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ボランティア

2023.9.1

障がいのある人たちが
いきいきとした生活を送れるように

社会福祉法人 大久保学園

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 全国にある障がい者支援施設は約5500カ所以上(※1)。高齢化した利用者への医療ケア不足、職員の人材不足…。障がいのある人たちからのニーズは高まっているものの、受け入れる側の課題はまだ多い。

 千葉県船橋市にある社会福祉法人「大久保学園」は、8つの障がい者支援施設を運営し、障がいのある人たちを多く受け入れながら千葉県内で活動の範囲を大きく広げている。

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|   利用者一人ひとりに合わせた活動を提供

 「ありがとう こだま 基金」の支援先である、社会福祉法人「大久保学園」。ここでは、入所施設と通所施設で障がいのある人が安定した生活を送れることを目指している。また、施設の利用者に限らず、障がいのある人たちが船橋市内で活動できる施設を紹介する相談支援事業にも力を入れている。

 運営しているうちの一つ、入所型の障がい者支援施設では、20代から80代までの約80人が生活。そのほとんどが、知的障がいを抱えている。支援員と呼ばれる職員が生活介助を行い、利用者たちは簡単な軽作業を行ったり、施設近くの公園までの散歩やカラオケなどの余暇活動を楽しむ。ここでは就労に向けての訓練ではなく、日々の生活を豊かにすることが目的だ。


毎年8月に行う「ウォーターレクリエーション」。水鉄砲を使ってお互いの頭に付けた的をねらう。
利用者も職員も、ずぶ濡れになりながら楽しむ

 作業は木工班・創作班・園芸林産班などいくつかの班に分かれて行われ、体が動かせる人たちは、原木から栽培している椎茸や、花の育成などに取り組む。近年は利用者の高齢化が進み、体力がない人や、重度の障がいを抱える人たちもいるため、利用者一人ひとりに合わせて作業を行ってもらっている。


作業が難しい人は、身体機能向上のため、ペットボトルのふたを合わせたものを穴に入れて指の体操を行う


木材でプランターをつくる利用者。作業は生活能力の維持・向上を目指すために行われる。
ベンチや机などを製作することも

|   障がい者支援への熱い思いからはじまったつながり

 「大久保学園」の設立は昭和46年(1971)。後に理事長となる故・大久保實さんと、長年、障がい者支援活動に奮闘していた霊友会会員の故・大島三之助さんが共に開設に尽力した。

 約15年前、霊友会の会員が立ち上げた社会福祉団体「たんぽぽの会」が、年2回、庭の清掃や草取りなどのボランティア活動を行い、施設の環境整備に取り組んできたことがきっかけとなり、霊友会は、平成24年(2012)から「ありがとう こだま 基金」で支援することとなった。

 基金は、入所型施設にある食堂の椅子およそ200脚の購入や、利用者の外出・通院に必要な自動車購入費用の一部などに使われている。

車で病院へ向かう利用者。車の購入費用の一部には「ありがとう こだま 基金」が活用されている

 8月2日には、霊友会の支援する千葉「三者の会」主催で行われた「輝け・いきいきフェスティバル〜支え合って in 千葉県〜」に初めて参加。ステージでは利用者たちによる楽器の演奏が披露され、会場は大いに盛り上がった。


8月2日に千葉「三者の会」主催で行われた「輝け・いきいきフェスティバル〜支え合って in 千葉県〜」に初参加。
ステージで演奏を披露する利用者のみなさん

 後日、理事長を務める千日清さん(64歳)に今後の展望をうかがった。

 この度は、千葉「三者の会」主催のイベントにお招きいただきありがとうございました。私たち「大久保学園」では、11月3日に学園祭を開催する予定です。ぜひ、霊友会のみなさまに来ていただき、さらに交流を深められたらと思っております。

 今、どこの施設においても、医療ケアが必要な人や、「強度行動障害」(※2)を抱える人の受け入れは、急務の課題。私たち「大久保学園」では、そういった居場所が見つかっていない人たちを受け入れられるよう、徐々にサポート体制を整えています。これからも、地域で必要とされる施設となれるように努めてまいりたいと思います。

(※1)厚生労働省「令和2年社会福祉施設等調査の概況」より
(※2)自分の体を叩くなどの自傷行為、危険な場所に飛び出す・登る、他人を叩いたり物を壊すなど、周囲の人に影響を及ぼす行動が高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要な状態のこと