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ボランティア

2023.6.1

未来ある子どもたちのために

社会福祉法人 照光会 「照光愛育園」

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 児童養護施設とは、様々な事情により施設で生活せざるを得ない子どもたちを保護し、退所後も援助を行うことを目的とした施設である。その数は全国で600カ所以上にのぼる。

 霊友会が令和2年(2020)から「ありがとう こだま 基金」で支援している、社会福祉法人照光会「照光愛育園」も、そうした施設の一つだ。

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|   少しの劣等感もなくしてもらいたい

 児童養護施設で暮らす子どもたちの年齢は、原則2歳から18歳までとなっているが、「照光愛育園」では社会的養護自立支援事業(※)という制度のもと、21歳までの29人の子どもたちが共に生活をしている。入所理由は、親が亡くなった、虐待を受けた…など、様々。そんな中、近年増えているのが、親が精神疾患を抱えて働くことが困難になり生活できなくなるケースだ。実際に、住まいを失い、車上生活を送っていた親子もいたという。

 「照光愛育園」では、そんな子どもたちに劣等感を感じずに成長していってもらいたいとの思いから、様々な取り組みを行っている。

 主には「0(ゼロ)クラブ」と「サタデーファンクラブ」と呼ばれるもの。「0クラブ」とは食育活動のことで、調理や片付けを身につけるために子どもたち自身で行う。さらに、社会性を学ぶために食材の買い出しを行うことも。

 「サタデーファンクラブ」は、愛知県の中小企業家同友会(中小企業の経営者が集まるコミュニティー)と共同で実施している取り組みだ。子どもたちの進路や就職先の選択肢を広げてあげたい、退所した子どもたちでも相談できるような窓口をつくりたい、という目的のもとに始まった。毎月1回、子どもたちが相談できる場が設けられ、夏には2日間様々な企業へ赴き、職場体験を行っている。

夏季宿泊行事は、クリスマス会と思い出遠足に並ぶ3大イベントのひとつ。青空の下、みんなで仲良くピースサイン

独自の取り組みである「サタデーファンクラブ」で職業体験をする子どもたち。名古屋市の市場で見学中

|   何よりも子どもたちのことを思って

 「ありがとう こだま 基金」贈呈のきっかけは、ある霊友会会員が「照光愛育園」でボランティア活動をしていたことだ。愛情をもって子どもたちとふれあっている施設の雰囲気に感銘を受け、そのような施設を支援していきたいとの考えから、基金の贈呈につながった。

 昨年行われた、霊友会青年部主催の「社会を学ぶサロンin 愛知」には、「照光愛育園」副園長である中本和也さん(42歳)をゲストとして招待。そこで中本さんは、日頃、子どもたちと関わる中で感じていることや自身の体験まで、ありのままを話し、多くの参加者たちの心をつかんだ。

毎年行われている「お楽しみ会」で子どもたちにかき氷をふるまった。右は園長の番勝彦さん、左が中本さん

昨年の「社会を学ぶサロンin愛知」で講演する中本さん

 中本さんに話をうかがった。

 新型コロナウイルス感染症の流行が始まり、施設では「ありがとう こだま 基金」を活用して空気清浄機を購入しました。空気清浄機があったことで職員たちも安心して仕事に取り組め、とても助かり、感謝しております。

 私も決して恵まれたとは言えない環境で育ちました。自然と、自分と似たような境遇で苦しんでいる子どもたちの助けになりたいと思い、施設で働くようになったのです。

 私たちは、入所している子どもたちが未来に希望をもって生きていけるよう、日々、全力で向き合っています。これからは、子どもたちだけでなく、子育てに余裕をなくした親御さんたちのサポートにも取り組んでいきたいと思います。

※社会的養護自立支援事業…児童養護施設等への入所措置を受けていた人に、必要に応じて18歳到達後も、原則22歳の年度末までの間、引き続き里親家庭や施設等に居住して必要な支援を提供する事業のこと