社会を学ぶ

 視覚障がい者の方が駅ホームから落ち、列車にはねられて死亡する事故は後を絶たない。関係団体の調査では視覚障がい者の約4割が転落もしくは、転落しそうになった経験をしています。(参照:一般社団法人PLAYERSの自主調査による「視覚障害者の駅での困りゴトや声かけサポート」に関するアンケート結果)

社会を学ぶサロン

視覚障がいについて知ろう&誘導体験

 しっかりとまわりに目を向け、行動に移していく

 視覚障がい者が駅のホームから転落したり、踏切で立ち往生したりして電車と接触したというニュースをよく耳にします。そういった問題に対し、行政や鉄道会社の対策を待っているだけで本当にいいのでしょうか?

 誰もが安心して暮らしていくために、自分たちにできることがあるかもしれない―。たくさんの人と考える場をつくろうと、東京都と神奈川県のMyおせっかい推進委員が協力して、「社会を学ぶサロン」を開催しました。

 まずは霊友会法友文庫点字図書館職員の三浦一男さんが「視覚障がいについて知ろう」をテーマに講演。目の不自由な人たちがどのような問題に直面しているのか、外出するためにどんなことが必要なのかを教わりました。

「困っている視覚障がい者を見かけたら、『どうしましたか?』と声をかける。それで救われる人がたくさんいます」と話す三浦さん

 その内容を踏まえて、参加者同士でペアになり、視覚障がい者誘導体験を行いました。視覚障がい者役はアイマスクをつけ、誘導役の腕を取り、道の説明を受けながら釈迦殿の境内を歩いたり、階段を下りたり、トイレに入ったり……。一方、誘導役は今どこを歩いているのか、どこに何があるのか、説明しながら誘導していきました。途中で役割をチェンジし、誘導する人とされる人、どちらの立場も体験。1日を通して、視覚障がい者への理解を深めていきました。

誘導体験に挑戦。緊張しながらも、まわりの状況を説明しながら、ゆっくりと誘導しました

今日からできることは? みんなで話し合いました

参加者の声

 アイマスクをつけると何も見えなくて、常に目の前に壁が立ちふさがっているような感覚。歩くだけなのに、すごく恐くなりました。そんな中、頼りになったのが誘導してくれた人の言葉。「ここから階段ですよ」「今、外を歩いています」と、優しい声で、ていねいに話してくれたおかげで、安心できたんです。目の不自由な人を見かけたら、私もそんなふうに手助けしていきたいと思いました。 (青年・女性)

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 ちょっとした段差や障害物、人ごみ……。見える人なら無意識に避けられるけど、見えない人はそうはいかないことをあらためて知りました。

 目の不自由な人が安全に道を歩けるように、点字ブロックに物が置いていないか、困っている人がいないか、しっかりとまわりに目を向け、行動に移していきます。 (青年・女性)