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REIYUKAI
ボランティア

2024.7.1

孤独に悩み苦しむ被災者のために共に復興への道を歩んでいく

社会福祉法人 佛子園(ぶっしえん)

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 令和6年能登半島地震の発生から半年以上が経つ。輪島市を始めとした被災地では、元の生活に戻れる目処が立たない人がまだ数多くいる。

 「ありがとう こだま 基金」の支援先である石川県白山(はくさん)市の社会福祉法人「佛子園(ぶっしえん)」では、地域の福祉事業で培ってきた経験を生かし、輪島市で福祉避難所を開設。被災者たちや地域の復興のために自分たちができることに全力で取り組んでいる。

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|   障がいのある人たちと共に誰もが明るく賑わう町をつくる

 佛子園は石川県を中心に、デイサービスやグループホーム、児童発達支援センターなど多岐に渡る福祉サービスを各地で運営している。

 昭和35年(1960)の開設以来、佛子園が大切にしてきたことは、障がいの有無に関わらず誰もが元気になれる居場所を地域につくることだ。その一環として、スタッフと障がいのある人たちが一緒に働く天然温泉施設や、そば屋、カフェ、花屋、スポーツジムなどにも取り組んで幅広く展開。そうした事業を合わせると年間で約150万人に利用されている。

 障がいのある店員が常連のお客さんと仲を深めたり、施設利用者が園内で遊ぶ子どもたちの面倒を見たり……。福祉における「支える・支えられる」関係にとどまらない平等な交流が生まれ、明るく賑わう町をつくってきた。

 霊友会との縁がつながったのは令和2年(2020)のこと、金沢市に住む霊友会の会員と佛子園の雄谷良成(おおやりょうせい)理事長との交流がきっかけで、地域の霊友会会員が同園に積極的に協力するようになり、ボランティアとして定期的に足を運ぶようになった。

 佛子園の活動に賛同した霊友会は、この年から「ありがとう こだま 基金」を贈呈。基金はこれまでコロナ禍での感染防止対策用品の購入や、児童が使う遊具の購入費などに活用されてきた。

|   失われた被災地の生活。悩み苦しむ人を取り残さない

 今年、令和6年能登半島地震が発生。佛子園も各地の施設が被災したが、同法人が運営する「輪島KABULET(カブーレ)」が輪島市役所内で福祉避難所を開設。被災した施設利用者自ら清掃や炊き出しを行い、被災者たちの避難所生活を支えた。

 佛子園の速水健二(はやみけんじ)理事(47歳)は、次のように話す。

 「ありがとう こだま 基金」を活用して、他県から復興支援に来てくださるボランティアのみなさんの宿泊環境を整えました。佛子園本部周辺の空き家を借りて、真冬に寝泊まりができるように暖房器具や宿泊用品などを購入。多くのボランティアが体を休めることができました。厚く御礼を申し上げます。

 震災から約半年が経ちましたが、被災地には倒壊した家屋や焼け落ちた市場がそのまま残されています。仕事や住む家を失った人たちの生活は戻っていません。危ぶまれているのは、長引く避難所生活のストレスで病いが悪化したり、将来に希望を見いだせなくなった被災者が自ら命を絶ってしまう「災害関連死」の急増です。

 人は、人と関わり合っていくことで元気になれます。霊友会のみなさまが、「Myおせっかい」の理念のもとで行動されているように、私たちも人への思いやりが大切だと感じています。みんなの命を守るために、元気をなくしている被災者を一人も取り残さないように、人と人のつながりを絶やさないこと。一方的な支援関係にとどまらず、一緒にできることに取り組み、共に復興への道を歩んでいくことが重要だと考えています。


段ボールベッドを並べ被災者が過ごす福祉避難所。健康維持のためにストレッチをサポートするスタッフ


震災の直後から、輪島市役所内の福祉避難所で炊き出しをする「輪島KABULET」スタッフのみなさん

 5月11日、佛子園は被災地の人に元気を届けたいと輪島市内でウォークラリーを開催。現地には県内外から約300人が参加した。霊友会の会員たちも、障がいのある人の付き添い補助や給水所の運営を手伝いながらウォークラリーに加わった。


ウォークラリーのスタート前、佛子園の速水理事(右)がボランティアのために集まった霊友会会員に参加協力への感謝を伝える


ウォークラリーの中継地点で霊友会会員が給水係を務め、参加者に冷たい飲み物を配った

 被災地を多くの参加者が巡る中で、被災者から声をかけられ、世間話に花が咲く光景も見られた。スタート・ゴール地点に設定された輪島KABULETでは、参加者を応援しようと、被災者自らがいくつもの屋台をオープン。また多くの関係者や地域の人たちがゴールした参加者を温かく出迎え、大きな歓声があがった。


震災の爪痕が残る輪島市内を巡るウォークラリー。被災地を活気づけようと約300人が参加した


ウォークラリーのゴール地点には屋台も開かれ、参加者や地元住民らで賑わっていた

 速水さんは、「被災者、ボランティア、障がい者といった関係を超えて、一緒に元気になっていける活動を続けていきます」と決意を新たに話した。