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REIYUKAIボランティア

REIYUKAI
ボランティア
2025.2.1
人と人のつながりが明日を変える大きな力に
福崎町商工会青年部部長 小幡 勇介さん(43歳)
プロジェクト進行時はリーダーシップを発揮し、段取り良くみんなをまとめ上げる
商工会青年部部長として活躍する小幡さんは、祖父の代から受け継いだ地域貢献への思いを胸に、地域の活性化に力を注いでいる。テレビや新聞でも取り上げられた地元キャラクター「ガジロウ」をデザインした地ビール「GAJIRO BEER(ガジロウビール)」の開発や、福崎町駅前での「中播磨クリスマスマーケット」の開催など、活動は幅広い。かつては地域に苦手意識を持っていたと話す小幡さん。彼の心境を変えたきっかけとは何か。その思いを探った。
| 地域を活気づける新たな挑戦
福崎町商工会青年部部長として地域社会を盛り上げようと奮闘している小幡さん。一昨年までは福崎町消防団の副団長も務めた。その原動力は地域への熱い思いだ。
地域の安心・安全を守るために活動する消防団とは違い、商工会の役割は地域の活性化です。地域に何が必要なのか、自分に何ができるのかを手探りで考えながら、仲間と共に活動していました。
そうして生まれたのが、「GAJIRO BEER」です。ガジロウとは、福崎町出身で民俗学の父とされる柳田國男氏の著書に登場する河童で、この町のきもキャラ(※ガジロウは第一回きもキャラグランプリで初代王者となったゆるキャラ)として起用されています。ビールの材料に特産品のもち麦を使い、ラベルデザインにはガジロウを起用。この2つが結びつくことで、福崎町に足を運んでくれる観光資源になればと、オリジナルのクラフトビールを開発しました。
地元の飲料品卸売り業者や姫路市のビール醸造所と協力して開発した「GAJIRO BEER」
中播磨クリスマスマーケットの発案も小幡さんだ。福崎町駅前の広場で行われていたイルミネーションが、コロナ禍や予算の都合で廃止になってしまったことを惜しみ、新たな形で復活させたいと考えたことがきっかけだ。
駅を利用する方が電車を降りたとき、町に少しでも明かりが見えれば、きっと気持ちが明るくなると思うんです。近隣地域の商工会青年部の部長たちに声をかけると、多くの方から「一緒にやろう」という前向きな反応があり、中播磨地区(姫路市・市川町・神河町・福崎町)全体でクリスマスマーケットを開催することになりました。
これまで年に数回程度だった青年部同士の地域間交流が進み、できることの幅が広がっていく中で、子ども向けの職業体験やビアガーデン、キッチンカーといったアイデアも加わり、今回のクリスマスマーケットが形作られました。
クリスマスマーケットは大勢の参加者で賑わい、職業体験には3000人もの子どもたちが訪れた
毎年2回行われていたビアガーデンが、クリスマスマーケットの要素として取り入れられた
クリスマスマーケットの会場にぴったりなBGMを選ぶ
イルミネーションは町の人々から「ほっとする」「やっぱり駅前が明るい方がいいよね」という温かい感想をいただきました。初めてづくしで試行錯誤の積み重ねでしたが、他では得られない達成感があり、感無量です。
福崎町駅前のイルミネーション。中播磨地区の青年部部長らの協力により、クリスマスマーケットの大規模開催が実現された
| 消防団で育んだ地元への思い
曾祖父の代から霊友会の会員である小幡さん。祖父の故・小幡謙介支部長の背中を見て育ってきたという。
家ではいつも笑っていて、孫の私をかわいがってくれた祖父は、福崎町の観光協会の会長を長年勤め、運営側として夏祭りなどに参加していました。子どもの頃は、祖父がお祭りから嬉しそうに帰ってくる姿を見て、地元の催しに携わるのは当たり前なんだろうな、人に喜んでもらうことが何よりも楽しいんだろうなって思っていました。地元をとても大事にする人で、自分と関わった人たち一人ひとりを大切にしていました。経営していた会社では従業員から大変慕われていたと聞いています。
そんな祖父の姿を見て育ったため、私も人を思い、人に親切にするべきだという考えが根付いたのだと思います。
25歳から福崎町消防団に加わった小幡さん。愛着のある秋祭りの運行責任者として携われることが理由だ。昔は、住民同士の距離が近すぎる福崎町が苦手だったという小幡さんだが……。
消防団の活動を通じて、地域の多くの人と顔見知りになりました。すると、最近あの子はどうしてるかな、元気になったのかな、あのおじいちゃんやおばあちゃんは元気かなと気にかけるようになったんです。帰郷した人には「お帰り」と声をかけ、久しぶりに会った地域の子どもや高齢者に話しかけることで距離が近くなり、何かあったときに助け合える関係が築けました。人を思いやる心も育まれたと実感しています。
小幡さんが副団長を務めた福崎町消防団は、令和5年(2023)に防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞
若い頃は重荷だった人とのつながりを大切に感じるようになったとき、ここはいい町なのだと誇りに感じるようになりました。福崎町の安心・安全を守りたいという気持ちも徐々に育ち、地域に還元していきたいという思いが湧いてきました。
| 霊友会青年部の活動が広げた世界
高校3年生になったときに家族から、「青年の弥勒山リーダーセミナー」(学生班)に行くよう促されたことが、霊友会青年部の活動に活発に参加するきっかけとなった。
分科会のグループミーティングで同世代の子と話が盛り上がり、霊友会にはこんなに腹をわっていろんな話をできる人がいるんだと感じました。弥勒山や東京の釈迦殿に何回も行く中で青年部の仲間も増えて、今まで地元だけだった人間関係がぐっと大きく広がりました。
それから、弥勒山セミナーの運営に何度も携わらせていただきました。参加してくれる人の気持ちや、感じてもらいたいことを仲間と一緒に考えました。相手のことを想う、この時の経験が今の地域での活動にも活きています。
しかし、地元での活動と霊友会の活動の両立は日程の調整が難しく、板挟みになることもたびたびあった。地元の人や霊友会の仲間に迷惑をかけてしまったときは、自分は何のためにこの活動をしているのかと深く悩んだという。
そんな中、3年前に祖父が他界しました。福崎町を心から愛し、人のために尽くしてきた祖父の姿を、私は尊敬していました。霊友会の活動で「先祖が喜んでいる」という言葉をよく聞いてきましたが、私は、親や先祖が喜ぶことをしていきたいとあらためて強く感じました。商工会青年部部長としての役目が始まったばかりのタイミングでしたので、地域に貢献したいという思いが一層強くなりました。
| 何事も楽しんで達成感を積み重ねる
小幡さんは、仲間と共に何事も楽しみながら、身近な範囲でもいいので、できることを続けることが大切だと呼びかける。
小さな幸せや達成感を共有し、積み重ねていくことで、お互いの信頼が生まれ、ひいてはより良い社会を築いていけるのだと信じています。現代では人と人とのつながりが希薄になりがちですが、人は一人では生きていけません。もっと人とつながり、助け合い、応援し合える社会が広がってほしい。私もこの町で自分にできることを続けていきます。
<社会貢献 まめ知識>
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