Global Voice

2021.4.30

「家族」と「社会」に反抗していた僕が
〝人の思い〟に気づいた理由

スリランカ北中部・アヌラーダプラ県に住むダハムさん(18歳)は、母親のニロシカさん(43歳)と妹のパモディさん(12歳)との3人暮らし。自動車が大好きなダハムさんは、自動車会社を設立する夢を叶えるため、自動車の技術やICT(情報通信技術)を学べる高校で勉強しています。

ダハムさんが3年前に霊友会に入会する前は、親と社会に反抗的な少年だったそうです。ダハムさんに話を聞きました。

※右からダハムさん、母親のニロシカさん、妹のパモディさん。決して裕福とはいえない環境でも、家族3人で支え合っている

「中学生の頃は、素行の悪い友だちと遊んでばかりいました。友だちに巻き込まれて警察に留置されたことも……。ただ、遊ぶことが楽しくて、将来のことなんて考えたこともありませんでした。

友だちと遊んで家に帰ると、母からいつも、『勉強しなさい』『このまま大人になったら、仕事はどうするつもり?』とうるさく言われ、親子喧嘩ばかりで家に帰るのが嫌でした。

5年前、母が霊友会に入会すると、『一緒にお経をあげなさい』と言われましたが、自分には関係ないとやりませんでした。しかし15歳になった頃、母が突然、『お経をあげたら、友だちがいっぱいできるよ』と言ったので、『それはいいかもな』と思い、僕もお経をあげるようになったんです」。

今すぐ頑張れば、
自分も良い人生を
送れるかもしれない!

 「お経をあげていると、友だちや学校、進路のことなど、自分のことを真剣に考えるようになりました。

そんな中、母に誘われてつどいに参加すると、教えを実践して自分の性格を改めることで人生を変えたという体験をいくつも聞き、考えさせられました。

『もっと早く教えを実践すれば良かった』と話す人もいたので、『自分も、今すぐ頑張れば、良い人生を送れるかもしれない』と思ったんです」。

ダハムさんは、O(オー)レベル試験(高校進学を決める全国統一試験)のための勉強に集中するようになりました。勉強に行き詰まったときはお経をあげ、気持ちを落ち着かせてから取り組んだそうです。そして一昨年、試験で良い点数を取り、希望の高校に進学することができました。

その頃からダハムさんは、スリランカ霊友会が開催する一泊二日の研修会をはじめ、地域のつどいにも積極的に参加するようになっていきます。

「うるさい! 放っておいてほしい」
僕は、母さんの気持ちと向き合ってこなかった

 ある日、ダハムさんがお経をあげている最中に友だちが遊びに来ました。ダハムさんは、お経に興味を持った友だちに、霊友会の教えについて話しました。

「彼は違法薬物を使用して逮捕されたこともあったりして、両親と折り合いが悪かったんです。まるで今までの自分を見ているようで、放っておけませんでした。

僕も勉強のことで小言を言う母が嫌いでしたが、母と教えを実践して母の思いに気がつきました。

『周りの人の役に立てるよう、勉強を重ねて、思いやりのある人に育ってほしい』と僕に話す母は、女手一つで僕と妹を育て、僕が幸せを掴めるように教えを伝えてくれました。

母は短気な人だと思っていましたが、僕のほうこそ、母の話を聞かずに怒ってばかりでした。今は、母の気持ちを考えるようになり、親子喧嘩も少なくなったんです。僕はその実感を友だちに伝えました。

その後も何度か遊びに来た彼は、自然と一緒にお経をあげるようになっていました。あらためて、『僕はこの教えを実践して、自分を変えられたんだ。一緒にやらないか?』と話すと、彼は入会したんです。

彼は一緒にお経をあげるようになってから、両親や周りの人に迷惑をかけてきた自分に気がつき、目標に向かって勉強を頑張っています」。


※母親(中央)と一緒に、会員宅で行われたつどいに参加するダハムさん(右)

そんな出来事を通して、人のために動くことで得る充実感を知ったダハムさんは、社会貢献活動にも興味を持ち、地元の青年団で様々な活動をするようになりました。

現在はコロナ禍の影響もあり、満足にできない活動も多いのですが、自分にできる方法で人とつながっています。ダハムさんは語ります。

「今は携帯電話のグループ通話で、週に一回、会員の仲間たちとお経をあげて、つどいをしています。

僕は母と一緒に教えを実践して、家族の笑顔を取り戻すことができました。これからは周りの人たちにも教えを伝えて、幸せな家庭を一軒でも増やしていけるように頑張ります」。


※2019 年にスリランカ霊友会が開催した研修会で発表する母親のニロシカさん