01.宗教の本願は社会事業にある
昭和12年8月3日・4日に行われた「在支在満 皇軍慰問資金募集」の募金活動で、
子どもたちとともに街頭に立たれた小谷恩師(左端)
第1回は、社会事業に込められた霊友会の創立者・久保角太郎恩師、霊友会初代会長・小谷喜美恩師の思いにふれていきたいと思います。
小谷恩師は、久保恩師について次のように話されています。
久保恩師は、「霊友会の信仰は、ご先祖のご供養をして、社会奉仕をしていくのが本願であって、自分たちだけが幸せで、自分たちだけが満足するということは信仰ではない」と常々話しておられました。
物やお金を本当に大切にされ、神谷町のご自宅から赤坂伝馬町の霊友会本部(当時)まで歩いて通っておられたほどでした。遠方の会員が帰るときには「、今日は久保が歩いて本部に来たから、これをお持ちなさい。家で待っている子どもにキャラメルが買えますよ」と言われ、たとえ十銭のお金でも持たせて帰されました。
私たち夫婦が入会した当初から一貫して、ご自分は何事についても倹約され、一方では、赤児にお乳を飲ませるがごとく、大勢の人に少しでも喜んでもらえるように、一人でも多くの人に満足してもらえるようにというお心で、私たちを導いてこられたのです。
そのような久保恩師のもとで修行をしてきて、どういうことが社会奉仕であるかということを考えますと、人のために尽くすこと、本当に社会のために尽くすという社会奉仕であります。いろいろなお話を聞き、自分も修行していきますと、どうしても社会奉仕をしていかなければならないと考えるようになりました。
このようなエピソードに象徴されるように、久保恩師は、布教活動と社会事業を一体のものと捉え、当初から実践されてきたのです。そして、久保・小谷恩師は常にその先頭に立たれて、率先して行動されていたのでした。導きや野外説法などの布教活動とともに、世のため、人のために尽くす多くの社会奉仕活動を展開していかれるのです。