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REIYUKAIボランティア

REIYUKAI
ボランティア

2021.12.1

「食」と「交流」 被災地の人々をつなぎ、 暮らしを支える

NPO法人「亘理いちごっこ」

大震災によって奪われた地域の暮らし
被災者のために立ち上がった

 霊友会の「ありがとう こだま 基金」の贈呈先の一つ、宮城県亘理郡のNPO法人「亘理いちごっこ」は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災を機に、被災者や地域住民の生活をサポートするために設立。亘理郡の名産のいちごから名付けられた同団体は、設立から10年以上にわたって様々な活動を行っている。

 震災当時、被災地には保存食などの支援物資が届けられていたが、栄養が偏って体調を崩した被災者がいたり、津波の被災地に優先的に配布されて内陸に住む被災者には届かなかったりと、地域により支援の格差があった。「このままでは地域社会がバラバラになってしまう」と危機感を抱いた地元の人たちが、被災者に無料で食事を提供するコミュニティ・カフェレストランを開いた。その活動が発展して、平成23年5月に「亘理いちごっこ」の設立に至った。

 震災から10年が経った現在は、高齢者への配食サービスや、サロンなどの地域交流・イベント活動を通じて被災者の心のケアにも取り組むなど、様々な活動を展開。平成30年からは3歳未満児の保育施設「わたり家庭保育園いちごっこ」を設立し、地域に住む人々の生活を支えている。

 霊友会との関わりは、震災当時に青年部員が被災地へボランティアに訪れ、炊き出しを手伝ったことから始まった。平成28年には霊友会青年部が中心となって開催した復興イベント「笑顔まつり」に初めて出店。亘理郡のいちごを使ったスイーツの販売や、「笑顔まつり」のスタッフの弁当を用意するなど、協力関係を深めていった。

「亘理いちごっこの設立者の一人、馬場照子代表理事(59歳)に話を伺った。

「笑顔まつり」で、霊友会の人たちはとてもフレンドリーに声をかけてくれました。また、店に人手が足りないといは店番をしてくれたりと、快く手伝ってくれたのです。
 NPO法人の私たちと霊友会さんとでは活動内容は異なりますが、根底には“人と人をつなげたい。人の役に立ちたい”という同じ思いが流れているのだと、そのとき感じました。

  令和元年からは「亘理いちごっこ」の厳しい経営を支援するため、霊友会の「ありがとう こだま 基金」を贈呈している。馬場さんが経緯を話す。

「亘理いちごっこ」の経営は、政府や地方自治体からの助成金、有志からの寄付金で成り立っていますが、毎年赤字経営が続いていました。例えば高齢者に向けた配食サービスでは、栄養バランスを考慮して選んだ食材費と宅配の人件費の支払いもままならず、サービスの維持で精いっぱいです。
 そんな私たちを宮城県の霊友会の人たちが気にかけてくださり、支援をいただきました。私たちのような小さな非営利団体の活動にまで目を配っていただけることに驚き、ありがたく感じています。

基金を活用し、困っている人たちを支え、
地域をもっと元気にしていきたい

「ありがとう こだま 基金」は、「亘理いちごっこ」の維持費用のほか、助成金では賄いきれない諸費用に活用されている。令和2年度にはコロナ禍の影響を考慮し、30万円の特設支援金が贈られ、飛沫感染防止設備や、障がい児者のオンライン研修用タブレット端末の導入費などにあてられた。

 助成金は使い道が定められていることが多く、他の用途に使うことは認められにくい。しかし「ありがとう こだま 基金」は、地域のために柔軟な活用ができるため、とても頼りにしているという。馬場さんは次のように話す。

 今は、様々な事情で家から出られない高齢者の生活支援の充実や、地元を盛り上げていけるイベントの開催が地域で求められています。これからも基金をはじめ、霊友会の皆さんのお力を借りながら、共に歩み、地域住民のための活動を広げていきたいと願います。