Global Voice

2019.10.31

「お母さん、ごめんなさい。
ありがとう」

世界各国に広がっている霊友会の教え。今回は、メキシコのフリエタ・オチョア・エストラダさん(25歳)をご紹介します。

シングルマザーの家庭に育ったフリエタさん。以前は自分の本当の気持ちを母親に伝えられなかったそうです。彼女が変わったきっかけとは、何だったのでしょうか。話を聞いてみました。

「私はグアナファト大学で言語・文学を学びながら、英語学校の教師をしています。両親は私が3歳のときに離婚し、母は女手一つで私と兄を育ててくれました。

5年前、霊友会の教えに巡り合ったのは日本のアニメに影響を受けた私が、日墨青年文化交流訪日団に参加したことがきっかけです。霊友会の青年部の人たちと話して驚いたのは、両親や家族、自分に繋がる先祖を心から敬っているところです。また霊友会が社会貢献活動に取り組んでいると聞き、私もその活動に参加したいと思い、帰国後、入会しました」。

「このままじゃダメだ」と分かっていても、自分を変えられなかった

「まだ霊友会の教えについてほとんど知らないながらも開催した初めてのつどいで、参加してくれた友達や母や祖父母も入会してくれました。つどいではお互いの経験や考えを交換しながら、参加した人が成長できる機会だと知り、自分のつどいを開催することが楽しくなってきました。

参加する人の中にはいろいろな青年がいます。メキシコでは、経済的理由から大学を中退してしまう人が多いようです。また将来を考えて、自分の夢を追いかけるよりも確実な仕事につける可能性の高い分野の勉強に進む人が多くいます。

私は、幼い頃から文学に興味がありましたが、将来を考えて心理学を勉強しはじめたものの、自分の気持ちに素直でいられないことにストレスを感じていました。『学費や生活費を出してくれている母に大学を変えたいと言ったら、がっかりさせてしまうかも。でも自分の気持ちに嘘をついてまで勉強はできない」。私はこの気持ちをどうやって伝えようかと考えていました。

勉強にも身が入らず、人間関係もギグシャク。大学を度々欠席し、進級が危うくなりました。『こんな生き方を続けていたら、これからの人生もうまくいかない…』。

そんな折、つどいを開催したり、日々の修行を続けていく中で、自分の家族の「因縁」について考えるようになりました。そして、私の家族は、お互いに気を使い、仲が悪いわけではないのに、本当に心の中で思っていることが言えないということに気づきました」。

自分のことだけを考えていた私が、周りの人の気持ちに気づけるように

「暗い気持ちを抱えたまま、『お母さんに、自分の現状を話そう』と決めた日の夜、私は母の寝室に向かいました。母と目が合った瞬間、涙があふれ、もう心理学は学びたくない、言語と文学を勉強したいと気持ちを打ち明けました。

『今の勉強は続けたくないの?』と尋ねる母の言葉に、学費のことが頭をよぎり、やっぱり続けると咄嗟に言いました。すると母は私をそっと抱き寄せ、こう言ったのです。『お金のことは心配しなくていい。あなたの未来のためだと思えば、仕事も続けられるの。転学していいのよ』。

驚きました。しかし、今思えば、母は私たち兄妹が進みたい道に反対したことは一度もなく、いつも支えてくれました。それなのに私は、これまでのように、自分の気持ちを打ち明けても母に分かってもらえないと思っていたのです。私は胸がいっぱいになり、『お母さん、ごめんなさい。ありがとう』と心の底から感謝しました。

私はこれまでの、家族に気を使って、本音を話さないことが、誤解を生み、それが結果として家族の関係を悪くしていることに気がつき、自分に素直に謙虚になろうと少しずつあらためていきました。自分が本当に勉強したかった事を学び、霊友会の活動も続けていく中で、周りの人に感謝できるようになり、お互いの気持ちを理解し合えるようになりました。今は毎日が充実し、会員や友達からも、『明るくなったね』と言われます。

ある日私は、再婚した父の家に食事に行きました。父の再婚相手も交えて私が霊友会の活動で感じたことや大学の話をすると、父はこれからの私を応援してくれると言ってくれました。霊友会の活動を通じて私が変わり始めたのを目の当たりにしてか、父は再婚相手と一緒に入会してくれました。心から嬉しく、父親に感謝できました。

両親が離婚した本当の理由をまだ知りません。私は霊友会の教えの実践を通じて、父と母の間に残るわだかまりを少しでも解き、つどいに一緒に参加してもらい、いろいろな話をしたいと思っています。

これからも周りの人への感謝の気持ちを忘れず、地元や地域に、霊友会の教えの輪を広げていきます」。