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REIYUKAIボランティア

REIYUKAI
ボランティア

2020.9.30

誰かのためにと思ったとき…

 宮城県多賀城市に住む、福田すみ子さん(79歳)は、18歳から花嫁修業の一環として始めた華道を生かし、長年、地域の美化活動や子どもたちに無償で生け花教室を開くなど、地域に貢献する活動に努めてきた。

※自宅でたくさんの花に囲まれて。福田すみ子さん(左)と夫の耕紀さん

 すみ子さんは勤めていた製鉄会社の同僚だった耕紀さん(80歳)と昭和39年に結婚。耕紀さんに勧められて霊友会に入会した。

 入会後、地域のつどいなどに参加すると、障がい者への偏見があることを知る。自分も初めはそうだったのではないかという思いから、障がい者の偏見を少なくしたいと「宮城県三者の会」を発足した。

 様々な行事を重ねるうちに、お互いに自分のできることをさせていただこうと思うようになると、考えるよりも先に体が動くようになっていったと言う。

 すみ子さんに話を聞いた。

 「昭和62年『未来の東北博覧会』が仙台市で開催されることになり、地元の多賀城駅の駅長さんから、常設されている展示ケースに生け花を飾ってほしいとの依頼がありました。地域のためになるならとお受けすることにしたんです。

 生け花は一度飾ればそのままというわけにはいきません。多賀城駅に日参し、生け花の手入れをしなくてはなりません。お花もすべて用意して、毎日通いました。

 7月から開催された東北博も9月で終了し、もう辞めようかなと思っていたときのことでした。いつものように生け花の手入れをしていると、病院に通うために駅を利用している方から、『毎日楽しみにしていて、この花を見て元気をもらっています。ありがとう』と声をかけられたんです。

 地元の人たちに喜んでいただけることが嬉しくて、大変だけど続けさせていただこうと決心。今年で40年以上続けています」。

 現在は、駅だけでなく地域の文化センターや、デパート、地元主催のイベントなどにも生け花を提供している。

 地域の環境美化に努めた功績が認められ、平成30年10月に国土交通大臣から表彰状を授与された。

 「東日本大震災で宮城県は甚大な被害が出ました。霊友会の仲間が心配になって連絡しましたが被害は最小限で安心しました。この地域は被害が少なかったんです。けれども、他の地区にもお花の生徒さんがいて、避難所生活を強いられてる人が何人かいました。いてもたってもいられなくて、私たち夫婦と娘夫婦、そして孫、家族総出でおにぎりを300個作って避難所に届けたんです。手が真っ赤にはれ上がってしまって……。

 おせっかいと思われても誰かのためにと思ったときに、自然と体が動いてしまう。それが私の健康の元だと思って、これからも社会貢献活動を続けていこうと思うんですよ」。と笑顔で話してくれた。

※自宅で生徒に生け花を教えるすみ子さん