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2023.11.1

日本の文化を世界に届けたい

東京都  U.Rさん 20 歳

Uさんは父親の仕事の都合で、小学2年生から中学3年生までの8年間、英国に在住していた帰国子女だ。

「当時、突然の移住で家族みんな英語ができないという状況の中、ぼくの学校生活は生徒が毎日唱えるお祈りの言葉を必死に暗記するところから始まりました。通っていたのは地元の公立学校で、校内に日本人は自分ただ1人。まわりは事あるごとに『日本はどうなんだ』って聞いてくるんです。幼い頃から海外に住んでいると、その国の人の気質に近くなると思われがちですが、ぼくの場合はむしろ自分は日本人なんだと意識させられる海外生活でした」。

「高校で日本に戻ったんですけど、日本史とか全然わかりませんでした」と笑うUさんは現在、大学3年生。目下、就職活動に励んでいる。そんな中、日英両国に住んだ自分だから気づけたことがあったと言う。

「先日、旅行で英国を訪れ、再会した向こうの友人たちとパーティーをしました。そのとき、日本の友達との飲み会でやっている場の盛り上げ方を披露したら、めちゃくちゃウケたんです。些細な出来事ですが、それがきっかけで、まだ発信できていない海外で受け入れられる日本がもっとあるんじゃないか。日英両国に住んだ自分だからこそ、気がつけることがたくさんあるんじゃないかと思ったんです。今、海外支店がある総合商社を第一志望に考えているのですが、そこで経験を積んでさまざまな見識を身につけ、まだ世界に知られていない日本の文化を発信していきたいです」。

写真はイメージです。本文の登場人物とは関係ありません。