社会を学ぶ
献血者数が減少

 日本国内では、少子高齢化等の影響により、主に輸血を必要とする高齢者層が増加し、若い世代が減少しています。10~30代の献血協力者数はこの10年間で34%(2011年_約264万人→2020年_約174万人の約90万人)も減少しており、少子高齢化が今後ますます進んでいくと、血液の安定供給に支障をきたす恐れがあります。今後も患者さんに血液を安定的に届けるためには、今まで以上に若い世代の献血へのご理解とご協力が必要となります。
※「日本赤十字社 東京都赤十字血液センター」ホームページより)

私たちの、そしてこれからの世代の命に関わる問題。みんなで真剣に考えたい

 世の中の問題を他人(ひと)事にせず、自分にできることから社会に貢献していく。そんな青年を目指すためのコーナー。
 みなさんは、献血に行ったことはありますか?また、献血についての現状をどれくらいご存じでしょうか?実は今、全国的に大きなピンチを迎えているという献血が今回のテーマです。先月号に続き、Myおせっかいヒーローズがナビゲートします。

献血の現状を知り、行動を起こそう!

01.今、血液が足りない

 献血とは、病気の治療や手術での輸血など、必要としている患者のために、健康な人が自らの血液を無償で提供するボランティア。人の命を救う、とても大切なものだよね。
 ところが、緊急事態宣言や外出自粛など、長引くコロナ禍の影響で、献血バスの運行や、企業・学校での団体献血が相次いで中止に。個人で献血へ行く人も減少しているんだ。
 下のグラフは、必要な献血者数に対して、実際の人数が少ない状況が続いていることを示している。これは関東甲信越の7月〜8月のデータだけど、首都圏だけでなく、ほぼ全国的にすべての血液型が今も不足しているというデータが出ている(詳しくは日本赤十字社・各都道府県血液センターのホームページをチェック)。まさに今、大きな社会問題なんだ。


※関東甲信越ブロックの、令和3年7月12日~ 8月8日の400ml献血者数推移(「日本赤十字社 関東甲信越ブロック血液センター」ホームページより)

02.将来はもっと大変に!?

 輸血に使用する血液は、人工的に造ることができず、長期保存ができないの。だから定期的に確保する必要があって、1日あたり約1万4000人の献血が必要だと言われているわ。
 それに、日本は少子高齢化でしょう。病気の治療などで血液を必要とする機会が多くなる高齢者層は人口が増えて、若い世代は減少しているわよね。このまま進んでいくと、安定的に血液を供給できなくなって、大変なことになってしまうわ。これまで以上に、私たち若い世代の理解や協力がとても大切になってくるの。

03.献血へ行ってみよう!

 献血で提供したぼくたちの血液は、さまざまな場面で活躍する。その多くは、がん患者の治療など、病気で苦しんでいる人のために使われる。ぼくたちが献血をすることで、誰かの尊い命が救われるんだ。
 コロナ禍でも、献血は不要不急の外出にはあたらないと政 府も発信しているし、献血会場は感染対策も徹底している。だから、可能な人はぜひ足を運んでほしい。もし自分が行けなくても、周りの人に呼びかけるのも大切なことだね。
 日本赤十字社のホームページから、近くの献血ルームや献血バスの場所を探せて、WEBで予約もできる。また、献血には年齢制限があり、献血方法によって基準も異なる。そうした注意事項も詳しく書かれているので、チェックしてみよう。
 誰かの命を救う、Our(私たちの)おせっかい。これからみんなで取り組んでいこう!


※東京都の令和3年9月10日~ 16日の血液不足状況(9月9日現在、「日本赤十字社 東京都赤十字血液センター」ホームページより)

04.献血への関心とアクションが今、広がり始めています

・献血が不足していると青年部の仲間から聞き、早速、県内の献血センターに電話して予約しました。支部の仲間や友達にも伝えます。 (30 代・女性)

・献血後の休憩室で読める漫画が楽しみで行っています(笑)。献血ってSDGs(エス・ディー・ジーズ)の目標にも合致するんですね。社会問題への意識が高まるきっかけになりました。 (30 代・男性)

・私は生まれたとき、輸血によって命を助けてもらいました。献血の現状を知り、輸血歴のある私は献血ができませんが、生かされていることに感謝して、周りの人に協力を呼びかけていきます。(20 代・女性)

・先日、初めて献血に行きました。看護師さんが親切で、献血に来たことにすごく感謝してくださり、心が温かくなりました。一歩踏み出して良かった。もっと社会の問題にアンテナを張って、自分にできる行動をし続けます。(20 代・男性)