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ボランティア

2023.4.1

パラスポーツから
障がいへの理解を深める未来へ

特定非営利活動法人 障がい者スポーツクラブ HIMAWARI

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 1月に現役引退を発表した、元車いすテニスプレーヤーの国枝慎吾さんに、パラスポーツ(※1)選手として初めて、国民栄誉賞を授与された。東京2020パラリンピックで、3度目のシングルス金メダルを獲得したことを覚えている方は多いのではないだろうか。彼の活躍はパラスポーツの社会的認知度の拡大に大きく貢献した。

 同じく、パラスポーツの認知度を高めようと活動している団体を紹介する。東京都青梅市を中心に活動している、「ありがとう こだま 基金」の贈呈先の一つである「特定非営利活動法人障がい者スポーツクラブHIMAWARI」だ。

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 運命を変えたパラスポーツとの出合い

「HIMAWARI」の活動目的は、障がいのある人とない人が共にパラスポーツを楽しみ、体力の維持・向上を図(はか)りながら相互理解を深めること。パラスポーツの普及を通して、ノーマライゼーション(※2)の実現を目指している。ボッチャやシッティングバレーボールのチームを結成して活動する他、地元・青梅市の小学校などでパラスポーツの体験教室も開催している。

栗原さんの地元・青梅市の小学校で、ボッチャの体験教室を開催。ボッチャのルールに子どもたちも興味津々

HIMAWARI」の発足に至ったきっかけは、理事長の栗原寿江さん(52歳)が27歳の頃、シッティングバレーボールと出合ったことにさかのぼる。元々、学生時代にバレーボールに打ち込んできた栗原さん。

「偶然、イランで開催されたシッティングバレーボール世界選手権の試合をテレビで見て感動、衝撃を受けたんです。同じバレーなのに健常者である私たちの動きと全く違う。障がいのある人がどうやって動いているんだろうと驚きました」。

 俄然、興味が湧いてきた栗原さんはさっそく挑戦してみたが、「隣のチームメイトとぶつかるし、サーブは入らないし、散々でした(笑)」。悔しい思いをしつつも、栗原さんは障がいのある人の可能性を感じ、平成10年(1998)シッティングバレーボールチーム「HIMAWARI」を発足、活動を続けてきた。

|   地域の活動から障がいへの理解をつなげていく

 平成27年(2015)、さらに広くパラスポーツを普及していきたいという思いから、ソフトボール・ボッチャを活動種目に追加し、「障がい者スポーツクラブHIMAWARI」に変更。平成29年(2017)にはNPO法人の認可を受けた。

 霊友会は、パラスポーツの普及に取り組んでいる「HIMAWARI」の活動に賛同し、平成30年(2018)から「ありがとう こだま 基金」贈呈を始めた。基金は、ボッチャボールやバレーボールの購入、練習会場を借りる際の費用などに活用されている。

ボッチャのランプ(勾配具)の練習


基金を活用して購入したボッチャボールや、審判用のコンパス・メジャー・パドル

 栗原さんに今後の展望をうかがった。

 猛威を振るっていたコロナも徐々におさまり、以前のような日常に戻りつつあります。しかし、感染対策により、社会とのつながりが薄れてしまっている人がまだまだ多くいます。

 まずはそういった人たちに以前のように元気になってもらうことが大事だと思います。そのためにも、各地域で行われているパラスポーツに一般の人も一緒に参加してもらえる場を提供したいのです。近い将来、そんな本格的なパラスポーツを体感できる大会を企画していきたいと考えています。

 障がいのある人とのコミュニケーションをとることで、障がい者への理解を深めてもらう。青梅市から障がい者支援への輪を広げていきます。

(※1)パラスポーツ…障がい者スポーツのこと。

(※2)ノーマライゼーション厚生労働省が提唱している、「障害のある人が障害のない人と同等に生活し、ともにいきいきと活動できる社会」のこと