唯子がはっきりとやりたいことを言ってくれるなんて、そんな強い意志をもってくれて嬉しいよ。精いっぱい応援するね』と背中を押してくれたんです。その言葉で決意が固まりました」。

こうして、藤田さんはずっと夢見てきた俳優への道を歩きだした。

「撮影現場や養成学校で出会う人たちの、夢をかなえようと一生懸命な姿にいつも刺激をもらっています。先日、ある映画の撮影に参加できて、私がさせてもらったのは一瞬映るかどうかくらいの役だったんですが、役者として映画づくりに携われることが本当にうれしくて……。今、毎日がすごく充実しています」。

脳の機能の乱れによって、意識障がいやけいれんなど、さまざまな症状を引き起こす病気。