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ボランティア
2024.4.1
「困っている人をほっとけない!」
手話ボランティア 澤田 里恵子さん(57歳)
みんなが助け合う世の中にしていきたい
霊友会福祉センターでは今、誰でも気軽に参加できる「みんなで手話(かた)ろう! オンライン手話」を開講している。受講者たちは、健常者も直感的に覚えやすい単語も数多くある手話を、楽しみながら学んでいる。
| 困っている人に声をかけた。
「手話を習って良かった」と心から思えた瞬間
奈良県生駒郡に住む澤田里恵子さん(57歳)は、昨年から講習会に積極的に参加して手話を学んでいる。彼女はオンライン手話講座の魅力をこう語る。
普段は手話を解説している動画を見ながら一人で練習しているのですが、こうしてオンライン手話を通じて人と一緒に学ぶのは、やはり楽しいですね。いつも受講されている私と年の近い方や、小学生の子どもたち……。一緒に楽しく手話をして、日に日に上達しているみなさんの姿を見ていると、私ももっと頑張ろうと思います。
講座で、例文を手話で話すとき、いつも使っていない単語の手話表現を忘れてしまったりで、詰まってしまうこともあります。そんなときでも、霊友会福祉センターの講師の方や担当の方が、丁寧に優しく教えていただけるのがありがたいですね。
自宅で、手話を解説する動画を視聴しながら練習する澤田さん
今年1月に行われた「みんなで手話ろう! オンライン手話」講師の手話に合わせて例文を話しながら手話表現を磨いていく
「手話の読み取りをもっとスムーズにしたい」と練習に励む澤田さん。彼女が手話に初めてふれたのは高校生の頃、友達に地元の手話サークルに誘われたことがきっかけだった。
その手話サークルには私と年の近いボランティアの方や、様々な年代の聴覚障がいのある人もいて、高校生だった私にはとても新鮮でした。一緒に地域社会のことを考えていると、私もちょっと大人になれたような気がしました。
そのサークルで私たちに手話を教えてくれていた女性の先生は、「健常者が一方的に障がいのある人のお世話をするのではなく、同じ目線でふれあい、共に生きる社会をつくろう」と呼びかけていました。ろう学校の先生をしていて、地域の福祉ボランティアを務め、困っている人を見かけたらすぐに声をかけて助けにいく。そんな彼女の姿が人として素晴らしく、素敵でした。私も彼女のように、何か不安を感じていたり、困っている人がいたら温かく声をかけられる、そんな人になりたいと思いました。
高校卒業後は地元の役場に勤務し、聴覚障がいのある人の対応などに手話を活用していた澤田さん。結婚してから2人の子どもを育てる日々の中で、手話を通じてある出会いも生まれた。
次男の保育園の参観日で先生の話を聞くとき、お友達のお母さんがどこか困っているように見えました。もしかしたら……と声をかけると、やはり聴覚障がいのある方でした。彼女に、私が手話で先生の話を伝えると、驚きながらも本当に喜んでくれたのです。それから私たちはママ友になって、子育てのことを話したり、他愛もない世間話をする仲になりました。
息子たちが卒園したとき、彼女は私に、「あなたが一緒にいてくれて良かった」と手話でお礼を言ってくれたのです。手話を習って、声をかけて良かったと心から思いました。彼女とは今も親しい友達です。
| 障がいのある会員との関わりで教えられた、「みんなが幸せになる」社会の目標
澤田さんが、祖母の供養のために霊友会に入会したのは15年前。導きの親の支部長と接する中で、人を思う霊友会の教えに共感した。9年前には、目の難病を患って視覚障がい者となった新田美穂さん(56歳)に教えを伝えた。
近所に住んでいて、中学校で同じ吹奏楽部の後輩だった新田さんは、目に障がいを負ってからとても落ち込んでいました。まわりの人たちとも距離を置いて、孤独になっている彼女を放っておけない。私はスーパーなどで新田さんを見かけるたびに声をかけました。塞ぎこんでいた新田さんでしたが、何度も声をかけていくうちに心を開いてくれて入会したのです。
新田さんを私や支部の人たちが送り迎えしてつどいに参加したり、一緒に導きに歩きました。私たちと一緒に修行する中で、新田さんは少しずつ持ち前の明るさを取り戻してくれたのです。
新田さんは私に、「目が見えなくなってから、どうして私がこんなことにって、つらくて仕方がなかった……。だけど澤田さんや会員さんたちの姿を見ていると、私はいつも自分のことばかりで、まわりが見えていなかったことに気づかされた。みんなが私を気遣い、思いやってくれていたことにも気づけたの」と話してくれました。霊友会の教えを実践すると、みんなが元気になって、変わっていってくれることが何よりも嬉しいです。
支部長の家でつどいを開いた後に近くの公園でお花見。澤田さん(右から2人目)や新田さん(左から3人目)、会員や支部長、子どもたちで伸び伸びと楽しんだ
第十一支部講堂のつどいで新田さん(右)と。お互い何でも話せる仲だ
霊友会の活動に熱心に取り組み、多忙な中でも、手話のスキルをもっと人のために生かしたいという澤田さん。あるとき、『あした21』を読んで、オンライン手話講座の存在を知った。
オンラインで気軽に参加できて、全国の会員と一緒に手話を学べることが魅力的でした。昨年末にはオンライン手話で、大阪府にある手話カフェが話題に上がり、私はそこが開発した聴覚障がいのある人と手話通訳者のマッチングサービスに出合いました。
例えば障がいのある人が、知らない土地の駅に行きたい、店員と相談をして家電を買いたい……。生活のちょっとした場面でボランティアの手話通訳者がお手伝いできるように、障がいのある人とメッセージでやり取りをして直接会ったり、ビデオ電話で通訳をするものです。私は、人のお役に立ちながら、人と人のつながりを広げられるサービスに共感し、今年2月に登録して依頼を受けるようになりました。
今思えば、手話を始めたばかりの頃の私は、内心、「障がいのある人はかわいそう」と思うだけでした。しかし今は違う気持ちでいます。私たちはこの社会で一緒に生きている仲間であり、友達なのです。他人事(ひとごと)のように捉えたくはありません。私は障がいのある人たちが苦手なことを手伝いながら、一緒に過ごす中で、相手から本当に温かい気持ちと他にない充実感をもらえました。
誰もが住みやすい社会をつくるために、一人でも多くの人に手話の楽しさや意義が伝わるようにこれからも頑張ります。
受講希望の方、詳細をお知りになりたい方は下の「オンライン手話 受講者募集!」にアクセスしてください。