Global Voice

2024.6.1

人との深いつながりが沈んだ心を支えてくれた

タイ王国 ウォラコーン・ジャルプティコーンさん (75歳)


ナコーンラーチャシーマ県で行われたミニ弥勒山セミナーで教えを実践する喜びを話す

当たり前だった日常が、突然変わってしまうことがある。人生の希望を失いかけたとき、どうすればいいのか? ウォラコーンさんは6年前、膝を悪くして仕事を失った。失意の中で霊友会の教えを実践し、新たな光明を見出した。

私でも役に立てるんだと実感できたとき

私が霊友会の教えに出合ったのは19年前のことです。夫と離婚してから2人の息子を育てるために、保険の営業の仕事に明け暮れていたある日、自宅にポンティップ・チャムジッチューンさん(61歳)という女性が訪ねてきて、「霊友会は自分につながる先祖を供養して、お釈迦さまの教えを生活の中で実践する団体なんです。一緒にやってみませんか?」と話してくれました。私は昔から地元のお寺に通ってお釈迦さまの教えに親しんできたので、なかば興味本位で入会したのです。

それからもポンティップさんは、タイ支局で開かれているつどいによく誘ってくれましたが、私は仕事で疲れているからと、いつも断ってきました。

そんな私は6年前、長年の無理がたたって膝を悪くし、歩くこともままならなくなったのです。会社は退職せざるを得ず、同居している息子たちが生活の面倒を見てくれました。仕事を辞めて時間を持て余していた私を、ポンティップさんはいつも気にかけてくれました。私は彼女と一緒にタイ支局でのつどいに参加するようになったのです。

つどいで出会った人たちは、顔馴染みでない私にも分け隔てなく、笑顔で接してくれました。グループミーティングでは自分の近況から悩み事まで、真剣に語り合いました。クリスマス会などの季節行事もいろいろあって、いつも生き生きとしているみなさんと接していると、元気をもらえました。


タイ霊友会でクリスマスパーティーが盛大に開かれ、未会員の人たちも一緒に楽しんだ

やがて私も、こんな場所を一人でも多くの人に知ってもらいたいと、つどいに友人たちを誘うようになりました。その人たちが、「霊友会の人って温かくて、元気をもらえるね」と喜んでくれたので、本当に嬉しかったです。

その頃から、タイ霊友会の社会貢献活動に参加するようになりました。タイは、貧富の格差が激しい国です。私たちの住むバンコクでも、駅前で小さな子どもたちが物乞いをしている光景は珍しくありません。

タイ霊友会では困っている人の力になるために、孤児院や地元の学校、老人ホームなどに寄付をしています。そうした活動をする中で、いろんな人たちからお礼や励ましの声をかけられました。そんな人たちの笑顔が忘れられません。私でも人の役に立てるんだと、胸が躍る感じがしました。

|   先祖から受け継いだものは子孫の手で良い方向に変える

私は、つどいや社会貢献活動で感じたことを周りの人に話しました。すると霊友会の教えに興味を持ってくれる人もいました。地元のお寺によく一緒に参拝していたユパー・ウイイムサップさん(62歳)もその一人です。特に日本に関心があった彼女は、「日本の弥勒山に行ってみたい!」という思いで入会しました。

一緒にお経をあげようとユパーさんの家に伺ったのですが、ご主人やご家族が私たちに向ける目は、とても冷ややかでした。総戒名を納めることもできませんでした。

家でお経をあげていると、ふと、ポンティップさんや支部長から聞いた言葉を思い出しました。「先祖にも、私たちと同じような悩みで苦しんだ人がたくさんいたはず。先祖から受け継いだものは、子孫の手で良い方向に変えることが、本当の先祖供養なんだよ」

私は、その言葉をユパーさんに伝え、一緒につどいや社会貢献活動に参加し、互いの気持ちを語り合いました。ユパーさんは次第に、今までの自分は家族にすぐに腹を立てて、気持ちを押しつけてばかりいたのかもしれない…と思うようになっていったそうです。

昨年11月、ユパーさんは支部の弥勒山大祭に参加。彼女は弥勒山で会員の話を聞いたり、弥勒菩薩さまに手を合わせたとき、「この教えを、家族で一緒に実践していきたい」と強く思ったそうです。ユパーさんは、帰国してすぐ、ご主人にその思いを伝えました。するとご主人は、「君が家族のためを思って霊友会をやっているのなら、ぼくも賛成するよ」と。少しずつ家族の気持ちを思いやるようになっていたユパーさんを、ご主人は認めてくれていたのです。

私たちがあらためてユパーさん宅を訪れると、なんと、ご主人は顔をほころばせて私たちを歓迎してくれたのです。総戒名を納め、ユパーさん一家の穏やかな様子を見て、私もすごく嬉しく、幸せな気持ちになりました。


ユパーさんの家でつどい(左からウォラコーンさん、ユパーさん、ポンティップさん)

私は霊友会の活動を通じて、新しい生きがいを見つけました。人を思い、自分にできることを続けていくことで、人と一緒に幸せになっていきたいのです。これからもこの教えをもっと多くの人たちに伝え、困っている人たちの力になっていきたいと思います。