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2022.8.31

あなたがいたからこそ気づけたことがある

「壮年の弥勒山セミナー」に高校時代からの親友・古堅(ふるげん)康代さん(40代)を誘って参加した渡邉紀美子さん(40代)。今年の3月、今は沖縄に住む古堅さんに東京から会いに行き、霊友会の教えを初めて伝えたと言う

自分の人生をあきらめないでほしい。相手を変えることはできなくても、自分を変えることはできる―。そのことを古堅さんにどうしても伝えたかったのです。

古堅さんには3人のお子さんがいますが、コロナの影響で大学を中退して進路が定まらない娘さんのことで悩んでいました。相談相手になるはずのご主人とは冷え切った関係。単身赴任中のご主人が帰ってきても話すことはないそうで、「何を言っても分かってもらえないからあきらめている」と言うのです。そんな彼女の話を聞くたびに、家族と心を通わせて幸せに暮らしてほしいと思うようになりました。

私は長らく霊友会から離れていましたが、8年前に再入会して教えを実践する中で、導いた会員とともに幸せをつかむことができました。きっと彼女も変われるはず。そう思い、自分の体験をもとに声をかけたのです。彼女は以前から先祖供養に興味があったそうで、「紀美ちゃんが言うなら私もやってみるよ」とすぐに入会しました。

翌月、古堅さんの家に総戒名を納めた渡邉さん。そこから毎月沖縄まで通い、彼女と一緒にお経をあげるようになる

仕事の都合をつけて、東京と沖縄を行き来するのは本当に大変でした。でも、霊友会館沖縄で「いんなあとりっぷ在家のつどい」に参加する中で、現地の会員さんたちと知り合えたことは大きな力になりました。「弥勒山はいいよ」というみなさんの体験にふれて、古堅さんは「壮年の弥勒山セミナー」に参加することを決めたのです。

 共感する人との巡り会いがうれしくて…

古堅さんにとって初めての弥勒山。何を感じたのか、彼女に話を聞くと……

「子育て・子供の悩みを話そう・聞こう」の分科会に参加したんですが、「息子たちの仲が悪くて悩んでいる」と発表した女性に対して、ある支部長が「夫婦で仲良くできていますか?」と聞いていたのです。それがとても印象的。他にも、赤ちゃんが生まれたばかりの人が「毎日経行をする中で、人として大事なことを忘れていないか振り返って改めています」と話しているのも心に残りました。

その後のグループミーティングで発表していた女性と偶然一緒になり、「夫に言いたいことがあるのに我慢している」と聞き、私とまったく一緒だなと。共感する人と巡り会えたことがうれしくて、いろんな話をすることができました。

これまでの日々を振り返っていくうちに、その女性も私も自分で無理だと勝手に決めつけて、夫と向き合うことから逃げてしまっている。これでは子どもたちも良くなるはずがない。そう気づいたんです。何事もあきらめずに言いたいことを言える自分になろうと決めました。

古堅さんに一歩を踏み出すきっかけをつかんでほしいと思っていた渡邉さん自身も、多くの気づきを得られた。

私は若い頃、親の反対を押し切って結婚し、息子を授かったものの6年で離婚。古堅さんと同じように、元夫とずっと分かり合えない状態でしたが、教えを実践する中でやっと元夫の良いところが見えてくるようになりました。彼は息子につながるかけがえのない存在―。そう気づいてから、元夫とそれぞれの両親、息子を交えて穏やかな時間を過ごせるようになったのです。

でも、そこに至るまでの間、両親がどれほど心配していたのか、息子がどれほど寂しい思いをしていたのか。周りの人たちに申し訳ないと心からお詫(わ)びをしたことがなかったと、今回の弥勒山で気づくことができました。

弥勒山の翌日、彼女と一緒に釈迦殿に参拝しました。そこで支部の仲間が「すごい行動力だね!」と古堅さんをほめたとき、私は素直に喜ぶことができませんでした。ここまで彼女を引っ張ってきたのは私なのに……と、思わず嫉妬してしまったのです。私は、なんて器が小さいんだろう。こんな自分では人を幸せにできないと痛感しました。

その日、仕事で古堅さんとずっと一緒にいられなかった私に代わり、彼女に付き添ってくれた両親と弟。自分を改めようと素直に教えに取り組み始めた古堅さん。まわりの人たちがいるからこそ、気づけたことがたくさんあります。そのことに感謝しながら、もっと自分を成長させたいと思います。

古堅さんは8月から新しい仕事に就き、「霊友会を始めてから未来に希望をもてるようになった」「子どもが自立できるように、世話を焼き過ぎる自分を改めていきたい」と話しています。彼女とともに先祖を集めて供養し、心から幸せだと感じる人や家庭を多く増やしていきたいです。

※写真はイメージです。本文の登場人物とは関係ありません。