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REIYUKAI
ボランティア
2022.12.29
「戦禍で苦しむ人を助けたい!」
一人の人間として、私にできること
ウクライナ避難民支援ボランティア 小森 陽子さん( 52歳)
昨年11月26日、岐阜市役所前の広場で開いたチャリティーバザー。広場に併設する図書館の利用者が多く立ち寄った
昨年2月からのロシアによるウクライナ侵略により、同国では多くの人々の命と平和な日常が突如奪われた。現在もなお終結の兆しは見えず、戦地からは悲惨なニュースが日々報道されている。
そんな中、「自分にできることで、苦しんでいる人たちを助けたい」と支援活動を活発に続ける人たちがいる。小森陽子さん(52歳)は、昨年4月から、ウクライナ避難民を支援するチャリティーバザーと街頭募金を行ってきた。
| 地元の人々の温かい心がつながったチャリティーバザー
昨年11月、岐阜市役所前の広場の一角で、小森陽子さんと6人のボランティアが、昨年4月から4回目となるチャリティーバザーを開いた。
小森さん(右から二人目)と若井支部長(中央)。この日の岐阜市役所前のチャリティーバザーでは支部の仲間や地元の人たちが協力してくれた
地元の農家やスーパーから仕入れたトマトや大根、柿やみかんなどの生鮮食品、米、生花などを販売。売上金はすべて岐阜市役所を通じて日本赤十字社に送られ、ウクライナ避難民の救援に活用される。
街の人たちは、ウクライナの国旗の色に塗られた募金箱に目を引かれ、次々と足を止めた。「他人事じゃないよね」「頑張ってください!」と多くの人が小森さんたちに声をかけ、果物や米を購入し、募金をしていく。「本当にありがとうございます!」と笑顔で応対していた小森さんに、この活動の経緯と思いについてうかがった。
| ウクライナの人たちの苦難と悲しみに
自分にできることを探した
小森さんは、祖母の代からの霊友会会員。25歳のときに結婚し、息子の一輝くん(27歳)と娘の帆乃香さん(21歳)を授かった。些細なことから夫婦喧嘩が絶えなかった時期もあったが、故・宮川幸子第二十七支部長がいつも優しく小森さんの話に耳を傾け、支えてくれたという。子どもたちが自立してからは趣味の韓流アイドルのコンサートに通うなど、平穏に過ごしてきた。
そんなある日、ロシアがウクライナに軍事侵攻した。
侵攻直後にネットで情報を調べてみると、地下鉄の駅で、壁に貼られた韓流アイドルの誕生日を祝うポスターの下に、体を丸めてうずくまる避難民たちの姿を見ました。「1週間前、ここで私たちは笑い合っていた」という投稿文を見て、涙があふれてきました。
突然日常を奪われたウクライナの人たちを思うと、胸が締めつけられました。早く終わってほしい……。そう思ったとき、ふと、久保角太郎恩師の「宗教の本願は社会事業にある」というお言葉を思い出したのです。
小谷喜美恩師も太平洋戦争後、各地に赴き、傷ついた人たちを励まされたと聞きます。私も久保・小谷両恩師や、つらいときも支えてくれた宮川支部長のように、苦しんでいる人のために動き出そうと決めました。
小森さんは支部のつどいで、ウクライナ避難民のためにできることはないかと相談し、まずは各家庭から未使用品を集めてチャリティーバザーを開くことにした。
さっそく職場の同僚をチャリティーバザーに誘いましたが、「そんなの、偽善じゃないの?」とにべもなく断られたり、「売上金はちゃんと向こうに寄付されるの?」と疑われたこともありました。
そんな逆風の中、チャリティーバザーの準備を進めることができたのは、幼馴染みの若井貴子支部長(51歳)や支部の仲間の支えがあったからです。
そして昨年4月、初めて迎えた岐阜市役所前でのチャリティーバザー当日は、あいにくの雨。不安な中での開催でしたが、すれ違った多くの人たちが、私たちのブースに足を運んでくれました。
後日、支部の講堂でもチャリティーバザーを開催。街頭募金も行い、岐阜市役所に合計16万円を寄付することができたのです。岐阜市の担当者はその金額に驚かれ、「この浄財をウクライナ避難民の支援に必ず役立てます」と約束してくれました。
手応えをつかんだ小森さんは、若井支部長と一緒に次のチャリティーバザー開催のチラシを作って町内に配るなど、地道な活動を続けてきた。
職場の後輩や、国際学を学ぶ大学生の女性など、新しく手伝ってくれる人が増えてきました。また、地元のスーパーマーケットがご厚意で野菜や果物を提供してくれ、店内に私たちの募金箱まで設置してくれたのです。
チャリティーバザーを続けていく中で、「ありがとう」と声をかけられることも多く、私も「ありがとう」の気持ちでいっぱいになります。支部の人たちや、広場を快く貸してくださる岐阜市役所の方々、お子さんや青年、お年寄りの方まで、温かい支援をたくさんいただきました。
人の幸せを願う霊友会の教えの精神を大切にし、人と関わり続けることで誰かの力になれる。そう確信しています。
昨年4月29日に行われたチャリティーバザー。タオルやティッシュなどの雑貨の販売や、各家庭からの不要品を集め、売上金を寄付した
今年もチャリティーバザーの開催を予定している小森さん。終戦の目処が立たないロシア・ウクライナ問題に思いを馳せ、次のように話す。
日本では、遠い国の出来事だとこの問題への関心が薄れつつあります。しかし、今も罪のない人々が戦禍に巻き込まれ、故郷を追われ、命を落としています。
この問題を一日も早く終結させるために、私たちのような小さな支援活動でも、世界中の人が声をあげて、一人でも多くの人の支えになれればと願います。