• TOP>
  • ボランティア一覧

REIYUKAIボランティア

REIYUKAI
ボランティア

2024.5.1

「みんなの活力の源でありたい」そんな施設づくりを目標に

社会福祉法人 山城福祉会「志津川(しつがわ)福祉の園」

=====================================================

 平成24年(2012)8月、記録的な豪雨被害をもたらした「京都府南部地域豪雨災害」が発生した。

 京都府宇治市にある、社会福祉法人山城福祉会「志津川福祉の園」でも、裏山の崩壊による土砂崩れで施設は甚大な被害を受けた。その改修資金として霊友会は「ありがとう こだま 基金」を贈呈。以来、施設を応援するために、今も継続して支援を続けている。

 災害から今年で12年が経つ同施設の取り組みを紹介する。

=====================================================

|   陶芸に縫製・織物
    工芸品を扱う就労継続支援施設

 「志津川福祉の園」は、知的障がいのある人たちを受け入れる通所型の障がい者支援施設だ。もともとは就労継続支援B型事業(※1)の取り組みでスタートしたが、生活面で介助を必要とする人も加齢とともに増えてきたことから、生活介護事業も行っている。

 利用者のみなさんはそれぞれ陶芸、縫製、織物、園外作業、紙漉(す)きなどの班に分かれて日々の作業に取り組んでいる。どの班も9時から16時まで作業を行い、オリジナルの製品づくりのほか、企業からの受託事業にも取り組む。陶芸班では、施設に隣接する「志津川陶芸教室」の助言も受け、皿や湯呑み、干支(えと)の置物などをつくっている。生活介護事業に所属するみなさんは午前中を中心にそれぞれ得意とする作業を行い、午後からは、ゆとりの時間を楽しみながら過ごしている。


陶芸班は石膏型に粘土を詰めたり、角を削って滑らかにする作業などを行う


シーサーの置物


まめ皿


毛糸を使って織物作業をする。ポーチからA4サイズが入るバッグまで様々なものをつくっている

|   地域のみなさんと
    交流を深めていきたい

 同施設が設立されたのは平成8年(1996)。当時は地域でまだ障がい者への理解が進んでおらず、住民からは敬遠されがちだった。しかし、施設では積極的に地域住民と関わるように努め、近くの畑を借りて、実際に利用者の方たちが農作業をする姿を見てもらった。一生懸命に働く彼らを見て、地域の人々の見方は次第に変化。障がい者への理解が深まり、交流する機会も増えていった。

 今では、施設で毎年催される開園記念祭「わいわいカーニバル」などの行事に参加する地域住民も増え、運営に協力してくれる人たちも出てきた。


毎年12月に行われる施設主催の「志津川市(いち)」では、利用者の方たちがつくった陶芸作品を販売。たくさんの地域住民が買い物に訪れる

|   掲げる信念は
    「今できることを、できる限り全力で」

 「志津川福祉の園」が設立される前、障がい者の働ける場所は宇治市内に一カ所しかなかった。そのことに危機感を抱いた、知的障がいの息子をもつ霊友会会員が奮起。養護学校を卒業した子どもたちの居場所を増やそうと、思いに賛同した障がい児をもつ母親たちとともに、同施設の設立に尽力した。その後、同施設と霊友会との交流は約30年にわたって続けられている。

 「わいわいカーニバル」では、近隣に住む霊友会会員がボランティアで毎年参加。また、霊友会が支援する「京都三者の会」(※2)が主催する行事に、同施設の太鼓クラブが出演したこともあった。


普段の作業以外に職員と利用者みんなで農作業も行う。収穫した野菜は、近くのスーパーや無人販売所などでも販売されている


農作業に使用している耕運機は「ありがとう こだま基金」を活用して購入された

 施設長(取材時)の森博文(ひろふみ)さん(59歳)に、話をうかがった。

 利用者のみなさんにとって、作品が完成することや地域の人たちが買ってくれることは大きな喜びとなり、それが、彼らの働くモチベーションにつながっています。そこで私たち職員は、彼らのもっている力を最大限に引き出せる作業は何なのかを常に意識して、考えや意見を出し合っています。「明日からもまたここで頑張ろう」と思ってもらえることが一番大切なのです。

 これからも、「今できることを、できる限り全力で」を信念に、地域の人たちと手を取り合いながら、利用者のみなさんにとって大切な場所のひとつとなれるように努めていきます。

(※1)一般企業での雇用契約に基づく就労が困難である障がい者に対して、就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供を行う

(※2)障がいのある人、その家族・介護者・介助者、ボランティアの三者が、互いに励まし支え合い、共に社会に貢献していくことを目指す団体。日本各地で活動している


<topics>

台湾地震の被災地へ災害義援金を贈呈

 4月3日に台湾の東部沖で発生した地震で亡くなられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災されたみなさまへ心よりお見舞い申し上げます。

 霊友会は被災した方々と被災地の一日も早い復興に役立ててもらおうと、「ありがとう こだま 基金」から義援金300万円を台湾に贈ることを決定。4月17日、大枝潔霊友会運営会議議長が台北駐日経済文化代表処(東京都港区)を訪れ、謝長廷代表に目録を手渡しました。


大枝潔霊友会運営会議議長(左)が台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表(右)に目録を贈呈した