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特別企画 青年部創立70年 弥勒山建立60年 恩師小谷喜美先生の思いを現代に-

2024.11.1

導きをすると、何百年分もの財産ができたようで何よりもうれしい

 小谷恩師ご在世当時、青年部は恩師からさまざまな指導を受けていました。青年部創立から6年後の昭和35年(1960)の『明法』11月号には、青年部幹部が恩師に直接お話をお聞きするコーナーが掲載されています。その中で、小谷恩師は青年部に向けて、次のようなお話をされています。

 修行ということは、人に言われてやるというのでは修行ということにはならないと思います。自分から進んでするということによって、霊界の御守護もいただき、その人の持って生まれてきた徳というものが自然に生きてきます。

 私も、二度や三度、四度や五度お導きに行って、断られたからもう行かないなんていうことがあると、久保恩師に「断られても、なお行けばいいんだ。次はちゃんとその家の名前を見てきて、よくお経をあげて行ってみなさい」と言われ、何度もお導きに通ったんです。一つの家を導くのに、28回通ったこともあるんですよ。

 追い出されたり、待たされたり、中には塩をまかれることもありました。それで帰ってきて久保恩師に話すと、「断られる因縁があるから断られるんだ。塩をまかれる因縁があるからまかれるんだ。それをよく念願して、幾日かしたらまた行きなさい」と言われてまた通って、大勢の方を導きました。

 人をお導きして総戒名をおつけし、お経をあげると、何百年分もの財産ができたようで、それが何よりもうれしいんです。久保恩師には年中叱られておりましたけれど、結局は私が自発的に修行をさせていただいていたんです。

 さらに、久保恩師から受けられた指導について、小谷恩師は、次のようなお話もされています。

 久保恩師は、まず親に孝行を尽くすこと、国のために尽くすということ、これが霊友会の信仰なんだと、よくおっしゃっておられました。

 みなさんに無理にああしなさい、こうしなさいということは霊友会にはございませんけども、私としてはどこまでも、久保恩師のお心に沿う気持ちで、お国のために、世界平和のためにどこまでも尽くしてほしいと思います。

 久保恩師からは、「人間は口でうまいことばかりを言ったってだめなんだ。法華経の精神を生かし、本心から国のために尽くしてみようという心でなくてはだめなんだ」と、こういうふうに聞かされておりました。「いくら自分だけ満足しても、国が貧しくなるようなことではだめなんだ。国が栄えていって初めて、人民もその功徳がいただけるんだから、まずもって国が栄えるように、この大誓願を生かさなければならないんだ」と、国を思う心をお諭しになられました。

 その心を、これから世を背負っていく若い人たちは決して忘れてはいけません。


昭和12 年(193712 月、本部講堂竣工・御本尊奉安・本部移転祝賀会で挨拶される小谷恩師と、そばで聞かれる久保恩師