What’s
つどい

2020.3.5

「ありがとう」 という言葉が
返ってくるようになって、自分も笑顔に

40代って、どんな世代?会社では若手から中堅の年齢にさしかかり、いろいろと悩みも多いはず。家庭では子どもが成長するにつれて、子育ても難しい時期に入ってくる。また、親の介護の心配なども出てくる世代だ。  

そんな40代の人たちが開いている「つどい」を取材した。

Hさん(会社員・女性)が、こんな話を始めた。

Hさん:バツイチ、独身です。もう、こんな年齢だし、恋はしないと思っていたけど、好きな人ができました。でも、なかなか一歩が踏み出せない。誰か、こんな私にいいアドバイスしてください(笑)。

Iさん:もう、この歳だからって、気持ちで負けたらだめ。自分はまだまだと思っていないと、チャンスだって巡ってこないよ。

と、Iさん(会社員・男性)がハッパをかける。Hさんが話す。

Hさん:ちょっと話が変わっちゃうけど、私、介護の仕事をしているんですね。 Iさんが言うように、最近、気持ちで負けてはだめだと思うことがあったの。

私はたくさんの人に笑顔になってもらいたくて、この仕事をやるようになったんだけど、現実は失敗ばかり。自分では 良かれと思っても、結果的にその人を傷つけてしまったりすることがある。ついついやりすぎてしまって、それが相手の自尊心を傷つけてしまうことも。いったい、どこまでやったらいいのか分からなくなるときがある。相手を笑顔にしなくちゃいけないのに落ち込んでしまって、全然笑えなかったりすることも多くて。

でもね、二週間ぐらい前だったかな、私が介護をさせてもらっている80代のおじいちゃんが、「いつも一生懸命で気持ちがいいよ。失敗するのは、それだけ頑張っている証拠。私はあなたの笑顔が好きだよ」って言ってくれて、それからすごく元気になれた。自分の笑顔で施設を変えていこうと思うようになったら、仕事にやりがいが出てきました。

こんな生活がいつまで続くのか終わりも見えなくて、正直、今、つらい

続いて、Yさん(アルバイト・女性)が自分の話をする。

Yさん:私は80代後半になる自分の両親の介護をしています。親がだんだん動けなくなってから夫も同意してくれて一緒に住んでるんですが、最近、ほんとに笑ってないなと思うんです。すごく自分のことを大切にしてくれた両親だから、介護をするのは当たり前と思っていたけど、親のつらそうな姿を見るのは苦痛で、一緒に落ちこんでしまうというか。こんな生活がいつまで続くのか終わりも見えなくて、正直、今、つらいんです。

そんなYさんにOさん(自営業・男性)が自分の経験を話す。

Oさん:去年、他界した母親の介護を3年間やった経験があるけど、僕の場合、介護をしていてもいつの間にかそれが義務感になってしまって、してあげてるという気持ちが強くなっていった。相手に感謝を求めて、それがないことにどんどんストレスが溜まっていった。

でも、ある人から「一番つらいのは、介護をされている側。ご両親なのかもしれないよ」と言われて、ドキッとした。だって、自分だったら、子どもが苦しんでいる姿は親も見たくないもの。それで、親の気持ちを何も考えていなかった自分に気づいた。

それからは素直に、してあげたいという気持ちになれた。わがままを言うなよと思うこともあるけど、だんだん、「ありがとう」という言葉が返ってくるようになって、自分も笑顔になれたんだ。

Myおせっかい運動が始まったけど、これも、やらなければじゃなくて、してあげたいという気持ちが大切なんじゃないかな。

Yさんが答える。

Yさん:今、話を聞いていたら、笑顔を見せることが自分にできる親孝行なのかもしれないと思えてきました。頑張らなきゃじゃなくて、肩の力を抜いて頑張りたいと思います。

Oさん:頑張らなくてもいいの。笑顔を忘れないで、ただ自分にできることをやればいいんだから。

とOさんが言うと、最後にYさんが、満面の笑顔を見せて、こう言った。

Yさん:介護がつらいとか、そういう話ってなかなかしづらいものだけど、今日は思い切って話してよかったなと思います。自分だけで考えているとどんどん追い詰められていくけど、誰かの一言がヒントになったりするから。

従妹が同じ悩みを抱えているので、今度は、ここに連れてきてみよう。

*写真はイメージです。本文の登場人物とは関係ありません。