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ボランティア

2022.9.1

障がいのある人を支える「点字」を一人でも多くの人へ!

特定非営利活動法人 日本点字普及協会

「点字」は、視覚障がいのある人のコミュニケーションツールだ。指で点字を読み取り、手紙や本を読むだけでなく、点字ブロックのある歩道では足裏の感覚で横断歩道や分岐点などが分かるなど、視覚障がいのある人の生活の支えにもなっている。

 霊友会の「ありがとう こだま 基金」の贈呈先の一つ、神奈川県大和市のNPO法人「日本点字普及協会」。ここでは、地域社会に点字を普及していく活動を行っている

 その一環として力を入れているのが、障がいの有無に関わらない、様々な人たちへの点字講習だ。健常者に点字を学んでもらうことは視覚障がいに対する理解を深められ、誰もが暮らしやすい社会をつくる一助となるとの思いだ。


東京都狛江市の小学校で点字を教える「日本点字普及協会」の会員たち(映像内および黒板前)。
子どもたちから『トツテンくん』を使って点字を習い「楽しかった」「点字を書くのが気持ちいい!」という声があがった

 社会奉仕活動に自ら取り組まれた小谷恩師の思いを継いで

 霊友会では昭和29年(1954)の青年部発足当初から、青年部の「社会に貢献したい」という思いのもと、視覚障がいのある人に向けた点訳奉仕や朗読奉仕に積極的に取り組んできた。様々な社会奉仕活動に身をもって取り組まれた、恩師小谷喜美先生の後押しもあり、昭和34年(1959)には青年たちの手で『点訳青経巻』がつくられた。

「日本点字普及協会」と霊友会の縁は平成31年(2019)、「霊友会法友文庫点字図書館」の岩上義則館長が、同協会の会員となったことがきっかけで生まれた。霊友会は「日本点字協会の活動に賛同し、令和3年に「ありがとう こだま 基金」を贈呈。今年度も贈呈した

 初めて点字にふれる人への普及のために基金を活用

「ありがとう こだま 基金」の活用方法や、霊友会の会員に向けてのメッセージを「日本点字普及協会」理事の加藤三保子(みおこ)さん(73歳)から伺った。

 活動資金が乏しい実情をくみ取っていただき、ご支援くださいました霊友会のみなさまに深く感謝を申し上げます。基金を活用して、凸面点字器『トツテンくん』30台と、点字を紹介する動画を映すために使用するプロジェクターを購入することができました

『トツテンくん』は、子どもや、初めて点字にふれる人たちでも簡単に点字を書き込めるもの。各地の会員を通じ、小・中学校で行う点字の普及教育や、一人でも多くの人たちに点字を知っていただくための講習会に役立てています。

 日本ではわたしたちを含めたNPO法人やボランティアたちが、誰もが暮らしやすい社会実現のために日々活動を行なっています。そのような方々にも、霊友会のみなさまの支援の輪が届けられたら、これ以上の喜びはありません。


点字器を使用して点字を書く。点字の大きさと同じ枠が空いた定規を当てて、針状の点筆で点字を書いていく

今年7月、福島県内の公立図書館で点字体験教室が行われた

 厚生労働省の調査によると、点字の識字率は視覚障がいのある人の約1割にとどまる。背景には先天性ではない視覚障がい者にとって点字は覚えづらいことなどが挙げられる。

「日本点字普及協会」では、誰もが点字の情報にふれられることを目的に、全国各地で中途視覚障がい者向けの学習会を行ったり、点字教材を作成している。

 加藤さんは点字を教えていく中で、子どもたちから点字でお礼の手紙が届いたり、点字を読める仲間が増えていくことが喜びだと話した。

 今、街中でも頻繁に見られる点字の意義を、私たちが理解すること、障がいのある人が困っていれば声をかけ、代わりの目となる思いやりが広がっていくことが求められている。

【凸面点字器『トツテンくん』】

 平成29年(2017)、「日本点字普及協会」が開発した凸面点字器『トツテンくん』。従来の点字器は凸面を左から右へ読む点字とは逆に凹面に右から左に書く必要があった。点字の形が読みと書き、紙の表と裏で左右反転していた。『トツテンくん』は紙の表面から読む点字と同じ方向で点字を書くことができるように改良され、初心者でも簡単に点字が書けるように。