Global Voice
2021.10.1
極度の人見知り、人を避けていた。
そんな私の心を開いてくれたものは?
インドの首都ニューデリーで生まれ育ち、理学療法士として働いているアカンクシャ・ラワットさん。学生時代に同級生との接し方に悩んでいましたが、会員とのつどいをきっかけに変わることができたそうです。
そんなアカンクシャさんに話を聞きました。
※ラワットさん一家。左から父のナラインさん、アカンクシャさん、長兄のアビシェクさん、母のウシャさん、次兄のアンキットさん。この日はアビシェクさんの結婚式に集まった
変わりたくても変われない。どうすれば……?
父は私が生まれる前、インド霊友会の事務所で働いていて、地元のつどいに参加したことをきっかけに霊友会に入会したそうです。
父は私を学校に通わせ、勉強する機会を与えてくれました。けれども私は、勉強が苦手なうえに人見知りな性格で、周りの人とどのように接したらいいのか悩んでいました。
16歳のとき、父が私の悩みを案じ、家族で一緒にお経をあげようと言ってくれました。私がためらっていると、父がこう話してくれました。
「悩みを解決できないつらさは、父さんにも分かる。そんなときは先祖に手を合わせて、しっかりとお経をあげることで、必ず答えを見つけることができるんだよ」。
父の話を聞いて、今の状況を変えられるならと思い、私は毎日お経をあげるようになりました。そして、自宅で開かれたつどいにも参加するようになったのです。
知らない人と会うことは緊張しましたが、つどいに集まった人たちは私を温かく歓迎してくれて、少し安心しました。
そこで「一人ひとりが自分の欠点を改めていくことで幸せをつかみ、それが世界の平和にもつながる」という話を聞き、その言葉が印象に残りました。
私も思い切って、学校生活の悩みを話しました。するとみんなが、私の話を真剣に聞いてくれて、励ましてくれたんです。
どんなことでも話せる地元のつどいは、内気な私を支えてくれた
その後もつどいに参加するうちに同世代の友だちが増え、学校生活も少しずつ楽しくなっていきました。その一方で、自分と意見が合わない人にはイライラするようになっていったのです。
ある日のつどいで、父から言われた言葉が私の心に突き刺さりました。「相手の態度に腹が立ったときは、自分の態度を改めよう。自分が変わることで、相手も変わってくれる」
はっとして、「他人と仲良くできなかった原因は、相手の態度にいつもイライラしている私自身にあったのかもしれない」と気づいたんです。そして「自分を改めるには導いた人と一緒に教えを実践することが大切だ」とも教わりました。
私は同級生に教えを伝えていき、何人にも断られましたが、ある日、小学生の頃からの友だちに話をすると、自分の先祖を供養できることに興味を持って入会したのです。
彼女をつどいに誘ったり、一緒に導きに歩く中で、いろいろな世代の人たちとも関わり、自分に自信がついてきました。苦手だった勉強にも、お経をあげて気持ちを新たにすると、あきらめずに取り組めます。昔の私では考えられないことです。
コロナ禍の中でも、自分にできることで人の役に立ちたい
高校を卒業する頃に、理学療法士になる夢ができました。高齢者の体力低下や、病気や怪我の後遺症で苦しんでいる人たちに、少しでも健やかに暮らしてもらうためのお手伝いをしたいと思ったからです。大学で理学療法学を専攻し、現在は地元の病院で理学療法士として先輩の指導を受けながら、経験を積んでいます。
※アカンクシャさん( 左)と同じ病院で働いている理学療法士の仲間たち
今、インドでは新型コロナウイルス感染症がまん延し、累計死者数は40万人を超えています(2021年8月時点)。私も感染しないか不安ですが、こんなときだからこそ、自分にできることで人と社会に役に立つ行動が必要だと思います。仕事に精いっぱい取り組みながら、周りの人のために行動していきます。
※2人の兄と一緒に