社会を学ぶ

 奈良公園付近で起こる鹿と車の事故が後を絶ちません。実際、年間122件もの鹿の交通事故が起こっています※一般財団法人 奈良の鹿愛護会調べ

◇みんなでやろう!Our おせっかい◇

 世の中の問題を他人(ひと)事にせず、自分にできることから社会に貢献していく。そんな青年を目指すためのコーナー。今回はMyおせっかい奈良県推進委員会の活動を紹介します。

 10年以上前から、地元の問題に目を向け、様々な社会貢献活動に取り組んできた奈良県の青年たちのOurおせっかい。その一つが「どんぐり拾い&つどい」です。一体、どんな活動なのでしょうか。

|   地元ならではの問題に仲間と取り組む

 奈良県の有名な観光地、奈良公園には1000頭以上の鹿がいます。人のいるエリアを自由に行き来し、人懐(ひとなつ)っこいことから、奈良公園で飼育していると思う人が多いかもしれません。実は、奈良公園の鹿は国の天然記念物*に指定された野生動物なのです。

 奈良時代の昔から、人々に手厚く保護され、人と共生してきた鹿ですが、近年、様々な問題によって鹿の生息環境が悪化しています。

 例えば、車との接触。鹿が被害に遭う交通事故は年間約100件発生しており、ケガをするだけでなく、死ぬ鹿も少なくありません。他にも、道端に捨てられた紙類、ポリエチレン袋などのゴミ、鹿の健康に悪影響を及ぼす砂糖・油・添加物が入ったパン、菓子類を食べてしまって、病気になる鹿も後を絶ちません。そのため、愛護会が様々なトラブルで傷ついた鹿を保護施設「鹿苑(ろくえん)」に収容し、ケガや病気の治療にあたっています。13年前、「鹿苑」で与えるエサが不足していると知った奈良県の霊友会青年部のメンバーが、エサの材料となる「どんぐり拾い」ボランティアを始めました。以来、「どんぐり拾い&つどい」として、青年たちがまわりの人を誘いながら、毎年活動してきました。

自然を満喫しながら、みんなでどんぐり拾い。集めたどんぐりは、「奈良の鹿愛護会」に寄付しました。

 今年は1112日、奈良県天理市の大和(おおやまと)神社で行われ、子どもから壮年世代まで、幅広い年代の人たちが参加。みんなで楽しく話しながら、和気あいあいとどんぐりを拾っていました。

 「社会貢献活動っていうとハードルが高いけど、みんなで楽しくしゃべりながらできる活動もあるんだなって思いました。次は友達を誘って参加します」(10代・男性)

 「初めて参加しました。ケガや病気の鹿を助けるための、地元特有の社会貢献活動と知り、すごくいいことだと思いました。地元を良くするために何ができるか、常にアンテナを張ることが大切だと感じました」(30代・女性)

どんぐり拾い後のつどい。お互いの近況や今の気持ちを話し合って、仲間との距離がぐっと縮まりました。

 みなさんのまわりにも、地元ならではの社会的な課題があるかもしれません。身近な人たちと一緒に何ができるか考え、行動してみましょう。

*天然記念物……学術上の価値が高く、日本の自然を記念するものとして指定された動物、植物、地質・鉱物、および、それらに富む天然保護区域のこと。

みんなで参加しよう!

献血のつどい〜あなたのその一歩が誰かの命を救う〜

日時:12月18日(日)13時~15時30分(献血バス10時~16時)
場所:霊友会本部 釈迦殿

釈迦殿に献血バスがやってくる! 献血について学べるコーナーもあります。誰かの命を救う一歩となるこのつどいに、周りの人を誘ってご参加ください。

*献血をご希望の方は、スムーズな受け付けができるよう、事前予約にご協力ください。

【お問い合わせ・献血の予約】インナートリップセンター東京
TEL 03-5563-2515 Mail g_tokyo@reiyukai.or.jp

*昨年11月「献血のつどい」から