社会を学ぶ
いのちの電話相談件数

『いのちの電話』年間相談件数(2020年)約53万件
「いのちの電話」って聞いたことありますか?今回は「人とのつながり」テーマに、私たちに一人ひとりにできる社会貢献できることを考えていきたいと思います。

今回取り上げるのは、5月8日に九州ブロックの「Myおせっかい 推進委員」がオンラインで集まって開催した「社会を学ぶサロン」。ゲストに、NPO法人で社会の問題に日々取り組んでいる青年部執行部の平水利憲(ひらみずとしのり)さん、4人の子どもを育てながら警察官として働き、支部長として青年の育成に取り組む古門真由美(ふるかどまゆみ )さんを招き、青年部執行部のK.Oさんの進行で行われた。

私の気持ちを受けとめてくれた
先輩たちのように

K 今回は「人とのつながり」をテーマに社会の問題を考えていきたいと思います。平水さんが今、仕事をする中で社会の問題だなと感じていることはありますか?

平水 はい。「いのちの電話」って聞いたことありますか?

K 自殺を考えたり、誰にも相談できずにひとりで悩みを抱えている人へ向けた電話相談サービスですよね。

平水 そうです。厚生労働省のホームページを見ると、「いのちの電話(一般社団法人日本いのちの電話連盟)」のほか、いろんな団体の電話相談窓口が紹介されています。その「いのちの電話」の相談件数は、昨年1年間で約53万件だそうです。

K そんなにたくさんあるんですか!?

平水 そう思いますよね。でもその前年の2019年が約62万件、2018年は約64万件だったんです。

K あれ? コロナ禍で増えているのかなと思ったんですが、むしろ減っているんですか?

平水 そうなんですけど、じゃあ悩んでいる人が減ったのかというと、私は違うと思います。実は最近、特に学生や若い人は、電話よりSNSの相談サービスを利用する人が多いんです。私の働くNPO法人でも、昨年8月からSNSで気軽に悩み相談ができるサービスを開始しました。

K どんな相談がくるんですか?

平水 進路の悩みや不登校、あと、コロナ禍で大学へ行けないとか。友達もできないし、オンライン授業についていけなくてしんどい、と。子育ての悩みもあるし、いろんな相談があります。中には「死にたい」という人も。
 みなさんに共通しているのが、「身近な人に相談できますか」と聞くと、「できません」と答えるところです。でも、やり取りを続けていくと、実は、相談はしているという人も多いんですよ。

K どういうことですか?

平水 「相談したけど、分かってもらえなかった」んです。もちろん、本当に誰にも相談できない悩みを抱えている人もいるので、まずは相手の状況をしっかりと聞くようにしています。

 相談を受けたある学生は、自分が希望する進路を親に反対されて悩んでいました。その子とのやりとりを通して、自分のことを思い出したんです。

 私は高校2年生のとき、地元の中高生がつくるライブイベントの実行委員長に立候補しようとしたら親に反対されました。なんで?とずっとモヤモヤしていた私の気持ちを受けとめ、一緒に頑張ろうと背中を押してくれたのが、霊友会の先輩たちでした。そして、先輩からアドバイスされた通りお経をあげました。すると、親を責めてばかりいた気持ちが、だんだんと変わっていったんです。

 普段、自分のやりたいことだけやって、勉強や進路のことを後回しにしていたな。親を心配させていたんだ。申し訳なかった。そう感じたことを親に話し、その上で「実行委員長をやりたい!」と伝えると、快く「いいよ」と言ってくれました。

 今、SNSの相談サービスを利用される人たちには、「大丈夫?」「一緒に頑張ろう」って言ってくれる人が身近にいないんじゃないかと思うんです。だからこそ、私たちがそういう存在になっていけるように、まわりの人と積極的に関わっていくことが大切ですよね。

K 声をかける。まずはその一歩からですね!

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悩みを抱えている人はあなたのそばにも

K 私のまわりには、子育て中のパパ・ママが多く、話を聞くと、いろんな悩みを抱えているんです。古門さんは4人のお子さんのお母さんでもありますが、古門さんのまわりではいかがですか?

古門 長男が小学生の頃、近所に、ある家族が引っ越してきました。挨拶に伺い、お母さんと話す中で、息子さんがADHD(注意欠如・多動症)だと知ったんです。聞かせてもらったのも何かの縁だと思い、霊友会の教えを伝えると、その場で入会されました。

 息子さんのことに加え、ご主人の短気な性格にも悩まされていて、彼女はいろんな心労を抱えながら生きていました。一緒に修行に取り組んで幸せになっていけるように、今も関わり続けています。母親の不安な気持ちは子どもにも伝わってしまうから、彼女に元気になってもらうこと。それが家族の幸せにつながると信じています。

 そんな彼女からは、「私は古門さんが近くにいてくれて、話を聞いてもらえて良かった。もし誰もいなかったら、子どもを殺していたかもしれない」と言われたことがありました。やっぱり、日々のつながりをもつことが重要なんですよね。私たちのひと言、一つの行動で救われる人がたくさんいるんじゃないでしょうか。

K 青年部スローガンの「ほっとかない!ほっとけない!」精神で、相手に寄り添う。そういう仲間を増やしていく。それも、私たち一人ひとりにできる社会貢献ですね!

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《参加者の声》

霊友会の教えを社会に生かすということが少し分かりました。(10 代・大学生)

一人ひとりが幸せになっていくことが、地域を良くしていくことなんだと感じました。(20 代・社会人)

コロナ禍でなかなか人に会えない今、オンラインでも関わりを続けていくこと、世の中のことに関心をもつことが大切だと思いました。(20 代・社会人)

 

Point!

●声をかける。まずはその一歩から!まわりの人と積極的に関わっていくことが大切。
●日々のつながりをもつことが重要。私たちのひと言、一つの行動で救われる人がたくさんいる。

今回は「医療・介護」にかかわるテーマで開催予定!
※詳細は「Myおせっかいヒーローズ」LINE公式アカウントでお知らせします。

  • 日付6月20日(日)
  • 時間19:30~21:00