Voice

2019.10.31

聞いてくれて、共感してくれた。
それが嬉しかった―

どうして、こんなことに? 石田有沙さん(13 歳・中学2年生)は、どれだけ考えても分からなかった。「今年の5月、部活で同学年の仲間に無視されるようになりました。ショックで、悲しくて、どうしたらいいか……。本当につらい毎日でした」。

それでも部活が大好きだからと、石田さんは辞めずに続けてきた。

「8月、親に勧められるまま、妙一会のとき以来、久しぶりに弥勒山に参加しました。楽しいこと、つらいこと、将来のこと、何でも話し合っているみんなの雰囲気に押されて、私もいじめられていることを分科会で話したんです。そうしたら同じグループにいた社会人の先輩が、『その気持ち、分かるよ』って。自分も部活でいじめられていたこと、お経をあげて前向きな気持ちになって乗り越えたことを話してくれました。私の話を親身になって聞いてくれて、共感してくれたのがすごく嬉しかった。先輩のように、私も毎日お経をあげてみようと思いました」。

地元に帰ってさっそく実行するうちに、石田さんの心に変化が起きてきた。

「部活のみんなに対して、何でこんなことするん? ムカつく!っていう気持ちでいっぱいだったけど、お経をあげていくうちに、周りを気にしないで自分にできることをしよう。そう思えるようになりました。今まで以上に一生懸命練習したり、人任せにしがちだった準備や片付けを率先してやっていきました」。

そんな石田さんの姿が周りの人の心を動かしたのだろう。1人、2人と、話しかけてくれる人が増えてきた。「気づけば、みんなとまた仲良くなっていました。先日、まじめに練習してきたことが評価されて、部長に選ばれたんです。みんなに認められたのが嬉しくて、辞めずに続けてきてよかったと、心から思いました。部長として、いじめのない、みんなが楽しく過ごせる部にしていきたい。そんな気持ちで今、ひとりでいる子に声をかけたり、気づいたことから始めています」。