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REIYUKAIボランティア

REIYUKAI
ボランティア

2024.2.1

ボランティアって楽しい。
自分の視野が広がる!

F.Eさん 神奈川県 35 歳

 皆さんは、ボランティアに対してどんなイメージをもっているだろうか。今回は、「ボランティアは楽しい。自分の視野が広がる!」と語るF.Eさんを紹介。これを読んで、あなたも身近なところから自分にできることを見つけてみよう。

STEP1

|   誰かに頼ることで、誰かの力になりたいという思いが芽生えた

 昔の私は、どんなことも自分で決めないと気が済まない頑固な性格。専門学校に入り、栃木から上京して一人暮らしをすると決めた19 歳のとき。その後結婚し、娘を出産してほどなく、離婚すると決めた22歳のとき。どれだけ両親に心配され、反対されても、自分の意見を曲げませんでした。

 実家から車で30分ほどの栃木県内に住んでいた頃には、毎週実家に顔を出し、先端支部のつどいにも参加して、仕事も子育ても問題ないよ、と主張。仕事に支障をきたすほど体調を崩し、「実家に帰ってこい」と説得されたときには、ここで折れたら負けだと意地になり、聞く耳をもたなかったほどです。

 そんな私の転機になったのが、4歳の娘を連れて26歳のときに移り住んだ横浜での生活でした。

 いいママ友に恵まれ、お互いの家庭の事情も何でも話せて、保育園のことも気軽に相談できました。そんな相手ができたことで、気持ちが楽になったんです。

 そして、もう1つ大きかったのが、行政の子育てサポートシステムを利用できたことでした。仕事で手が離せないときに娘の保育園や習い事の送り迎えをお願いしたいといった、私のニーズを事前に登録しておき、時間帯や場所などの都合がマッチングした人がボランティアに来てくれるんです。何度も利用させてもらい、すごく助けられました。

 第三者によるボランティアだからこそ、変に気を遣うこともなく、利用することができたのだと思います。そして、人の力を借りれば、こんなにも自分が楽になるんだと初めて実感しました。

 こうして少しずつ、1人ですべてできるわけはないんだから、頼れるものは頼ればいいんだと思うようになりました。そして、今度は自分が誰かの力になりたい。そんな思いが芽生えたんです。

STEP2

|   ボランティアには、誰かの役に立つやりがいと、いろんな気づきがある

 横浜に来て5年が経った頃、郵便受けに入っていたチラシが目に留まりました。それは、デイサービスの通所施設で、利用者の食事の配膳や話し相手、入浴後の介助のサポートなどをするボランティアの募集でした。これだ!と直感し、娘と2人で申し込みました。

 娘は最初、乗り気ではありませんでしたが、施設へ行くと、利用者のおじいさんやおばあさんたちに孫のように可愛がられて、それがうれしかった様子。毎回、ニコニコして参加し、一生懸命お手伝いをするようになりました。また、30代の若いボランティアは少ないようで、私自身もみなさんから頼りにしてもらいました。利用者さんたちの笑顔を見るたびに、私のほうが元気をもらうんです。すごくやりがいを感じました。

 それだけではありません。私にとっては、親や、それより上の世代の話を聞く貴重な機会にもなりました。子育てや、子どもの食生活に関するアドバイス、ちょっとした生活の知恵など。今までそういう話を親から聞かされても素直に聞けなかった私でしたが、利用者さんたちから聞く話はスッと心に入ってきたんです。子育ての大先輩から聞かせてもらう体験談にハッとして、最近、些細(ささい)なことで娘に腹を立てていたなと、自分の態度を改めていこうと気づくこともありました。

 翌年、コロナ禍になり、デイサービスでのボランティアは1年ほどで終えることになりましたが、そこで得た経験は大きな力に。別のボランティアに参加したり、仕事でフリーランスになって企業の経営支援やキャリアコーチングを始めたり、娘が通う小学校ではPTAの役員を務めました。

 やりがいや気づきがあり、新しいことにチャレンジするパワーをもらえる。ボランティアって楽しい!と思いました。

STEP3

|   自分に縁のあるところで、自分にできることから始めよう

 昨年の4月、娘が中学生になったのを機に、私は何か新しいことを始めようと思い、仕事の合間にできるボランティアを2つ始めました。娘が卒業した小学校での特別支援教育支援員(※1)を週に2日。自分もお世話になった子育てサポートを、月に数回、5つの家庭を担当しています。

 特別支援教育支援員は、授業中にじっとしていられない子や、まわりのスピードについていけない子のサポート、校外学習の際の付き添いなどを行っています。落ち着いて生活できなかった子が、落ち着いて集団生活ができるようになったり、挨拶ができるようになったり、困っているお友達を助けられるようになったり……。子どもの成長を感じる場面に立ち会えて、すごくうれしいです。

 子育てサポートでは、各家庭によってさまざまなニーズがあることを実感しています。保育園の送り迎え。ご自宅で親御さんが手を離せない時間帯のお子さんの遊び相手。共働きのご両親が「休日に少し休みたいから3時間だけ来てほしい」など。最近は、発達障がいのあるお子さんが、療育(※2)に通う際の付き添いを頼まれるようになりました。電車に乗って行くのですが、一度、脱走しかけてしまったことがあって……。大変なこともありますが、こういう縁をいただいたということは、私にできることがきっとあるんだろうな、また、自分にも役立つ経験になるんだろうなと思い、続けています。

 娘だけでなく、いろんな子どもたちと関わる中で、つい口を出したくなる瞬間があります。そんなとき、ふと思い浮かぶのは両親の顔。両親は、わがままで頑固な私に散々手を焼いたと思いますが、最後は私の望むようにやることを許してくれました。それって、親としてものすごく辛抱強くなきゃいけないし、当たり前じゃなくて、ありがたいことだったんだな、と。子どもの頃から、つどいや弥勒山に連れて行ってもらって、いろんなタイプの人と話した経験は、今の仕事にも確実に生きています。いろんな経験をさせてくれたことに、今では感謝できるようになりました。

 私にとって、自分の視野を広げてくれたボランティア。これからも、自分に縁のあるところで、私にできることを続けていきます。そして、私の経験を伝えることで、何かを始めてみようと思う人の背中を押せたらいいなと思います。

※1… 幼稚園、小・中学校、高等学校において障がいのある児童生徒に対し、食事、排泄、教室の移動補助等、学校における日常生活動作の介助を行ったり、発達障がいの児童生徒に対し学習活動上のサポートなどを行う

※2療育(発達支援)とは、障がいのあるお子さまやその可能性のあるお子さまに対し、個々の発達の状態や障がい特性に応じて、今の困りごとの解決と、将来の自立と社会参加を目指し支援を行う

写真はイメージです。本文の登場人物とは関係ありません。