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REIYUKAIボランティア
REIYUKAI
ボランティア
2024.1.1
心を元気にしてもらうために
私たちができること
一般社団法人 ふくのね
リユースショップ「ふくのね輝再館」外観
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躁(そう)うつ病や統合失調症など、精神的な障がいを抱える人は全国に約615万人(※1)。その数は年々増えており、日常生活や職場でのストレスの増加が原因の一つだと言われている。こうした精神疾患は誰にでも発症する可能性がある。
「ありがとう こだま 基金」支援先の一つ、宮城県大河原町にある「一般社団法人ふくのね」では、そうした障がいにより生きづらさを抱える人たちを受け入れ、様々な方法で支援を行っている。
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| できることに取り組み活力を取り戻してほしい
商品として売るため雑貨の汚れを拭きとる。「きれいになりました」と笑顔を向けてくれた利用者
精神障がいを抱える人たちは、気持ちの波を抑えるために服薬している人がほとんどだ。しかし、それでは根本的な解決につながらない。薬の効果は限定的で、症状を抑えようとする反面、意欲が低下したり倦怠感を感じる人もたくさんいる。同法人では医療機関での治療を継続しながらも、回復の兆しが見られた頃を見計らって、軽作業などのできることに段階的に取り組んでもらう。そうすることで、徐々に薬に頼らずとも活力を取り戻していってほしいという思いからだ。そのために、就労継続支援B型事業所(※2)を2カ所運営。現在、18歳から74歳までの60人が通っている。
その一つ、「ふくのね輝周館(きしゅうかん)」(宮城県村田町)で行っている事業は、企業からの受託事業など六つ。一つを例にあげると、法人のプライベートブランドである「ふくのね牛タン」の梱包やシール貼りなどの軽作業。この商品は村田町のふるさと納税返礼品となっている。
仙台名物の牛タンを法人で商品化した「ふくのね牛タン」。厚切りなのに柔らかく、美味しい一品
また、リユースショップ「ふくのね輝再館(きさいかん)」(宮城県角田市)では、寄付で届く衣類や雑貨・食器類などを、利用者たちが手作業で汚れを拭き取ったり、仕分けを行う。店舗には多くの近隣住民が訪れ、利用者たちの大きな励みとなっている。
作業に集中する利用者。ここでは誰もが、できることに一生懸命取り組んでいる
個人や団体から届く衣類を、性別やサイズごとに仕分けていく
様々な商品が並ぶ「ふくのね輝再館」店内の様子。毎月行われるセールイベントには100人以上が訪れている
| 生きづらさを抱える人たちを一人でも多く支援していきたい
「一般社団法人ふくのね」代表理事・本木仁(ひとし)さん(66歳)と、霊友会の交流が始まったのは約14年前。当時、別の法人に勤務していた本木さんが、村田町社会福祉協議会の事務局長を務めていた霊友会会員から誘われ、「創立祭2009」へ出展したことがきっかけ。平成23年(2011)から開催されている「笑顔まつり」にも、第一回から毎年出展している。
その後、本木さんは平成28年(2016)に独立し、「一般社団法人ふくのね」を設立。同年、「ありがとう こだま 基金」による支援が始まった。基金は、缶バッジをつくる機械や、利用者の安全を守るための防犯カメラの購入費用などに充(あ)てられている。
「ありがとう こだま 基金」を活用して購入したカッティングマシン。缶バッジをつくる際、丸くカットするために使用する
令和5年(2023)3月に行われた第11回「笑顔まつり」では、缶バッジの製作体験ブースを出展した
作成した様々な缶バッジ
本木さんに、将来に向けての熱い思いをうかがった。
法人がある大河原町には、障がい者支援施設が少ないのが現状です。
そこで私は、軽度・重度にかかわらず、障がいのある人たちがそれぞれの場所で、うまく適応できるような多機能的な事業所をこの町につくりたいと考えています。
さらに、地域の人と障がいのある人たちが分け隔てなく、同じ場所で過ごせるような環境を整えていきたいと思っています。
生きづらさを抱える人たちは、まだたくさんいます。受け入れ体制を整えるなど、一人でも多くの人を支援できるように、自分たちにできることに努めてまいります。
(※1)内閣府「令和5年版障害者白書」より
(※2)就労継続支援B型…一般企業に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が困難である者に対して、就労の機会の提供、及び生産活動の機会の提供を行う。(A型は雇用契約等に基づき就労する)