すぐそばにある食品ロス問題
食べ残しや、売れ残り、期限切れなどで、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品ロス。世界中では、年間13億トンもの食品ロスが発生しています。日本では、年間612万トンで、東京ドーム5つ分の食料に当たります。これを国民1人当たりに換算すると、毎日お茶碗1杯分の食べ物をゴミとして捨てていることになります。
世の中の問題を他人事にせず、自分にできることから社会に貢献していく。そんな青年を目指すためのコーナー。
今月は SDGs(エス・ディー・ジーズ)でも大きな課題として取り上げられる食品ロスがテーマです。Myおせっかいヒーローズと一緒に日本の食品ロスの現状を知り、自分にできるアクションを見つけていきましょう。
毎日、お茶碗一杯分!?
農林水産省のホームページによると、「食品ロス」とは、本来は食べられるのに捨てられてしまう食品のこと。日本の食品ロスは年間およそ600万トン(平成30年度推計値)。国民一人当たりに換算すると、毎日、お茶碗一杯分の食べものが捨てられていることになるんだって!
600万トンの内訳を見ると、「事業系食品ロス(製造業・卸売業・小売業・外食産業の4業種)が54%で、「家庭系食品ロス」が46%。家庭からもそんなにたくさんロスが出ているなんてびっくりだよね。最近はコンビニやスーパーなどで消費期限の近いものから選ぶ「手前取り」の協力を呼びかけているよね。そういうことも大切だし、ほかにも、ぼくたち一人ひとりにできることはたくさんあるんじゃないかな。
ぼくはどんな料理も絶対に完食するって決めてるよ!
だってほら、「残り物には福がある」ってことわざもあるでしょ残すなんてもったいないよ。完食大好き! ついでに間食も大好き!(ピーマンが苦手なことは内緒にしておこう…)
ことわざの解釈は間違ってるけど(笑)、心がけは素晴らしいわ!
美味しいものを食べられることを当たり前と思わず感謝する。大切なことだと思う。
世界には、毎日十分な食料を得られず、生きていくのが困難な人たちが大勢いるの。そんな飢餓に苦しむ人々に向けて、国連WFP(世界食糧計画)が2020年に行った食料支援は420万トン。また、コロナ禍の影響もあり、日本でも食料支援が必要な家庭がさらに増えていると聞くわ。
食材は食べきる予定を考え、計画的に購入したり、余ってしまうものはご近所にお裾分けをしたり……。私たち一人ひとりが食品ロスを削減していくことは、資源やコストカットにも繋がり、その分、社会として必要な支援に回すことができる。さまざまな社会問題の解決にも繋がっていく思うの。
一日一膳分の食品ロスを減らすことが回り回って、誰かを救う1日1善になるかもね。
自分にできること、もっとたくさん考えてみよう!
【私のアクション】青年部執行部 中原麻衣子
一つ調べたら、たくさんのことが見えてきた
「日本でもこんなに食品ロスがあるのよ」。
ある日、知人のAさんから教えてもらった話が、私がこの問題に関心をもったきっかけでした。それまでもニュースや新聞でなんとなく知っていたつもりだったけど、いざ詳しく調べてみると、新しい発見の連続だったんです。
家庭での食品ロスは、食べ残しや、野菜の皮を厚く剥き過ぎる、消費期限を切らして未開封のまま食品を捨てるなどがその要因。どれも私たちの心がけ一つで防げることばかりでした。
調べを進めていく中で、ふと、以前は専業農家だった両親のことを思い出しました。食べ物を粗末にしない、残さない。料理を作り過ぎたら近所の人に配りに行く……。野菜の切れ端一つにも、多くの生産者や料理を作った人の愛情が込められているんだよな。子どもの頃からずっと教わってきたことなのに、ついつい忘れがちになっていたなと反省させられました。
日本での食品ロスの現状、私たち一人ひとりにできるアクションを調べ、自分でもやってみました。そして、9月に青年部執行部で主催した「社会を学ぶサロン」で、自分の体験を交えてサロンに参加したみんなにも実践を呼びかけたんです。
その中の一つが、生ごみのこと。家庭から出る可燃ごみの約%を占める生ごみは水分も多く、焼却時に多くのCO2を排出する。だからなるべく食材を余らせないように工夫して調理する。野菜の皮などは洗う前に剥いたり、濡れた場合は乾かしてから捨てる。水分を多く含んだ生ごみはぎゅっとしぼる。そうすることで、食品ロスの削減だけでなく、環境にも優しいんですよ、と。
後日、「生ごみの話を聞いて、早速、毎日やっています!」と教えてくれた参加者がいました。その話をAさんに伝えると、「良かった。少しずつでも広がっていくとうれしいよね」と言ってくれました。
また、発表する資料の作り方をアドバイスしてくれた友人のBさんも、サロンに参加してくれ、勉強になった、自分もやってみると感想をくれました。こうやって、社会の問題に対して自分にできることをする仲間の輪が広がっていくことが本当に大切だと思いました。
「食品ロス」について学ぶ中で、その周辺にある社会の問題も知りました。ひとり親家庭など、食料支援を必要としていたそうした家庭は、学習支援なども必要としているケースが多いそうで……。一つ調べたら、たくさんの課題が見えてきました。
一人ひとりのアクションと共に、フードバンク、フードドライブなど、みんなでできる〝Ourおせっかい〟があるかもしれません。私も引き続き、青年部の仲間や友人、知人と一緒に多くのことを学び、考え、行動を起こしていきたいと思います。
テーマは『献血』:「東京都赤十字血液センター」から講師を招いて詳しく伺います!
- 日付11月20日(土)
- 時間時間未定