私(永翁由梨・19 歳）は、華やかな世界で輝く歌手やモデルに憧れてきました。

元々は人前に出るのが苦手でした。だからこそ、自分もああいう存在になりたいと強く思ったのかもしれません。夢を追いかけ、芸能系の高校に進学。歌や演技のレッスンを毎日受けていました。

まわりは最初から上手な子ばかりで、私はみんなについていくのに必死。緊張してミスを繰り返し、毎日のように泣いていたんです。３年生になっても、講師から「歌は向いてないんじゃない？」と言われて……。悔しくて、泣きながら母に相談しました。

母は「気にしないで、自分にできることを一生懸命やってみよう」と言ってくれました。それは自信を失っていた私にとって、すごく勇気が湧く言葉。もう一度頑張ってみようと思えたんです。

それから少しずつ、レッスンで緊張せずに自分の力を発揮できるようになり、講師から「上手だよ」と褒められることも増えました。そして、３年間の集大成である卒業前のオーディションでも無事全力を出しきり、今年の４月から事務所に所属することが決定。「天野由梨」という芸名で、夢への一歩を踏み出すことができました。

どんなときも親身になって話を聞いてくれた母がいたから頑張れました。いつか大きなステージで輝いて、恩返ししたいと思います。

※撮影場所　釈迦殿周辺（東京都港区）／撮影・森照恭
＊撮影時のみマスクを外しています。　＊新型コロナウイルス感染予防をして取材しました。